リアーナ

Rihanna(リアーナ)のプロフィール、歌詞一覧、アルバム・シングルを網羅したディスコグラフィーをご紹介。最新の洋楽はここからチェック。

プロフィール

Rihanna
Image: Instagram (@rihannaofficiall)
  • BORN
    バルバドス、セント・マイケル教区
  • SNS
  • BIRTHDAY
    1988/2/20 (37歳)

  • OCCUPATION
    シンガーソングライター、モデル、実業家、女優

Rihanna(リアーナ)は、バルバドス出身のシンガーソングライター、モデル、実業家、女優。本名はRobyn Rihanna Fenty(ロビン・リアーナ・フェンティ)。

音楽とファッションの両面で影響力を持ち、推定2億5,000万枚以上のレコード売上を誇る、史上最も売れている音楽アーティストの1人。

生い立ち

母のMonica(モニカは)ガイアナ系アフリカ人の会計士で、父のRonald Fenty(ロナルド・フェンティ)はアフリカ系・アイルランド系・イギリス系・スコットランド系の血を引くバルバドス人である。弟2人と異母兄弟3人がいる。彼女はバルバドスの首都 ブリッジタウンの3LDKの住宅で育ち、父の洋服売りを手伝うなど庶民的な環境で過ごした。しかし、父親のアルコール依存と薬物使用によって家庭は不安定で、両親の関係にも深い亀裂が生まれていた。幼少期には父親が母親に暴力をふるう場面も目撃しており、その経験が人格形成に影響を与えたと本人も語っている。

子ども時代、強い頭痛に悩まされ、脳腫瘍の疑いで検査を受けたこともあった。だが、14歳のときに両親が離婚したことで体調は改善していった。彼女はチャールズ・F・ブルーム記念小学校とコンバーミア・スクールに通い、成績も良く、落ち着いた生徒だったという。音楽、ダンス、詩に関心を持ち、レゲエやR&Bを聴いて育った。

11歳でバルバドスの少年団「Cadet Corps」に入り、のちに歌手となるShontelle(ションテル)が教官を務めていた。高校を卒業する予定だったが、16歳で中退し、本格的に音楽の道に進む決意をした。

初期のキャリア

2003年、リアーナはバルバドスの同級生2人と音楽トリオを結成した。グループ名もオリジナル曲もなかったが、アメリカのプロデューサーEvan Rogers(エヴァン・ロジャース)のオーディションを受け、彼は「リアーナが部屋に入った瞬間、他の2人が存在しないように感じた」と語るほど強い印象を受けた。その後、リアーナと母親だけを招いて再面談し、米国コネチカット州に招待してデモ制作を行うことになった。デモには「Pon de Replay」と「The Last Time」が含まれていた。2005年、彼女はロジャースとCarl Sturken(カール・スターケン)が設立したシンジケーテッド・リズム・プロダクションズと契約し、初の所属アーティストとなった。

デモは当時デフ・ジャム・レコーディングスの社長兼CEOだったJay-Z(ジェイ・Z)のもとに届いた。最初、ジェイ・Zは「Pon de Replay」は新人には大きすぎる曲だと感じたが、2005年初頭にニューヨークでオーディションを行い、リアーナはWhitney Houston(ホイットニー・ヒューストン)の「For the Love of You」と自身のデモ曲を披露。ジェイ・Zはその才能に確信を持ち、音楽重役L.A. Reid(L.A.リード)は「彼女をこのビルから出すな」と伝えたという。その日のうちに6枚契約が成立し、リアーナは16歳でバルバドスから渡米し、家庭教師のもとで高校課程を修了した。

契約後、ジェイ・Z率いるデフ・ジャムのチームが約3カ月でデビュー・アルバムを完成させた。主要プロデューサーはロジャースとスターケンで、リードシングル「Pon de Replay」は2005年5月にリリース。全米・全英チャートで2位を記録し、世界的ヒットとなった。デビュー・アルバム『Music of the Sun』は同年8月29日に発売され、米ビルボード200で初登場10位、初週売上は約6.9万枚。セカンドシングル「If It's Lovin' That You Want」は米国で36位に到達した。2006年には映画『チアーズ3』に本人役でカメオ出演し、俳優デビューも果たした。

