プロフィール

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Lil Wayne(リル・ウェイン)は、ルイジアナ州ニューオーリンズ出身のラッパー。本名はDwayne Michael Carter Jr.(ドウェイン・マイケル・カーター・ジュニア)。
世界中で1億2000万枚以上のレコードを売り上げており、米国ではアルバム2500万枚以上、デジタルトラック9500万曲以上を売り上げ、世界で最も売れている音楽アーティストの一人となっている。
ドウェイン・マイケル・カーター・ジュニアは1982年9月27日にルイジアナ州ニューオーリンズのアップタウン地区、ホリーグローブという貧困地域で生まれた。母親は19歳で彼を出産し、料理人として働いていた。両親は彼が2歳のときに離婚し、父親は家族を完全に捨てた。2009年のCBSニュースのインタビューで、本名「ドウェイン」から「D」を外して「ウェイン」と名乗る理由を尋ねられると、「父親は生きているが、俺の人生に一度も関わったことがない。だから“Dwayne”ではなく“Wayne”でいたい」と語っている。彼は亡き義父Reginald "Rabbit" McDonald(レジナルド “ラビット” マクドナルド)を本当の父親と考えており、彼の名前を入れたタトゥーを彫っている。
カーターは幼少期から成績優秀で、ラファイエット小学校の特別進学プログラムに在籍し、その後エレノア・マクメイン中等学校で優等生として学んだ。演劇クラブでは『The Wiz』でブリキ男を演じた経験もある。その後、マリオン・エイブラムソン高校に進学したが、音楽活動を優先して10年生の時に退学。母親は彼が身を守るために銃を持ち歩いているのを知り、安全を考慮して退学を決めた。
彼は8歳で初めてラップの歌詞を書き、1991年の夏、キャッシュ・マネー・レコードの共同創設者Bryan "Baby" Williams(ブライアン“バードマン”ウィリアムズ)と出会う。ウィリアムズは彼を指導し、音楽活動を支援。リル・ウェインはバードマンの電話の留守番メッセージにフリースタイルを録音するなど、幼い頃からラップに熱中していた。
1994年、12歳のときに胸を銃で撃ち、瀕死の重傷を負った。当時は事故と説明していたが、2018年のインタビューで、それは母親にラップ活動をやめるよう言われたことによる自殺未遂だったと告白している。彼は命を救ってくれた警官Robert Hoobler(ロバート・“アンクル・ボブ”・フーブラー)に深く感謝しており、その警官が救急車を待たずに自らの車で病院へ搬送するよう指示したことで助かったと語っている。複数の警官が迅速な判断で救命に関わったとも報じられている。
銃撃による自傷事故から回復した後、リル・ウェインは、ニューオーリンズ出身のラッパーでB.G.として知られ、旧友でもあるChristopher Dorsey(クリストファー・ドーシー)と再び行動を共にするようになった。2人は後にキャッシュ・マネー・レコードのレーベル仲間となり、デュオ「The B.G.'z」を結成。B.G.は「Lil Doogie」、ウェインは「Baby D」という名で活動した。彼らは1995年に唯一のアルバム『True Story』をリリースしている。
1997年、ウェインとB.G.はJuvenile(ジュヴナイル)、Turk(ターク)と共にヒップホップ・グループ、Hot Boys(ホット・ボーイズ)を結成。ウェインは当時14歳で、メンバーの中で最年少だった。同年にデビュー・アルバム『Get It How U Live!』を発表し、1999年にはメジャー・デビュー作『Guerrilla Warfare』をリリース。この作品は米ビルボードのR&B/ヒップホップ・アルバム・チャートで1位、ビルボード200で5位を記録した。
ホット・ボーイズは「We on Fire」と「I Need a Hot Girl」という2つのシングルをチャート入りさせ、またキャッシュ・マネー・レコードのバードマンとマニー・フレッシュのデュオ、Big Tymers(ビッグ・タイマーズ)と共演した「Bling Bling」でも注目を集めた。ウェインはラジオ版ではヴァースを担当し、アルバム版ではサビを歌っている。この曲はB.G.のソロアルバム『Chopper City in the Ghetto』(1999年)に収録された。さらにウェインはジュヴナイルのヒット曲「Back That Azz Up」にも参加し、同曲はビルボードホット100で18位、R&B/ヒップホップ・チャートで5位を記録した。
グループ解散後、1998~2000年に録音されていた未発表曲を集めたコンピレーション『Let 'Em Burn』が2003年3月にリリースされた。このアルバムはR&B/ヒップホップ・アルバム・チャートで3位を記録したが、ビルボード200では14位と伸び悩んだ。
