Metallica(メタリカ)のプロフィール
メタリカは、1981年に結成されたアメリカのヘヴィメタル・バンド。現在のメンバーはボーカルとリズムギターを担当するJames Hetfield(ジェイムズ・ヘットフィールド)とリードギターを担当するKirk Hammett(カーク・ハメット)、ベースを担当するRobert Trujillo(ロバート・トゥルージロ)、そしてドラムを担当するLars Ulrich(ラーズ・ウルリッヒ)の4人。バンドの初期の音楽は、スラッシュメタルと呼ばれるジャンルに属し、非常に高速かつ激しい演奏を特徴としています。彼らは、これまでに多数のアルバムを発表し、世界中で1億2000万枚以上のレコードを売り上げています。
メタリカは、1981年にカリフォルニア州ロサンゼルスで結成。ラーズ・ウルリッヒは、デンマーク出身のドラマーであり、彼は当時、メタリカの前身であるレッド・アラートというバンドを結成していました。ラーズは、メタリカを結成するために広告を出すと、ジェイムズ・ヘットフィールドが応募してきました。ジェイムズは、リズムギターを弾きながら歌うことができることで有名であり、当時、バンドを探していました。
最初の数年間で数多くのメンバー交代を経験しましたが、1983年には、Dave Mustaine(デイヴ・ムステイン)がリードギターを担当するようになります。彼は、初期のメタリカの楽曲の多くを共作し、バンドのスタイルを形成するのに貢献しました。しかし、彼は1983年にバンドを解雇され、自分のバンド『Megadeth(メガデス)』を結成することになります。
バンドは、1983年に初のデモテープ「No Life 'til Leather」をリリースし、地元のヘヴィメタルファンから好評を博しました。これにより、バンドは地元のライブシーンで注目されるようになり、その後、メジャーレーベルのエレクトラ・レコードと契約することができました。
同年、初のアルバム『Kill 'Em All(キル・エム・オール)』をリリースし、大きな成功を収めました。このアルバムは、スラッシュメタルの先駆けとなる作品のひとつであり、非常に高速で激しい演奏が特徴的な作品となっています。アルバムに収録されている楽曲は、バンドの初期のライブで演奏されたものが多く、彼らのエネルギッシュなステージパフォーマンスが反映されています。特に、「Seek and Destroy」と「Whiplash」は、今でもライブで演奏される代表曲として知られています。
翌1984年に2枚目のアルバム『Ride the Lightning(ライド・ザ・ライトニング)』をリリース。このアルバムは、『Kill 'Em All』よりも洗練されたサウンドを持っており、より多様な楽曲構成が取り入れられています。特に、バラードの「Fade to Black」は、バンドの代表曲のひとつとして広く知られています。
1986年には3枚目のアルバム『Master of Puppets(邦題:メタル・マスター)』をリリースし、更なる成功を収めました。このアルバムは、スラッシュメタルの傑作として広く認められており、バンドのキャリアの中でも最も重要な作品のひとつとされている。アルバムに収録されている楽曲は、より長大で複雑な構成となっており、多彩なリフとギターソロが特徴的な作品です。同年行われていたツアー中にバス事故に遭い、バンドのベーシストであったCliff Burton(クリフ・バートン)が事故死。彼は、バンドの初期の楽曲の多くを共作し、バンドのスタイルを形成する上で重要な役割を果たしていました。彼の死後、バンドはフロイド・ローズを採用した新しいベーシストであるJason Newsted(ジェイソン・ニューステッド)を迎え入れ、バンド活動を継続しました。
1988年に4枚目のアルバム『...And Justice for All(邦題:メタル・ジャスティス)』をリリース。このアルバムは、より技術的な演奏が特徴的であり、より政治的な歌詞が含まれています。しかしながら、このアルバムは、プロデューサーのクリフ・バートンの死によってバンドの雰囲気が変わったこと、そしてジェイソン・ニューステートが加入したことによって、作曲プロセスが変わったことから、バンドのファンの間で議論を呼び起こすこととなりました。
1991年にリリースされたバンドの5枚目のアルバム『Metallica(通称「Black Album」)』は、バンドの最も成功したアルバムのひとつとして知られています。このアルバムは、よりメロディックで大衆向けのサウンドを持っており、楽曲「Enter Sandman」や「The Unforgiven」などのヒット曲が収録。このアルバムは、グラミー賞にノミネートされ、全世界では現在までに3,000万枚近くを売り上げています。
1996年に6枚目のアルバム『Load(ロード)』をリリース。このアルバムは、よりブルースやカントリーの要素が取り入れられ、よりロックンロール的なサウンドを持っています。このアルバムは、一部のファンからは批判されたものの、ビルボード200では4週連続1位を獲得し、商業的には成功を収めました。
1997年に『Reload(リロード)』というアルバムをリリース。このアルバムは、『Load』と同じセッションで録音された楽曲を含んでおり、よりヘヴィなサウンドを持っています。このアルバムも『Load』と同じく一部のファンからは批判を浴びましたが、商業的には成功を収めた。
2000年には、バンドは7枚目のアルバム『St. Anger(セイント・アンガー)』をリリース。このアルバムは、よりアグレッシブでヘヴィなサウンドを持っており、バンドの初期の作品に戻ったと評されました。しかしながら、このアルバムは、プロデューサーのボブ・ロックによる独特なミキシングや、ドラマーのラーズ・ウルリッヒのスネアドラムの音によって、一部のファンからは批判されました。
バンドは、2003年に『St. Anger』の後継作品である『Death Magnetic(デス・マグネティック)』をリリース。このアルバムは、より古典的なメタリカのサウンドを取り戻し、ファンからは好評を博しました。このアルバムは、第51回グラミー賞の最優秀ロック・アルバム賞にノミネートされました。
2016年には、10枚目のアルバム『Hardwired... to Self-Destruct(ハードワイアード…トゥ・セルフディストラクト)』をリリース。このアルバムは、バンドが初期の作品に戻っていると評され、往年のファンからは高く評価されました。また、アルバムは、グラミー賞にノミネートされ、世界中で大きな商業的成功を収めました。
メタリカは、ライブパフォーマンスでも知られており、特に1980年代と1990年代には、そのエネルギッシュなステージパフォーマンスで大観衆を魅了しました。バンドは、何度もワールドツアーを行い、世界中のファンを獲得。また、慈善活動にも積極的に取り組んでおり、2000年には、アルバム『S&M』の収益の一部をチャリティー団体に寄付するなど、多くの慈善活動に参加しています。
メタリカは、数々の賞や栄誉を受けており、ロックの殿堂入りも果たしています。また、音楽産業に対する貢献を評価され、2009年には、グラミー賞のスペシャル・メリット・アワードを受賞した。
現在、メタリカは、ジェームズ・ヘットフィールド、ラーズ・ウルリッヒ、カーク・ハメット、ロバート・トゥルージロの4人で活動。バンドは、長いキャリアの中で多くの変化を経験してきましたが、その音楽性とパフォーマンス力は常に高い評価を受けています。
2023年4月14日には11枚目のアルバム『72 Seasons(72リーズンズ)』をリリース。世界20か国で初登場1位を獲得しました。