デビュー後のキャリア

リアーナは同年9月から2作目の制作を始め、2006年4月25日に『A Girl Like Me』をリリース。ポップとレゲエを融合した本作はビルボード200で5位を記録し、初週で11.5万枚を売り上げた。100万枚を超えるセールスを達成し、RIAAダブル・プラチナ認定を受けた。代表曲には「SOS」「Unfaithful」「We Ride」「Break It Off」があり、とくに「SOS」はビルボードホット100で自身初の1位を獲得。「Unfaithful」も世界的なヒットとなった。2006年には『Music of the Sun』と『A Girl Like Me』を引っ提げた初のヘッドライナー・ツアー『Rihanna: Live in Concert Tour』を開催した。

2007年初頭、リアーナは3作目となるスタジオ・アルバムの制作を開始した。これまでの“隣のお嬢さん”のようなイメージを脱却し、より成熟し反逆的なスタイルを目指した彼女は、Ne-Yo(ニーヨ)、Timbaland(ティンバランド)、Justin Timberlake(ジャスティン・ティンバーレイク)、Tricky Stewart(トリッキー・スチュワート)らと制作を行った。完成したアルバム『Good Girl Gone Bad』は2007年5月31日に発売され、批評家から高い評価を受けた。これまでのカリブ色の強い作風から、ダンスポップ主体の現代的な方向性に大きく舵を切った作品であり、彼女のキャリアの転機とされる。ビルボード200では初登場2位、初週売上は16万2,000枚だった。

ジェイ・Zを迎えたリードシングル「Umbrella」は大ヒットし、全英シングルチャートで10週連続1位、ビルボードホット100で7週連続1位を記録。続く「Shut Up and Drive」「Hate That I Love You」もヒットし、4枚目のシングル「Don't Stop the Music」はビルボードホット100で3位となった。アルバムの成功を受け、2007年9月から世界5大陸で80公演におよぶ『Good Girl Gone Bad Tour』を開催。2008年のグラミー賞では複数部門にノミネートされ、「Umbrella」で最優秀ラップ・ソング/ボーカル・コラボレーション賞を受賞した。5枚目のシングル「Rehab」も全米・全英でトップ20入りを果たした。2023年時点で『Good Girl Gone Bad』は全世界で900万枚以上を売り上げ、リアーナのキャリア最大のセールスを記録するアルバムとなっている。

同年6月、再発盤『Good Girl Gone Bad: Reloaded』が発売され、初週6万3,000枚を売り上げ、オリジナル盤もチャートを再浮上させた。追加収録された4曲のうち「Disturbia」と「Take a Bow」はビルボードホット100で1位を獲得。さらにライブDVD『Good Girl Gone Bad Live』もリリースされた。プライベートではChris Brown(クリス・ブラウン)との交際を公表し、T.I.の「Live Your Life」に参加し、再びビルボードホット100のトップに立った。

2009年2月8日、リアーナは第51回グラミー賞での出演を予定していたが、当時交際していたクリス・ブラウンから暴行を受けたことで急遽キャンセルとなった。クリス・ブラウンはその後出頭し、脅迫と暴行の容疑で起訴された。この事件はTMZがリアーナの顔に傷跡がある警察写真を掲載したことで世界的な注目を集めた。彼女は6月にロサンゼルスの予備審理で証言するよう召喚され、この出来事は彼女の音楽活動にも大きな影響を与えた。

事件をきっかけに、リアーナは4枚目のアルバム『Rated R』の制作を開始。2009年11月20日にリリースされた同作は、初期のポップな作風から一転し、ダークで内省的なロック要素を含んだサウンドとなった。ビルボード200では初登場4位、初週売上は18万1,000枚。シングル「Rude Boy」が全米1位を6週記録し、「Russian Roulette」「Hard」もトップ10入りした。これに伴い2010年から2011年にかけて『Last Girl on Earth Tour』を実施した。

2009年にはDrake(ドレイク)と断続的な交際関係にあり、2010年6月にはEminem(エミネム)のシングル「Love the Way You Lie」に参加。この楽曲はビルボードホット100で7週連続1位、全英2位となり、イギリスでは年間売上1位の楽曲となった。同年10月、リアーナはロック・ネイションに移籍し、音楽活動を刷新。11月には5作目のアルバム『Loud』を発表し、アップテンポでダンスポップ路線に回帰した。初週売上は20万7,000枚で全米3位を記録した。