リル・ウェインのデビュー・ソロアルバム『Tha Block Is Hot』は、彼が17歳のとき、1999年11月2日にリリースされた。ホット・ボーイズのメンバーが大きく参加したこの作品は、ビルボード200で初登場3位を記録し、発売から1か月も経たないうちにRIAAよりプラチナ認定を受けた。アルバムの表題曲「Tha Block Is Hot」はジュヴナイルとB.G.がコーラスを担当し、作品全体として高い評価を受けた。これによりウェインは『The Source』誌で「最優秀新人アーティスト」部門にノミネートされ、全米トップ10入りを果たした。
2枚目のスタジオ・アルバム『Lights Out』は2000年12月19日に発売された。前作ほどの成功には至らなかったが、2001年6月にゴールド認定を受けた。評論家たちは、リリックに一貫性が欠けており、ホット・ボーイズの他メンバーと比べて成熟度がまだ低いと指摘した。ただしリードシングル「Get Off the Corner」では表現力の向上が見られ、成長の兆しを感じさせた。ホット・ボーイズが参加した2枚目のシングル「Shine」は注目度が低かったが、同時期にビッグ・タイマーズとジュヴナイルの楽曲「Number One Stunna」に客演し、これは2000年公開、日本では劇場未公開の映画『The Original Kings of Comedy』のサウンドトラックにも使用された。
3枚目のスタジオ・アルバム『500 Degreez』は2002年8月にリリースされた。プロデューサーのMannie Fresh(マニー・フレッシュ)とホット・ボーイズの協力を得て制作され、前作同様ゴールド認定を受けたが、デビュー作ほどの商業的成功には至らなかった。タイトルは、かつての仲間ジュヴナイルの代表作『400 Degreez』(1998年)へのオマージュである。バードマンとTQ参加したリードシングル「Way of Life」はビルボードホット100で71位、R&B/ヒップホップ・チャートで23位を記録し、2Pac(トゥパック)の「Hit 'Em Up」をサンプリングしている。アルバム自体は売上が伸び悩んだものの、AllMusicのジョン・ブッシュは『500 Degreez』を高く評価し、「Way of Life」を「中毒性のあるパーティー・トラック」と評した。アルバム発売後、ウェインは3LWの「Neva Get Enuf」や、後に交際することになる歌手Nivea(ニヴィア)の「Ya Ya Ya」にも参加し、客演アーティストとしての活動も広げていった。
2004年6月29日、リル・ウェインの4枚目となるスタジオ・アルバム『Tha Carter』がリリースされた。この作品は、彼のラップスタイルとリリックのテーマが大きく進化した作品として高く評価された。また、アルバムのジャケットでは、後に彼のトレードマークとなるドレッドヘア姿が初めて披露された。アルバムは全米で87万8,000枚を売り上げ、シングル「Go DJ」はR&B/ヒップホップ・チャートでトップ5入りを果たした。『Tha Carter』の成功により、ウェインは全国的な知名度を確立した。その後、Destiny's Child(デスティニーズ・チャイルド)のヒット曲「Soldier」にT.I.と共に客演し、ビルボードホット100とR&B/ヒップホップ・チャートでともに3位を記録した。
2005年にはBobby Valentino(ボビー・ヴァレンティーノ)の「Tell Me」リミックスに参加し、R&B/ヒップホップ・チャートで13位を獲得。同年、ウェインはキャッシュ・マネー・レコードの社長に就任したが、後に自身のレーベル「ヤング・マネー・エンターテインメント」を立ち上げ、キャッシュ・マネー・レコードおよびユニバーサル・ミュージック・グループの傘下で活動を開始した。しかし2007年末には経営から退き、運営を長年のマネージャーであるCortez Bryant(コーテズ・ブライアント)に委ねている。
2005年12月6日には、『Tha Carter』の続編となる『Tha Carter II』をリリースした。プロデューサーのマニー・フレッシュは金銭的問題でレーベルを離脱しており、本作には関与していない。アルバムは初週23万8,000枚を売り上げ、ビルボード200で2位に初登場。最終的に世界で200万枚を売り上げた。リードシングル「Fireman」はビルボードホット100で32位を記録し、ほかにCurrensy(カレンシー)とコラボした「Grown Man」、「Hustler Musik」、Robin Thicke(ロビン・シック)とコラボした「Shooter」といったシングルも収録されている。2006年にはレーベル創設者バードマンと共にコラボ・アルバム『Like Father, Like Son』を制作。シングル「Stuntin' Like My Daddy」はビルボードホット100で21位を記録した。
