プロフィール

Morgan Wallen(モーガン・ウォーレン)のプロフィール、歌詞一覧、アルバム・シングルを網羅したディスコグラフィーをご紹介。最新の洋楽はここからチェック。
Morgan Wallen(モーガン・ウォーレン)は、テネシー州ノックスビル出身のカントリーシンガー、ソングライター。本名はMorgan Cole Wallen(モーガン・コール・ウォーレン)。
父は地元教会の牧師を務め、母は教師であった。高校では野球部で投手兼遊撃手として活躍したが、最終学年で靭帯を損傷し進学の道を断念した。
幼少期にピアノとバイオリンを習い、父からクラシックロックを教わった。10代ではBreaking Benjamin(ブレイキング・ベンジャミン)やNickelback(ニッケルバック)、さらにLil Wayne(リル・ウェイン)といったラッパーに傾倒したが、最終的にカントリー・ミュージックへ傾き、Keith Whitley(キース・ウィットリー)やEric Church(エリック・チャーチ)を手本に自身の音楽スタイルを築いた。
高校卒業後は造園業に就き将来に迷いを感じていたが、音楽への情熱を再燃させ、ギターを学びながら本格的に音楽活動を志すようになった。
2014年、音楽番組『The Voice』シーズン6に出場し、Howie Day(ハウィー・デイ)の「Collide」を歌って審査員のShakira(シャキーラ)やUsher(アッシャー)に評価された。最初はアッシャーのチームに所属したが、途中でAdam Levine(アダム・レヴィーン)のチームに移り、プレーオフで敗退した。この経験で自身の未熟さを痛感し、練習に励むようになったと後に語っている。番組出演は彼の知名度を高め、音楽業界とのつながりを築くきっかけとなった。
その後、番組のボイストレーナーだったSergio Sanchez(セルジオ・サンチェス)と活動を共にし、一時的に「Morgan Wallen & Them Shadows」というバンドを結成。サンチェスの紹介でインディー・レーベルのパナセア・レコードと契約し、2015年にEP『Stand Alone』を発表した。デビューシングル「Spin You Around」は2021年にRIAAからダブルプラチナ認定を受けた。
2015年、マネージャーの紹介でインディー・レーベルのビッグ・ラウドと契約し、デビューシングル「The Way I Talk」を発表した。その後、他アーティストへの楽曲提供や、Florida Georgia Line(フロリダ・ジョージア・ライン)のツアー参加を経て、彼らとのコラボ曲「Up Down」で初めてビルボード・ホット・カントリー・ソングス・チャートのトップ5入りを果たした。
キャリア初期には特徴的なマレットヘアを取り入れ、「庶民的なロックスター」としてのスタイルを確立した。2018年4月にはデビューアルバム『If I Know Me』をリリースし、シングル「Whiskey Glasses」が大ヒット。ホット・カントリー・ソングス・チャートとカントリー・エアプレイ・チャートの両チャートで1位を獲得し、ビルボードホット100でも17位に入り、自身の代表曲と評された。
2019年には再びフロリダ・ジョージア・ラインのツアーに同行し、同年リリースの「Chasin' You」もヒット。2020年には『If I Know Me』が発売から114週を経て、ついにトップ・カントリー・アルバム・チャートで1位を記録するなど、長期的な成功を収めた。
モーガン・ウォーレンはTikTokで人気を拡大し、無自覚のセックスシンボルとして注目を集めた。Billboard誌の表紙にも登場し「カントリーの次なる世界的スターか?」と報じられた。しかし2020年、アラバマ大学の試合後に新型コロナのガイドラインを無視して飲み歩く姿が拡散され、『サタデー・ナイト・ライブ』への出演が一時キャンセルとなった(のちに復帰出演)。
パンデミック中の創作期間を経て、2020年リリースのシングル「7 Summers」よりリパブリック・レコードが流通に加わり、ビッグ・ラウドとの共同リリース体制となった。2021年に2枚組アルバム『Dangerous: The Double Album』を発表。カントリーとR&B/ポップ要素を融合した本作はビルボード200とカナダ・アルバムチャートで初登場1位を獲得し、全米では6週連続首位、カントリー歌手としては1992年以来の快挙を達成した。さらに10週連続1位を記録したのは30年以上ぶりで、ホイットニー・ヒューストン以来となった。
シングル「More Than My Hometown」「7 Summers」「Sand in My Boots」「Wasted on You」も大ヒットし、「7 Summers」はビルボードホット100で6位を記録、同年のTime誌「ベストソング」に選出された。アルバム発売直後にはホット・カントリー・ソングス・チャートのトップ10に同時に6曲がランクインする史上初の記録を打ち立て、ビルボードホット100には19曲、カナダのホット100には23曲が同時ランクインするなど、ウォーレンの地位を決定づける成功となった。
2021年2月、TMZがウォーレンが友人に対して人種差別的なスラング「nigger」を使う映像を公開した。ウォーレンはすぐに謝罪声明を出したが、複数のラジオ局は楽曲の放送を停止し、Apple MusicやSpotifyなどのプレイリストからも削除された。CMTやカントリー・ミュージック協会も出演映像を削除し、所属レーベルのビッグ・ラウドと提携先のリパブリック・レコードは契約を無期限停止した。また、アカデミー・オブ・カントリー・ミュージックはウォーレンとアルバム『Dangerous: The Double Album』を授賞対象外とした。
