フューチャー

Future(フューチャー)のプロフィール、歌詞一覧、アルバム・シングルを網羅したディスコグラフィーをご紹介。最新の洋楽はここからチェック。

プロフィール

Future
Image: Instagram (@sebastiennagy)
  • BORN
    ジョージア州アトランタ
  • SNS
  • BIRTHDAY
    1983/11/20 (41歳)

  • OCCUPATION
    ラッパー、シンガーソングライター、レコードプロデューサー

Future(フューチャー)は、ジョージア州アトランタ出身のラッパー、シンガーソングライター、レコードプロデューサー。本名はNayvadius DeMun Wilburn(ネイヴァディウス・デマン・ウィルバーン)。出生時はNayvadius DeMun Cash(ネイヴァディウス・デマン・キャッシュ)だったが、2022年に法的に改名している。

ヒップホップやトラップミュージックにおけるオートチューンメロディーの導入の先駆者として広く知られており、同世代で最も影響力のあるラッパーの一人として広く認められている。

生い立ち

ジョージア州アトランタに生まれ、ディケーターにあるコロンビア・ハイ・スクールに通った。16歳のときに強盗に遭い手を撃たれる事件を経験。これが人生の転機になったと本人は語っている。アトランタの音楽プロデューサーであり、ヒップホップに多大な影響を与えた人物であるRico Wade(リコ・ウェイド)はいとこにあたり、のちのフューチャーにも多大な影響を与える。

初期のキャリア

高校卒業前後、当時「Meathead」という名前で活動していたが、リコ・ウェイドの紹介でジョージア州を拠点とするヒップホップ・コレクティブ、Dungeon Family(ダンジョン・ファミリー)の一員として始めた。リコ・ウェイドはプロダクション・チームOrganized Noize(オーガナイズド・ノイズ)のメンバーであり、アトランタ郊外イーストポイントの「Dungeon」スタジオを運営していた人物である。フューチャーは同コレクティブ内の小グループ「Da Connect」で活動し、メンバーのG-Rockから「The Future」というあだ名を授けられた。

このグループは2003年に『Rico Wade Presents: Da Connect』というアルバムを制作したが、商業リリースはされなかった。フューチャーはこの作品の中で「Belly of da Beast」というソロ曲を担当し、これが彼の初の録音作品とされている。当時はオートチューンを使わず、よりストレートなラップスタイルで活動していた。

また、ダンジョン・ファミリー関連のミュージック・ビデオに多数出演し、2004年にはLudacris(リュダクリス)の楽曲「Blueberry Yum Yum」で初めてソングライターとしてクレジットされた。リコ・ウェイドは彼に作詞力を磨くよう助言し、音楽活動を通してストリートから離れるきっかけを与えたとされる。フューチャーはリコ・ウェイドを「自分のサウンドの生みの親」として尊敬している。

その後、アトランタのラッパーRocko(ロッコ)に見出され、彼のレーベルA1レコーディングスに所属してソロ活動を開始。2010年から2011年初頭にかけて『1000』『Dirty Sprite』『True Story』などのミックステープを次々に発表し、「Tony Montana」などの曲で注目を集めた。とくに、アトランタの有名クラブ「Magic City」でDJ Esco(DJエスコ)が彼の楽曲を流したことがきっかけで、地域的な人気を獲得した。2011年4月にはラッパーYCの楽曲「Racks」に参加し、これがビルボードホット100で42位を記録。初のヒット曲となった。同年7月にはGucci Mane(グッチ・メイン)と共作したミックステープ『Free Bricks』をリリースしている。

デビュー後のキャリア

2011年9月、メジャーレーベルのエピック・レコードと契約を結んだ。これはミックステープ『Streetz Calling』のリリース直前のことである。同作はXXL誌から「野心的で未来的なトラックが並ぶ」と評価され、Pitchforkは「ラップと歌唱の境界を曖昧にし、Auto-Tuneを駆使した新しいスタイルを確立した」と評した。

その後、フューチャーは「『Streetz Calling』が最後のミックステープになる」とMTVで語っていたが、2012年1月に『Astronaut Status』を発表。同年、The FADER誌の表紙を飾り、XXLの「Freshmen Class」にも選出されるなど注目を集めた。

2012年4月17日にはデビューアルバム『Pluto』をリリース。収録曲には過去の人気曲「Tony Montana」「Magic」などのリマスター版が含まれ、T.I.が客演。とくに「Magic」はフューチャーにとって初めてビルボードホット100入りしたシングルとなり、最高69位を記録した。続くシングル「Turn On the Lights」は全米50位にランクインし、RIAAプラチナ認定を受けた。アルバムにはSnoop Dogg(スヌープ・ドッグ)、R. Kelly(R.ケリー)、Trae tha Truth(トレ・ザ・トゥルース)らも参加している。同年10月にはPusha T(プシャ・T)のシングル「Pain」のフックを担当した。