リル・ウェインは次のソロアルバムを出す代わりに、数多くのミックステープや他アーティストの楽曲への客演を通じてファン層を拡大していった。その中でも、特に注目を集めたのが2006年の『Dedication 2』と翌年の『Da Drought 3』である。『Dedication 2』はDJ Drama(DJドラマ)との共作で、ジョージア州出身のラッパーField Mob(フィールド・モブ)とLudacris(リュダクリス)の楽曲「Georgia」をリミックスした「Georgia Bush」が話題となった。この曲では、ハリケーン・カトリーナの被害に対するブッシュ政権の対応を痛烈に批判している。『Da Drought 3』は翌2007年に無料ダウンロード配信され、当時の人気曲のビートに乗せたフリースタイルが中心だった。この作品は『XXL』や『Vibe』など主要ヒップホップ誌で取り上げられ、『ローリング・ストーン』誌のクリスチャン・ホードは『Da Drought 3』と『The Drought Is Over 2 (The Carter 3 Sessions)』を「2007年のベストアルバムのひとつ」と評価した。
2年間アルバムを出していなかったにもかかわらず、ウェインは2006~2007年にかけて多数のヒット曲に参加した。代表的な客演としては、Chris Brown(クリス・ブラウン)の「Gimme That(Remix)」、Fat Joe(ファット・ジョー)の「Make It Rain」、Lloyd(ロイド)の「You」、DJ Khaled(DJキャレド)の「We Takin' Over」、Playaz Circle(プレイヤズ・サークル)の「Duffle Bag Boy」、Wyclef Jean(ワイクリフ・ジョン)の「Sweetest Girl (Dollar Bill)」などがある。これらの楽曲はビルボードホット100やR&B/ヒップホップ・チャートの上位20位以内にランクインした。特に「Make It Rain」はビルボードホット100で13位、R&B/ヒップホップ・チャートで2位を記録し、翌年グラミー賞では最優秀ラップ・パフォーマンス(デュオまたはグループ部門)にノミネートされた。
この時期、ウェインはバードマンのアルバム『5*Stunna』や、Jay-Z(ジェイ・Z)の『American Gangster』、Kanye West(カニエ・ウェスト)『Graduation』、Enrique Iglesias(エンリケ・イグレシアス)『Insomniac』などにも参加。音楽シーン全体で最も影響力のあるラッパーの一人となった。2007年、『Vibe』誌は彼の楽曲77曲をランキングし、DJキャレド「We Takin' Over」でのヴァースを最高と評価した。同年末にはMTVの投票で「Hottest MC in the Game」、『The New Yorker』で「Rapper of the Year」、『GQ』で「Workaholic of the Year」に選ばれ、2008年には『ローリング・ストーン』から「Best MC」にも選出された。
2007年、リル・ウェインはホット・ボーイズの再結成を宣言し、B.G.のソロ作『Too Hood to Be Hollywood』のリリース後にアルバムを出す計画を明かした。同年予定されていた『Tha Carter III』は、録音音源が『The Drought Is Over Pt.2』や『Pt.4』などのミックステープとして流出したため発売が延期された。ウェインは流出曲と新曲をまとめた別アルバム『The Leak』を2007年12月に発表予定だったが、結果的に5曲入りEPとして同月25日にデジタル配信された。
『Tha Carter III』は2008年6月10日にリリースされ、初週で100万枚以上を売り上げた。これは50 Cent(50セント)『The Massacre』(2005年)以来の快挙であった。Static Major(スタティック・メジャー)を迎えたリードシングル「Lollipop」はビルボードホット100で1位を獲得し、ウェインにとって初のソロ名義ナンバーワンとなった。T-Pain(T-ペイン)を迎えた3枚目のシングル「Got Money」も13位を記録。アルバムはグラミー賞で4部門を受賞し、「Lollipop」で最優秀ラップ・ソング、『Tha Carter III』で最優秀ラップ・アルバムを獲得した。RIAAは同作をダブルプラチナに認定した。