『Loud』からは「Only Girl (In the World)」、ドレイクを迎えた「What's My Name?」、Britney Spears(ブリトニー・スピアーズ)が参加した「S&M」のリミックスの3曲がビルボードホット100で1位を獲得。これにより、リアーナは史上最年少かつ最速でビルボードホット100の首位曲を10曲獲得したソロアーティストとなった。2011年の第53回グラミー賞では「Only Girl (In the World)」が最優秀ダンス・レコーディング賞を受賞した。

さらに同年には「Man Down」「California King Bed」「Cheers (Drink to That)」もシングルカットされ、ツアー『Loud Tour』も開催。ロンドンのO2アリーナでは女性アーティストとして史上最多の10公演ソールドアウトを記録し、総興行収入は9,000万ドルに達した。また、2011年にはKanye West(カニエ・ウェスト)の「All of the Lights」、Nicki Minaj(ニッキー・ミナージュ)の「Fly」、David Guetta(デヴィッド・ゲッタ)の「Who's That Chick?」にも参加し、多方面で活躍した。

2011年、セクシャルなテーマをより大胆に探求することを目指し、6作目となるアルバム『Talk That Talk』を制作した。11月18日にリリースされた同作は、ダンス寄りのポップとR&Bを融合した内容で、ビルボード200で初登場3位、全英アルバムチャートでは初登場1位を記録。リードシングル「We Found Love」は世界的な大ヒットとなり、ビルボードホット100で通算10週1位を獲得。これは彼女のキャリアで最も長く1位を記録した曲であり、2011年の最長1位曲にもなった。アルバムからは他に「You da One」「Talk That Talk」「Where Have You Been」がシングルとしてリリースされ、「Where Have You Been」は全米5位を記録した。

2012年初頭にはColdplay(コールドプレイ)の「Princess of China」やドレイクの「Take Care」にゲスト参加。同年のグラミー賞では「All of the Lights」が最優秀ラップ・ソング/ボーカル・コラボレーション賞を受賞し、英ブリット・アワードでも2年連続で最優秀インターナショナル女性ソロアーティストを受賞した。一方で、同年3月には元交際相手クリス・ブラウンとリミックスで共演し、世間の批判を浴びた。9月、「We Found Love」のミュージック・ビデオがMTVビデオ・ミュージック・アワードで年間最優秀ビデオ賞を受賞し、彼女はこの賞を2度受賞した初の女性アーティストとなった。翌年のグラミー賞では同ミュージック・ビデオが最優秀短編ミュージック・ビデオ賞を獲得した。

同年11月19日、7作目のアルバム『Unapologetic』をリリース。EDMやヒップホップ要素を取り入れたサウンドで、ビルボード200で初登場1位を獲得し、彼女にとって初の全米首位アルバムとなった。リードシングル「Diamonds」は全米1位、2ndシングル「Stay」も全米3位を記録。アルバムのプロモーションの一環として、彼女は『777 Tour』を敢行し、7日間で7カ国・7公演を行った。その様子はドキュメンタリーとしてフォックス放送で放送され、DVDも発売された。2013年1月にはクリス・ブラウンとの関係を一時的に再開するが、4カ月後に破局した。

また、2012年には映画『バトルシップ』で本格的な映画デビューを果たし、海軍兵士のコーラ・レイクス役を演じた。作品の評価は賛否あったが、演技は一定の評価を受けた。同年、英国での年間セールスでトップとなり、2013年ブリット・アワードの有力候補にも名を連ねた。2013年3月からは『Diamonds World Tour』を開始し、世界的ツアーを展開。映画『ディス・イズ・ジ・エンド 俺たちハリウッドスターの最凶最期の日』にもカメオ出演した。同年12月にはエミネムの「The Monster」で全米・全英ともに1位を獲得し、その人気を不動のものとした。

