【アルバムレビュー】Tame Impala『Currents(カレンツ)』

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洋楽コラム

Tame Impala(テーム・インパラ)は、オーストラリアのマルチインストゥルメンタリストであるKevinParker(ケヴィン・パーカー)のサイケデリックミュージックプロジェクト。

基本的にパーカーはプロジェクトのすべての楽曲をプログラミング・レコーディング・演奏するスタイルで制作を行っています。

しかし、そのサウンドはどこまでも広大に広がる宇宙のようなスケール感を感じることができます。

そんなテーム・インパラのアルバムの中でも、一際サイケデリックで中毒性があるのが、彼の3rdアルバム『Currents(カレンツ)』

2012年にリリースした2ndアルバム『Lonerism』に続いて、第58回グラミー賞「最優秀オルタナティヴ・ミュージック・アルバム」にノミネートされたアルバムでもあります。

そのサウンドは、The Beatles(ビートルズ)や The Doors(ドアーズ)を思い出してしまうような、琴線に触れるヴィンテージでサイケデリックなポップスといいましょうか。

しかしそれでありながら、現代的解釈のあるシンセサイザーなどで独特のアレンジを効かせて世界観を作り上げています。

私が衝撃を受けたのが、アルバム7曲目の「The Less I Know The Better」です。

Tame Impala – The Less I Know the Better – YouTube

初めて聴いたときは、恐らく私がカフェで勉強をしていた時でした。
どこからか、非常に懐かしく、浮遊感と重厚感のある歪んだギターのリフが聞こえてきました。

その後、「ズッチ!、ズッチ!」とディスコビートが流れはじめ、パーカーの甘い歌声が泣きのメロディーを奏で始めます。

まさにその時感じた率直な感想は、“古く新しい洗練されたポップス”でした。

その後、この『Currents(カレンツ)』をアルバム全体で何度も聴き通したのですが、そこで気づいた魅力は、やはりイントロから一気に聴き手の耳を奪うキャッチーな洗練されたサウンドであるかと思います。

アルバム1曲目の「Let It Happen」から、もうすでにテーム・インパラとしてのリバーブ等空間のこだわりと、ループながらに全く飽きない瑞々しい曲展開を存分に感じることができます。

また全体を通して言えることですが、ポップ要素が強くなりチープな印象を与えがちな、ストリングスアレンジなども斬新な使い方で聴くたびに発見があります。

ふとした時に、何度も聴きたくなるアルバムです。

■ Currents トラックリスト

1. Let It Happen
2. Nangs
3. The Moment
4. Yes I’m Changing
5. Eventually
6. Gossip
7. The Less I Know the Better
8. Past Life
9. Disciples
10. ‘Cause I’m a Man
11. Reality in Motion
12. Love/Paranoia
13. New Person, Same Old Mistakes

WRITER

TOY吉

洋楽なら幅広く聴きますが特にHIP HOP、R&B、ソウル、ファンクを好みます。

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