2008年は客演活動も盛んで、ロイド「Girls Around the World」、Usher(アッシャー)「Love in This Club Part II」、Cassie(キャシー)「Official Girl」、Akon(エイコン)「I'm So Paid」、Keri Hilson(ケリー・ヒルソン)「Turnin' Me On」、T-ペイン「Can't Believe It」など多数のR&B曲に参加。ラップではT.I.「Swagga Like Us」、The Game(ザ・ゲーム)「My Life」、DJキャレド「I'm So Hood(Remix)」などにも登場し、ポップではKevin Rudolf(ケヴィン・ルドルフ)「Let It Rock」に参加した。
ライブ活動も活発で、故郷ニューオーリンズでのヴードゥー・エクスピリエンスではキャリア最大規模のヘッドライナー公演を行い、ヴァージン・ミュージック・フェスではカニエ・ウェストと共演。「Lollipop」のリミックスを披露したほか、MTV VMAやSNLにも出演し、多くの賞を受賞。2008年のBET Hip Hop Awardsでは最多12部門ノミネート、うち8部門で受賞した。
『Tha Carter III』が全米で300万枚以上を売り上げ2008年の年間最売上アルバムとなったことで、ウェインはキャッシュ・マネー・レコードとマルチアルバム契約を再締結。さらにカントリー・ミュージック・アワードで初のヒップホップアーティストとして出演を果たした。同年、彼はグラミー賞で最多8部門にノミネートされ、「A Milli」で最優秀ラップ・ソロ・パフォーマンス賞、「Swagga Like Us」で最優秀デュオ・パフォーマンス賞、「Lollipop」で最優秀ラップ・ソング賞、さらに『Tha Carter III』で最優秀ラップ・アルバム賞を受賞した。
2009年には『MTV Man of the Year』に選ばれ、数々のメディア出演を果たした。さらに、ヤング・マネー・エンターテインメントの初コンピレーション『We Are Young Money』を2009年12月23日にリリースし、「Every Girl」、「BedRock」、「Roger That」などのヒットを生んだ。アルバムは2010年にゴールド認定を受けた。
同時期、Madonna(マドンナ)の『Celebration』収録曲「Revolver」やWeezer(ウィーザー)の「Can't Stop Partying」にも客演。また、『Tha Carter III』の未収録曲を再構成したロック色の強いアルバム『Rebirth』を2010年2月2日に発売したが、批評家からは酷評され、2002年の『500 Degreez』以来最も評価の低い作品とされた。そのプロモーションのためにローリング・ストーン誌の表紙を飾り、北米ツアー『Young Money Presents: America's Most Wanted Music Festival』を開催。ビルボードホット100で15位を記録したシングル「Prom Queen」同じく33位を記録した「On Fire」(33位)、Eminem(エミネム)が参加した「Drop the World」を発表した。
リル・ウェインは2007年の時点で『Tha Carter IV』の制作を示唆し、当初は2009年末のリリースを予定していた。バードマンは当初、『Rebirth』との2枚組として発売されると述べたが、ウェインはそれを否定し、両作は別々に発売されることになった。2010年9月27日、彼の28歳の誕生日に『I Am Not a Human Being』をリリース。このアルバムは銃器不法所持による服役中に発表されたものであり、ビルボード200で2位に初登場した後、最終的に1位を獲得。服役中に全米1位を達成したラッパーは1995年の2パック以来であった。シングル「Right Above It」はビルボードホット100で6位を記録し、アルバムは全米で約95万枚を売り上げた。
出所後、『Tha Carter IV』の制作を一からやり直し、2010年12月にはCory Gunz(コリー・ガンズ)を迎えたリードシングル「6 Foot 7 Foot」をリリース。2011年3月にはRick Ross(リック・ロス)参加の「John」も発表された。このころ、ウェインは「35歳で引退する」と語り、家族との時間を優先したい意向を示した。2010~2012年にかけては、ケヴィン・ルドルフ「I Made It」、Drake(ドレイク)「The Motto」、「HYFR」、「Miss Me」、エミネム「No Love」、クリス・ブラウン「Look at Me Now」、DJキャレド「I'm on One」、「No New Friends」、Juicy J(ジューシー・J)「Bandz a Make Her Dance」など、数多くのヒット曲に客演し、シーンの中心に居続けた。
