「We Are The World（ウィ・アー・ザ・ワールド）」はアメリカの著名なアーティストが一堂に集結したプロジェクト、USAフォー・アフリカによるチャリティー・シングル。1985年3月7日にコロムビア・レコードとCBSレコード（現ソニー・ミュージックエンタテインメント）からリリースされた。マイケル・ジャクソンとライオネル・リッチーが作詞作曲し、クインシー・ジョーンズがプロデュース。1983年から1985年にかけてエチオピアで発生した飢饉への募金活動を目的としていた。2,000万枚以上の売上を記録し、史上8番目に売れたシングルとなっている。
OVERVIEW
イギリスのバンド、バンド・エイドが1984年12月に「Do They Know It's Christmas?」をリリースした直後、ミュージシャンで活動家のハリー・ベラフォンテは、アフリカの飢饉救済のためのアメリカ発のチャリティ・シングルを制作することを決意した。大手エージェントのケン・クレイゲンが、このプロジェクトのために数人のミュージシャンを起用した。ジャクソンとリッチーは、1985年1月28日の最初のレコーディング・セッションの前夜に曲を完成させた。このイベントには、ブルース・スプリングスティーン、シンディ・ローパー、ポール・サイモン、スティーヴィー・ワンダー、ティナ・ターナーなど、当時最も有名なアーティストたちが集結した。
1985年3月7日、「We Are the World」は7インチと12インチの両方のフォーマットでシングルとしてリリース。アメリカでは、R＆Bシングルチャート、ホット・アダルト・コンテンポラリー・トラック・チャート、そしてビルボードホット100で1位を獲得し、1ヶ月間その座を維持した。このシングルはホット100で21位でデビューしたが、1位を獲得するまでに4週間かかった。これはシングルがチャートのピークに達するのに通常かかる期間の半分となり、21位から5位、2位、そして1位へとランクアップした。ビルボードホット100で1位を獲得したシングルは、ボブ・ディラン、ブルース・スプリングスティーン、ウィリー・ネルソン、アル・ジャロウ、スティーヴ・ペリー、ハリー・ベラフォンテ、ボブ・ゲルドフ、ウェイロン・ジェニングス、ジェフリー・オズボーン、シーラ・E、ポインター・シスターズ、ランディ・ジャクソン、ラトーヤ・ジャクソン、そして俳優兼コメディアンのダン・エイクロイドだけであった。ポップとロックの両方のリスナーから支持されたフィル・コリンズの「One More Night」の成功がなければ、「We Are The World」はもっと早くチャートのトップに到達していたかもしれない。「We Are The World」はビルボードのトップ・ロック・トラックとホット・カントリー・シングル・チャートにもランクインし、それぞれ27位と76位を記録した。この曲は、ビートルズの「Let It Be」以来、発売後2週間以内にビルボードのトップ5入りを果たした初のシングルとなった。
アメリカ以外では、オーストラリア、フランス、アイルランド、ニュージーランド、オランダ、ノルウェー、スペイン、スウェーデン、スイス、イギリスで1位を獲得した。ドイツとオーストリアでは最高2位を記録した。このシングルは商業的にも成功を収め、「We Are The World」の初回出荷80万枚は発売後3日以内に完売した。このレコードは、アメリカン・ポップ・シングル史上最速の売り上げを記録した。ウェスト・ハリウッドのタワーレコードでは、2日間で1,000枚が売れた。店員のリチャード・プティパスは、「ナンバーワンシングルは週に100～125枚売れる。これは全く前代未聞だ」とコメントした。1985年末までに、「We Are the World」はその年の最も売れたシングルとなった。5年後、この曲は1980年代最大のシングルとなったことが明らかになった。「We Are the World」は最終的に、アメリカおよびポップミュージック史上最も売れたシングルとして挙げられた。この曲は、アメリカレコード協会から4倍の認定を受け、マルチプラチナ認定を受けた初のシングルとなった。
受賞歴には、グラミー賞4部門、アメリカン・ミュージック・アワード1部門、ピープルズ・チョイス・アワード1部門が含まれる。「We Are the World」は、ミュージック・ビデオ、VHS、特別版雑誌、同時放送、そして数々の書籍、ポスター、Tシャツなどによるプロモーション活動が行われた。これらのプロモーション活動とグッズ販売により、「We Are the World」はアフリカとアメリカ合衆国への人道支援のために8,000万ドル以上（2024年には2億2,900万ドルに相当）の募金を集めることができた。
MUSICIANS
Conductor
・Quincy Jones
Soloists (in order of appearance)
・Lionel Richie
・Stevie Wonder
・Paul Simon
・Kenny Rogers
・James Ingram
・Tina Turner
・Billy Joel
・Michael Jackson
・Diana Ross
・Dionne Warwick
・Willie Nelson
・Al Jarreau
・Bruce Springsteen
・Kenny Loggins
・Steve Perry
・Daryl Hall
・Huey Lewis
・Cyndi Lauper
・Kim Carnes
・Bob Dylan
・Ray Charles
Chorus (alphabetically)
・Dan Aykroyd
・Harry Belafonte
・Lindsey Buckingham
・Mario Cipollina (of Huey Lewis & The News)
・Johnny Colla (of Huey Lewis & The News)
・Sheila E.
・Bob Geldof
・Bill Gibson (of Huey Lewis & The News)
・Chris Hayes (of Huey Lewis & The News)
・Sean Hopper (of Huey Lewis & The News)
・Jackie Jackson
・La Toya Jackson
・Marlon Jackson
・Randy Jackson
・Tito Jackson
・Waylon Jennings
・Bette Midler
・John Oates
・Jeffrey Osborne
・Anita Pointer (of the Pointer Sisters)
・June Pointer (of the Pointer Sisters)
・Ruth Pointer (of the Pointer Sisters)
・Smokey Robinson
Instrument players
・John Barnes – keyboards, programming, arrangement
・David Paich – synthesizers
・Michael Boddicker – synthesizers, programming
・Ian Underwood – synthesizers, programming
・Steve Porcaro – synthesizers, programming
・Paulinho da Costa – percussion
・Louis Johnson – bass
・Michael Omartian – keyboards
・Greg Phillinganes – keyboards
・John Robinson – drums