2012年11月、デビュー作のリパッケージ版『Pluto 3D』をリリース。新曲とリミックスを加えた内容で、「Same Damn Time (Remix)」にはDiddy(ショーン・コムズ)とリュダクリスが参加。また、Rihanna(リアーナ)のアルバム『Unapologetic』収録の「Loveeeeeee Song」では共作・共演を果たした。

2013年1月には、自身のレーベルFreebandzの所属アーティストを集めたミックステープ『F.B.G.: The Movie』を発表し、25万ダウンロードを記録してプラチナ認定を獲得した。同年、セカンドアルバムの制作を開始。当初は『Future Hendrix』と題していたが、後に『Honest』へ改題された。Kanye West(カニエ・ウェスト)、Drake(ドレイク)、André 3000(アンドレ3000)、Ciara(シアラ)など豪華アーティストが参加。リードシングル「Karate Chop」はプロデューサーのMetro Boomin(メトロ・ブーミン)が手がけ、後にLil Wayne(リル・ウェイン)を迎えたリミックスも登場した。アルバムからは「Honest」、Pharrell Williams(ファレル・ウィリアムス)、プシャ・Tと共演した「Move That Dope」、カニエ・ウェストを迎えた「I Won」などのシングルがヒットし、ビルボード200で2位を記録した。

同時期にはゲスト参加も多数行い、リル・ウェインの「Love Me」で自身初の全米トップ10入りを果たし、後にRIAAダイヤモンド認定を獲得。ほかにもロッコの「U.O.E.N.O.」やDJ Khaled(DJキャレド)の「Hold You Down」などで存在感を示した。

2015年7月16日に3作目のアルバム『DS2』をリリースした。同年9月20日には、ドレイクとのコラボ・ミックステープ『What a Time to Be Alive』を発表。この作品は、ビルボード200、R&Bチャート、ホット・ラップ・ソングスのすべてで1位を獲得し、Jay-Z(ジェイ・Z)以来11年ぶりに1年で2枚の全米1位アルバムを達成したラッパーとなった。アメリカでの売上は33万枚を超えている。

2016年1月にはミックステープ『Purple Reign』をリリース。メトロ・ブーミンとDJエスコがエグゼクティブ・プロデューサーを務め、Southside(サウスサイド)やZaytoven(ゼイトーヴェン)らも制作に参加した。続いて同年2月5日、DJキャレドのBeats 1番組『We The Best』で、4作目のスタジオ・アルバム『EVOL』を公開。これにより、フューチャーは2010年の『Glee』サウンドトラック以来、最も短期間で3枚のアルバムをビルボード200の首位に送り込んだアーティストとなった。

2018年1月11日、フューチャーはKendrick Lamar(ケンドリック・ラマー)、James Blake(ジェイムス・ブレイク)、Jay Rock(ジェイ・ロック)と共に、マーベル映画『Black Panther』およびジェイ・ロックのアルバム『Redemption』に収録された楽曲「King's Dead」に参加した。この曲は第61回グラミー賞で最優秀ラップ・パフォーマンス賞と最優秀ラップ・ソング賞にノミネートされ、フューチャーにとって初のグラミーノミネートとなった。その後、彼は映画『スーパーフライ』のサウンドトラックを監修し、同作は2018年6月に公開された。

同年10月19日には、Juice WRLD(ジュース・ワールド)とのコラボ・ミックステープ『Wrld On Drugs』をリリース。ビルボード200では2位で初登場し、98,000ユニットを記録した。これはフューチャーにとって10作目の全米トップ10入りとなった。

2019年1月18日には、7枚目のスタジオ・アルバム『Future Hndrxx Presents: The Wizrd』をリリース。本作はApple Musicで公開された同名ドキュメンタリーとともにプロモーションが行われ、20曲入りの大作として発表された。批評家からは概ね好評を得て、ビルボード200で初登場1位を獲得。125,000ユニットを売り上げ、フューチャーにとって通算6作目の全米1位アルバムとなった。アルバム収録曲の複数がビルボードホット100にランクインし、彼は同チャート史上10番目に多くエントリーしたアーティストとなった。同年2月の第61回グラミー賞で「King's Dead」で自身初のグラミー賞(最優秀ラップ・パフォーマンス賞)を受賞した。さらに6月7日にはEP『Save Me』を発表。批評家の評価は賛否両論だったが、ビルボード200で5位を記録した。