『Tha Carter IV』は2011年8月29日に発売され、初週で96万4,000枚を売り上げ、ビルボード200で1位を獲得。これは『Watch the Throne』(ジェイ・Z&カニエ・ウェスト)を上回る売上で、ウェインにとって3作目の全米1位アルバムとなった。前年のミックステープ『Sorry 4 the Wait』も注目を集め、彼の人気をさらに強固なものにした。2011年末までに、ウェインは累計デジタル販売数3,600万曲を突破し、史上7番目の記録を残した。その後、『I Am Not a Human Being』と『Rebirth』の続編制作が報じられ、2012年にはバードマンが『Like Father, Like Son 2』の完成を発表。同年11月、ウェインは『Tha Carter V』を最後のアルバムにする意向を明らかにした。
1年の延期を経て、『I Am Not a Human Being II』は2013年3月26日にリリースされ、初週21万7,000枚を売り上げビルボード200で2位を記録。シングル「My Homies Still」、「Love Me」、「No Worries」が先行してヒットしたが、アルバム自体の評価は賛否が分かれ、以前ほどの勢いはないと指摘された。同年、T.I.や2 Chainz(2チェインズ)とともに北米ツアー『America's Most Wanted Festival』に参加したが、Future(フューチャー)「Karate Chop」リミックスで公民権運動家Emmett Till(エメット・ティル)を侮辱する内容をラップしたため、ペプシ(マウンテンデュー)との契約を打ち切られた。2013年9月1日には『Dedication』シリーズ第5弾『Dedication 5』を発表。全29曲に及ぶミックステープで、Young Moneyのメンバーも多数参加している。
2013年10月、キャッシュ・マネー・レコードの元副社長Mel Smith(メル・スミス)が「新しいYMCMBの音楽、Carter 5が近日公開」とSNSで発言し、『Tha Carter V』の存在が初めて明かされた。翌年2月、スミスは「もうすぐ出る」と語り、2月15日にはドレイクのNBAオールスター・パフォーマンスにリル・ウェインが登場し、アルバムを2014年5月5日にリリース予定と発表した。SXSWでもウェイン自身が「『Tha Carter V』が最後のアルバムになる」と宣言した。しかし、3月末にマネージャーのコーテズ・ブライアントが発売延期を発表。5月にはドレイク参加の「Believe Me」を先行リリースしたが、その後のシングル「Krazy」、「Grindin'」、Christina Milian(クリスティーナ・ミリアン)を迎えた「Start a Fire」は最終的にアルバム未収録となった。
同年8月から9月にかけて、ウェインとドレイクは『Drake vs. Lil Wayne Tour』を開催。ストリートファイターをモチーフに「どちらが最強のラッパーか」をテーマに競演し、2014年のヒップホップツアー収益ランキングで第3位となる成功を収めた。しかし年末、ウェインはキャッシュ・マネー・レコードとの金銭トラブルを理由にアルバムの発売が再び延期されたと公言した。
2015年1月、彼はその代替としてミックステープ『Sorry 4 the Wait 2』を自主リリース。6月にはジェイ・ZのTIDALと提携し、独占配信曲「Glory」を発表、続いて7月4日にTIDAL限定でアルバム『Free Weezy Album』をリリースした。翌年、2チェインズとの共同プロジェクト『ColleGrove』にも関わったが、レーベルの問題で正式には2チェインズ名義のみとなった。2016年には映画『スーサイド・スクワッド』の楽曲「Sucker for Pain」に参加。同年9月にはSNS上で「もう防御できない」「終わりだ」と投稿し、引退をほのめかした。
2016年9月にはスポーツ番組『Skip and Shannon: Undisputed』のテーマ曲として「No Mercy」を提供し、2017年12月にはミックステープ『Dedication 6』を、翌年1月には続編『Dedication 6: Reloaded』をリリースした。2017年、ウェインはジェイ・Zのロック・ネイションと契約したと発表したが、後に正式な契約書は存在しないと説明した。翌2018年6月、ついにキャッシュ・マネー・レコードから解放され、『Tha Carter V』をヤング・マネー・エンターテインメント/リパブリック・レコードから発売することが発表された。
