『Emotions(エモーションズ)』はマライア・キャリーの2枚目のスタジオ・アルバム。1991年9月17日にコロムビア・レコードからリリースされた。このアルバムは、1990年のデビュー・アルバム『Mariah Carey』のフォーミュラとは異なり、キャリー自身がプロデュースとレコーディングにおいて、よりクリエイティブな権限を与えた作品となっている。さらに、『Emotions』には、1950年代、60年代、70年代のバラード調の要素に加え、様々なジャンルからの影響が見られる。このアルバムでは、前作から引き継いだウォルター・アファナシエフをはじめ、様々なプロデューサーやライターと共演。キャリーはC+Cミュージック・ファクトリーのロバート・クリヴィレスとデヴィッド・コール、そしてキャロル・キングと共にアルバムの楽曲を作曲・プロデュースし、キャロル・キングとは1曲共作している。
OVERVIEW
『Emotions』は発売当時、音楽評論家の間で賛否両論を巻き起こした。アルバムのプロダクションとキャリーのボーカルを称賛する声がある一方で、歌詞の巧みさを標準的だとする声や、ホイッスル音域の使い過ぎを批判する声もあった。現在では肯定的な評価を受けており、現代音楽評論家の中にはキャリーの最高傑作の一つに挙げる者もいる。商業的には、このアルバムはまずまずの成功を収め、全米チャートのトップを飾ることはできなかった。アメリカではビルボード200で初登場4位に終わり、11週間チャート1位を維持したキャリーのデビュー・アルバムの成功を受けて、多くの批評家を驚かせた。その他の地域では、オーストラリア、カナダ、イギリスを含む8カ国でトップ10入りを果たした。マライア・キャリーのアルバムには遠く及ばなかったものの、『Emotions』は最終的に全米レコード協会(RIAA)から4×プラチナ認定を受け、全米で400万枚を出荷、推定売上枚数は359万5,000枚となった。このアルバムは特に日本で成功を収め、100万枚以上を出荷し、全世界で800万枚以上を売り上げた。アルバムのプロモーションとして3枚のシングルがリリースされた。アルバムのリードシングルであるタイトル曲は、ビルボードホット100でキャリーにとって5枚目のチャートトップとなり、最初の5枚のシングルがチャートのトップにランクインした史上唯一のアーティストとなった。さらに、カナダではキャリーにとって3枚目のチャートトップとなり、ギリシャとニュージーランドではトップ10入りを果たした。「Can't Let Go」は、アルバム『Emotions』からの2枚目のシングルとして1991年10月23日にリリースされた。コロムビアがアルバムの売上を伸ばすためにこのシングルを店頭から撤去したため、「Can't Let Go」はアメリカでは6枚目のチャートトップにはならず、最高2位にとどまった。ヨーロッパおよび世界全体での成功は非常に限定的で、トップ20入りしたのはカナダとイギリスのみだった。同様に、「Make It Happen」はアメリカで最高5位を記録したが、国際的なチャートでは比較的低調だったため、コロムビアはアルバムのプロモーションを中止した。
TRACKLIST
1. Emotions
2. And You Don't Remember
3. Can't Let Go
4. Make It Happen
5. If It's Over
6. You're So Cold
7. So Blessed
8. To Be Around You
9. Till the End of Time
10. The Wind