2020年1月10日、ドレイクを迎えたしたシングル「Life Is Good」をリリース。この曲はビルボードホット100で最高2位を記録し、アルバム中で最も成功した楽曲となった。その後、2月にはDaBaby(ダベイビー)とLil Baby(リル・ベイビー)を加えたリミックス版も発表した。5月にはドレイクのミックステープ『Dark Lane Demo Tapes』に「Desires」と「D4L」で客演し、いずれもビルボードホット100のトップ30入りを果たした。また、同年4月には「Tycoon」を発表し、ビルボードホット100で76位に初登場した。

その後、当初『Life Is Good』とされていた8作目のアルバムを『High Off Life』に改題し、2020年5月15日にリリース。このアルバムはビルボード200で初登場1位を獲得し、7作連続で全米1位を達成。初週15万3,000ユニットを売り上げ、2015年の『DS2』以来最大のセールスを記録した。アルバムからはYoungBoy Never Broke Again(ヤングボーイ・ネヴァー・ブローク・アゲイン)を迎えた「Trillionaire」もシングルとしてリリースされた。

さらに同年7月、Instagramの投稿をすべて削除し、Hype Williams(ハイプ・ウィリアムス)監督による映像ティーザーを公開。11月13日にLil Uzi Vert(リル・ウージー・ヴァート)とのコラボレーション・アルバム『Pluto x Baby Pluto』をリリースした。アルバムはビルボード200で2位を記録した。

2020年は客演活動も盛んで、2 Chainz(2チェインズ)、Jhené Aiko(ジェネイ・アイコ)、Swae Lee(スウェイ・リー)らとのコラボ楽曲を多数発表し、ヒットチャートでも存在感を示した。2021年3月にはMoneybagg Yo(マネーバッグ・ヨー)の「Hard for the Next」、5月にはHotboiiの「Nobody Special」、9月にはGunna(ガンナ)の「Too Easy」に参加。さらに12月にはRvssianとリル・ベイビーとの「M&M」をリリースした。同年、ビルボードホット100で通算125曲のチャートインを達成し、史上最多記録を更新。さらに、Young Thug(ヤング・サグ)と共に参加したドレイクのシングル「Way 2 Sexy」で自身初のビルボードホット100首位を獲得した。

2022年2月11日、約1年ぶりとなるソロシングル「Worst Day」をリリースした。この曲は後に9作目のスタジオ・アルバムのデラックス版にも収録された。4月20日には、雑誌『GQ』により「ベスト・ラッパー・アライヴ(生きる最高のラッパー)」と称された。続く4月22日には、サウスサイド、トラヴィス・スコットと共にコラボシングル「Hold That Heat」を発表した。4月29日、9枚目のスタジオ・アルバム『I Never Liked You』をリリース。アルバムはビルボード200で初登場1位を獲得し、22万2,000ユニットを売り上げる商業的成功を収めた。これにより通算8作目の全米1位アルバムを獲得し、自己最大の初週売上を記録した。

本作からはドレイクとTems(テムズ)が参加した「Wait for U」ビルボードホット100で1位を獲得。ほかにも「Puffin On Zootiez」(4位)、「712PM」(8位)、「I'm Dat Nigga」(10位)などが同時にトップ10入りした。アルバム収録の全16曲がビルボードホット100に初登場し、さらに他の楽曲も含めて同週に18曲がチャートインするという記録を達成した。また、「Wait for U」はフューチャーにとって2曲目でありリード曲では初の全米1位となった。さらに、カニエ・ウェストをフィーチャーした「Keep It Burnin」もシングルとしてリリースされた。

2024年3月22日には、メトロ・ブーミンとのコラボレーション・アルバム『We Don't Trust You』をリリース。ケンドリック・ラマーを迎えた「Like That」はビルボードホット100で初登場1位を獲得し、フューチャーにとっては3枚目のナンバーワンシングルとなり、メトロ・ブーミンにとってはクレジットされたアーティストとして初のナンバーワンシングルとなった。アルバムは第67回グラミー賞では最優秀ラップ・アルバム賞にノミネートされ、「Like That」は最優秀ラップ・パフォーマンス賞と最優秀ラップ楽曲賞のカテゴリーにノミネートされた。

アルバムリリースから3週間後の4月12日には続編『We Still Don't Trust You』も発表した。同年9月2日には、17作目のミックステープ『Mixtape Pluto』のリリースを予告した。