その後、ウォーレンは30万ドルをブラック・ミュージック・アクション連合に寄付し、テレビ番組『Good Morning America』でも自らの発言を「誤り」と認めた。8月にはシングル「Sand in My Boots」のリリースに伴い、彼の楽曲はラジオに復帰した。2021年のアメリカン・ミュージック・アワードにノミネートされたが、招待されなかったため出席はできなかった。
一方で、騒動直後に『Dangerous: The Double Album』の売上は急増し、7週間にわたりビルボードの首位を維持。デビュー作『If I Know Me』も初めてトップ10入りした。その後も『Dangerous: The Double Album』は記録的なロングヒットとなり、2021年の年間最優秀アルバムに選ばれ、2022年にはビルボード200におけるソロアーティスト作品の最多トップ10滞在記録を更新した。結果的に、彼はカントリー界での人気をさらに強固なものとした。
2022年、ウォーレンの人気はさらに急上昇し、アリーナや野外会場を回った『Dangerous Tour』は全公演ソールドアウトとなった。4月には「Don't Think Jesus」を発表、5月には「You Proof」をリリースし、ビルボードホット100で自身初のトップ5入りを果たした。同年、Lil Durk(リル・ダーク)とのコラボ曲「Broadway Girls」がビルボードホット100でトップ15入りし、ナッシュビルのMLK Freedom Festで共演も果たした。また、カントリー歌手の楽曲提供も行い、12月にはEP『One Thing at a Time (Sampler)』を発表した。
2023年にはスタジアム規模の『One Night at a Time World Tour』を展開し、3月に3枚目のスタジオ・アルバム『One Thing at a Time』をリリース。アルバムはビルボード200で初登場1位となり、12週連続首位を維持し、2023年の年間最も人気のアルバムとなった。4月のオックスフォード公演では直前に声を失い中止を余儀なくされたが、その後も精力的に活動し、リル・ダークの新作収録曲「Stand by Me」に参加。さらに2023年には「Last Night」「One Thing at a Time」「Everything I Love」「Thinkin' Bout Me」「Man Made a Bar」などのシングルを次々と発表した。
2024年1月26日、パナセア・レコードはウォーレンの2015年EP『Stand Alone』の10周年記念デラックス版を発売した。未発表曲8曲を含む内容であったが、ウォーレンは自身のインスタグラムで「自分の意に反して発売された」と声明を出した。これに対抗して、彼は同EP収録曲のアコースティック再録版「Spin You Around (1/24)」をリリースした。
3月3日には「Abbey Road Sessions」で新曲「Lies Lies Lies」を披露。5月10日にはPost Malone(ポスト・マローン)とのコラボ曲「I Had Some Help」を発表し、ビルボードホット100で初登場1位を獲得した。その後、Moneybagg Yo(マネーバッグ・ヨー)のシングル「Whiskey Whiskey」に参加。10月18日には新アルバムからのシングル第2弾「Love Somebody」をリリースし、これもビルボードホット100で初登場1位となった。
同年、ウォーレンはCMAアワードで7部門にノミネートされ、「年間最優秀エンターテイナー賞」を受賞したが欠席しており、俳優Jeff Bridges(ジェフ・ブリッジス)が代理で受け取った。11月15日にはBrooks & Dunn(ブルックス&ダン)の「Neon Moon」の新バージョンに参加。12月31日にはサプライズで新曲「Smile」をリリースした。
2025年1月24日、4枚目のスタジオ・アルバム『I'm the Problem』を発表し、同名ツアーも同時に告知した。タイトル曲は1月31日に先行リリースされ、アルバムは5月16日発売、全37曲が収録されると明かされた。3月にはプロモーションシングル「Just in Case」と「I'm a Little Crazy」を発表し、29日には『サタデー・ナイト・ライブ』に出演してこれらを披露した。4月にはポスト・マローンとのコラボ曲「I Ain’t Comin’ Back」をリリース。さらにアルバム収録曲「What I Want」がTate McRae(テイト・マクレー)とのデュエットであることが判明し、エリック・チャーチ、Hardy(ハーディ)、Ernest(アーネスト)らの参加も公表された。5月9日には息子インディゴをテーマにした「Superman」を発売。
5月16日に『I'm the Problem』が正式リリースされ、同時に「What I Want」もシングルカットされた。アルバムは発売初週49.3万ユニット(純売上13.3万枚)を記録し、全米ビルボード200で1位デビュー。ウォレンにとって3作連続の全米1位であり、カントリーアーティストとして最多デビュー記録を更新した。5月31日付のビルボードホット100では、計37曲同時ランクイン(アルバム収録36曲+ポスト・マローンとの「I Had Some Help」)を達成。そのうち29曲が初登場で、キャリア通算チャートインは105曲となり、カントリー歌手として初めて100曲突破を果たした。また、同週には史上初めてカントリーアーティストがトップ10に6曲同時ランクインを達成した。1位「What I Want」、2位「Just in Case」、3位「I'm the Problem」、7位「I Got Better」、8位「Superman」、10位「Love Somebody」であった。