【アルバムレビュー】Anderson .Paak『Malibu(マリブ)』

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洋楽コラム

今回のアルバムレビューは、Anderson .Paak(アンダーソン・パーク)2枚目のスタジオ・アルバム『Malibu(マリブ)』

ドクター・ドレーの『Compton』の6曲に関わるという異例の大抜擢により、爆発的に西海岸シーン最注目となった彼の代表作で、ロバート・グラスパー、マッドリブ、9thワンダー、ザ・ゲーム、スクールボーイ・Qなど豪華ゲストを迎えたアルバムで、“聞いたことがありそうでないバンドサウンド×コンテンポラリーサウンドと和声の響き”を持った作品になっています。

今作に関して彼はグラミーでのノミネート時に、

「MalibuはMac miniとぼろくて凹んでるマイクを使って作ったんだ。なるようになると思ってはいたけれど、それにしてもこれはヤバイ!」

と語っています。

2016年にサウス・バイ・サウスウエストのグルーク賞を受賞、またグラミー賞の「最優秀新人賞」と「最優秀アーバン・コンテンポラリー・アルバム賞」の2部にノミネートされてからも勢いが止まることはなく、BETヒップ・ホップ・アワードの「ベスト・ニュー・ヒップ・ホップ・アーティスト」や、NMEアワードの「ベスト・ニュー・アーティスト」のノミネートを獲得しました。

さらに世界的にヒットしヨーロッパでゴールド・ディスク認定を獲得、同アルバムの「カム・ダウン」は多数のテレビ出演と米バスケット・ボール・コマーシャルで起用され、同じくグラミー受賞アーティストである、あのケンドリック・ラマーもSNSで絶賛しました。

私が今回特に今回のアルバムで注目した楽曲は、『ハート・ドント・スタンド・ア・チャンス』という曲です。

Anderson .Paak – Heart Don’t Stand a Chance – YouTube

後から知ったのですが、この曲はTikTokでも“優雅ステップ”というジャンルの動画で使用されているようです。

この曲の良さはなんといっても、“一貫したスムースなメロディに対して急展開するフック(サビ)”だと思います。

バース全体は基本は四つ打ちでゆったりとしたムードなのですが、フックになるとアンダーソンパークのジャジーなドラミングが、サンプリングされたキャラクターボイスとともに楽曲を掻き回します。

アルバム全体を通して、飽きのこないメロウなバンドサウンドに仕上げられていると言えるでしょう。

■ Malibu トラックリスト

1. The Bird
2. Heart Don’t Stand a Chance
3. The Waters (ft. BJ the Chicago Kid)
4. The Season / Carry Me
5. Put Me Thru
6. Am I Wrong (ft. Schoolboy Q)
7. Without You (ft. Rapsody)
8. Parking Lot
9. Lite Weight (ft. The Free Nationals United Fellowship Choir)
10. Room in Here (ft. The Game & Sonyae Elise)
11. Water Fall (Interluuube)
12. Your Prime
13. Come Down
14. Silicon Valley
15. Celebrate
16. The Dreamer (ft. Talib Kweli & Timan Family Choir)

WRITER

TOY吉

洋楽なら幅広く聴きますが特にHIP HOP、R&B、ソウル、ファンクを好みます。

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