2014年、リアーナはShakira(シャキーラ)のシングル「Can't Remember to Forget You」に参加した。前作『Unapologetic』とそのツアーの成功を受けて、「1年間、自分の好きなことを自由に創作したい」と語り、活動のペースを落とす意向を示した。同年5月、デフ・ジャム・レコーディングスとの契約を終了し、すでにマネジメントを担っていたロック・ネイションに完全移籍した。

8作目のアルバム制作期間中、彼女はカニエ・ウェスト、Paul McCartney(ポール・マッカートニー)との共作によるコラボ曲「FourFiveSeconds」、「Bitch Better Have My Money」、「American Oxygen」をリリースしたが、いずれも最終的なアルバム収録曲には含まれなかった。2015年には『ホーム 宇宙人ブーヴのゆかいな大冒険』で声優として主演を務め、サウンドトラックの企画・監修も行った。

同年末、Samsungと2,500万ドルの大型契約を結び、Galaxy製品ラインのプロモーションと8作目のアルバム『Anti』のローンチを連動させた。アルバムは2016年1月28日にTidal限定で配信開始。ポップ、ダンスホール、サイケデリック・ソウルを融合した作品で、ビルボード200で1位を記録し、全米2作目の首位アルバムとなった。リードシングル「Work」は全米1位、3rdシングル「Needed Me」と4thシングル「Love on the Brain」もトップ10入りを果たした。ツアー『Anti World Tour』は2016年3月に開始された。

2016年には数多くのアーティストとコラボレーションし、Calvin Harris(カルヴィン・ハリス)の「This Is What You Came For」(全米3位・全英2位)、ドレイクの「Too Good」、Mike Will Made It(マイク・ウィル・メイド・イット)の「Nothing Is Promised」などを発表。映画『スター・トレック BEYOND』の主題歌「Sledgehammer」もリリースした。さらに、同年のMTVビデオ・ミュージック・アワードではマイケル・ジャクソン・ビデオ・ヴァンガード賞を受賞し、代表曲をメドレーで披露した。

2017年にはDJ Khaled(DJキャレド)の「Wild Thoughts」、Kendrick Lamar(ケンドリック・ラマー)の「Loyalty」に参加。前者は全米2位を記録し、後者はグラミー賞最優秀ラップ・ソング/ボーカル・パフォーマンス賞を受賞した。同年、ドラマ『ベイツ・モーテル』の最終シーズンでMarion Crane(マリオン・クレイン)役を演じ、批評家から高い評価を受けた。また、映画『ヴァレリアン 千の惑星の救世主』ではシェイプシフターのパフォーマー役で出演した。プライベートでは、サウジアラビアの実業家ハッサン・ジャミールとの交際が報じられ、2020年に破局した。

2018年、オール女性キャストで話題となった映画『オーシャンズ8』に出演。世界興行収入3億ドルを超える大ヒットとなった。翌年、Donald Glover(ドナルド・クローヴァー)と共演した映画『Guava Island』でも主要キャストとして出演。同年9月にはソニー・ミュージックパブリッシングと契約を結んだ。2020年にはPARTYNEXTDOOR(パーティネクストドア)の楽曲「Believe It」に参加し、久々に音楽シーンに登場した。

2021年5月、アメリカのラッパーA$AP Rocky(エイサップ・ロッキー)がリアーナとの交際を公に認め、翌年に第1子を出産。2022年には映画『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』の主題歌「Lift Me Up」をリリース。これは『Anti』以来となるソロ作品で、ゴールデングローブ賞とアカデミー賞の最優秀オリジナル歌曲賞にノミネートされた。

2023年2月12日、第57回スーパーボウル・ハーフタイム・ショーでヘッドライナーを務め、5年以上ぶりのライヴ・パフォーマンスを披露。かつてColin Kaepernick(コリン・キャパニック)への連帯を理由にボイコットしていた同イベントへの復帰となった。視聴者数は1億2,101万7,000人を記録し、過去最高を更新。5部門でプライムタイム・エミー賞にノミネートされた。このパフォーマンス中、彼女は第2子の妊娠を発表し、同年後半に出産した。

2025年には、アニメ映画『劇場版スマーフ/おどるキノコ村の時空大冒険』でスマーフェットの声を担当。しかし作品は批評的には不評だった。同年、エイサップ・ロッキーとの間に第3子となる娘を出産している。