長年の延期を経て、『Tha Carter V』は2018年9月27日、ウェインの36歳の誕生日に発売された。アルバムは初週48万ユニット(うち14万枚が純アルバム販売)を売り上げ、ビルボード200で1位を獲得。ストリーミング再生数は4億3,300万回を超え、当時2番目に多い記録を達成した。全曲がビルボードホット100にランクインし、同時に4曲がトップ10入り、さらに2曲がトップ5に同時初登場するという史上初の快挙を成し遂げた。Swizz Beatz(スウィズ・ビーツ)がプロデュースした代表曲「Uproar」は全米7位を記録し、2001年のG. Dep(G・デップ)「Special Delivery」をサンプリングしている。『Tha Carter V』はその後RIAAによって2×プラチナに認定された。
『Tha Carter V』制作中の段階で、リル・ウェインは次のアルバムのタイトルを『Funeral』とすることを発表した。2020年1月23日にジャケットと発売日を公開し、同年1月31日にリリース。ビルボード200で初登場1位を獲得し、ウェインにとって通算5作目の全米1位アルバムとなった。批評家からの評価はおおむね賛否両論から好意的なものであった。その直後、ウェインは『The Masked Singer』第3シーズンに“ロボット”として出演したが、初回で脱落。同年2月、Lil Baby(リル・ベイビー)のアルバム『My Turn』収録曲「Forever」に参加し、両者の2020年最初のコラボとなった(同年、ウェインの「I Do It」でも共演)。
4月にはApple Music内のチャンネル「Apple Music 1」で自身のラジオ番組『Young Money Radio』をスタート。音楽、スポーツ、コメディなど幅広い分野のゲストを招く形式だった。同年5月には『Funeral』のデラックス版をリリースし、Doja Cat(ドージャ・キャット)やLil Uzi Vert(リル・ウージー・ヴァート)など多数のアーティストが参加。7月には2015年の『Free Weezy Album』を配信解禁、8月には2009年のミックステープ『No Ceilings』を商業リリースとして復刻した。9月にはYoungBoy Never Broke Again(ヤングボーイ・ネヴァー・ブローク・アゲイン)のアルバム『Top』収録曲「My Window」に客演し、批評家から高評価を得た。同月25日には『Tha Carter V』のデラックス版を発表し、未収録曲を追加収録した。
2020年11月にはミックステープ『No Ceilings 3』をリリースし、同時に『I Am Not a Human Being III』を翌年発売予定と発表したが、2021年内にはリリースされなかった。2021年10月にはRich the Kid(リッチ・ザ・キッド)とのコラボミックステープ『Trust Fund Babies』を発表し、収録曲「Feelin' Like Tunechi」のMVも公開。ウェインはリッチ・ザ・キッドとの関係を「兄弟のような絆」と語っている。
2023年3月31日にはキャリア初のベスト盤『I Am Music』をリリースし、未発表曲「Kant Nobody(feat. DMX)」を収録。この曲ではDMXの1998年の楽曲をサンプリングしており、両者はかつてDMXの死後に発表されたアルバム『Exodus』(2021年)でも共演していた。2023年9月には新曲「Kat Food」を発表し、10月にはミックステープ『Tha Fix Before Tha VI』をリリース。11月にはCiara(シアラ)とクリス・ブラウンの楽曲「How We Roll (Remix)」にも参加した。同じく11月、2チェインズとのコラボアルバム『Welcome 2 Collegrove』を発表。これは2016年の『ColleGrove』の続編にあたる作品で、今回はウェインも正式に共同名義アーティストとしてクレジットされた。前作ではキャッシュ・マネー・レコードとの契約問題により名義が制限されていた。
そして2025年2月6日、スキンケアブランド「セタフィル(Cetaphil)」のCM内で、『Tha Carter VI』を2025年6月6日にリリースすると正式発表。2月17日には、スーパーボウルLIXのハーフタイムショーで自身のコラボ相手Kendrick Lamar(ケンドリック・ラマー)がヘッドライナーに選ばれたことに対して不満を示しつつも、『Saturday Night Live』50周年記念特番に出演しパフォーマンスを披露した。

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