Panic! at the Disco(パニック!アット・ザ・ディスコ)のプロフィール
Panic! at the Disco(パニック!アット・ザ・ディスコ)は、ネバダ州ラスベガスのロック・バンド。現在のメンバーはBrendon Urie(ブレンドン・ユーリー)のみ。
バンドは2004年にラスベガスのサマーリンの郊外で、ビショップ・ゴーマン高校に通っていたドラマーのSpencer Smith(スペンサー・スミス)と、幼なじみでギターの弾けるRyan Ross(ライアン・ロス)によって結成されました。
2人は近くにあるパロ・ベルデ高校に通う友人Brent Wilson(ブレント・ウィルソン)を誘い、ベーシストとして参加。ブレント・ウィルソンは同級生のギタリストとしてブレンドン・ユーリーを誘い4人体制で活動を始めます。
当初バンドはライアン・ロスがボーカルを担当していましたが、リハーサル中にコーラスを歌ったブレンドン・ユーリーの声を聴いて、バンドは彼をボーカルにします。当時はBlink-182のカバーバンドとして活動していました。
初期のデモ音源はその時ラスベガスで演奏していた多くのデスメタルグループとは異なるサウンドを作り出し、ライブを行わずにレコーディング契約を結びます。4人は音楽に集中するために学校を中退。ブレンドン・ユーリーは新しい練習スペースのための家賃を払うためにサマーリンのトロピカルスムージーカフェで働き始めます。
バンドは3つのデモ音源を制作し、Webサイト「PureVolume」に投稿。そして思いつきでブログホスティングサービス「LiveJournal」を用いてFall Out Boy(フォール・アウト・ボーイ)のベーシストPete Wentz(ピート・ウェンツ)へ送信。ラスベガスへ向かいバンドの練習の合間に送った音源「2 to 3」の曲を聞くとすぐに感銘を受け、ピート・ウェンツの新しいレーベルDecaydance Recordsへのサイン入りを望み、同年契約に至ります。
その後メリーランド州カレッジパークに移り、2005年6月から9月にかけてデビューアルバムをレコーディングし、夏には地元のラスベガスの音楽会場、ウェストチャールストンのThe Alleyで最初のライブを開催。その後全国ツアーを行い、9月にデビュー・スタジオ・アルバム「A Fever You Can't Sweat Out(邦題:フィーバーは止まらない)」をリリースしました。
アルバムは最初の1週間で10,000枚近く売り上げ、ビルボード200(アルバムチャート)では初登場112位とスロースタートとなりましたが、2006年にシングルリリースされた「I Write Sins Not Tragedies(アイ・ライト・シンズ・ノット・トラジェディーズ)」がビルボードホット100で7位を記録すると、アルバムも急上昇し13位まで上り詰め、最終的には全米だけで300万枚を売り上げる大ヒットを記録します。ミュージック・ビデオはMTV Video Music AwardsでVideo of the Yearを受賞。同年ブレント・ウィルソンが脱退し、新たにベーシストとしてJon Walker(ジョン・ウォーカー)が加入します。
2007年、バンドはネバダ州マウントチャールストンの田舎の山の小屋に到着し、新しいアルバムの制作を始めます。夏の間はツアーに回り、ラスベガスのネイティブリハーサルスタジオに戻って再び制作。しかし今まで書いてきた曲に納得がいかず、実に4分の3を廃棄。新たに制作し直し、翌2008年に2ndアルバム「Pretty. Odd.(プリティ。オッド。)」をリリース。明らかにビートルズの影響を受けているサウンドでBillboard 200では2位を獲得し100万枚以上を売り上げます。
2009年には再びアルバムの制作に取り掛かりますが、ブレンドン・ユーリーとライアン・ロスの音楽的な方向性の違いからジョン・ウォーカーと共に脱退を発表。ライアン・ロスはよりレトロなサウンドを追求していましたが、ブレンドン・ユーリーはバンドがもっと洗練されたポップサウンドを探求したいと考えていたようです。
同年、バンドは2人体制のまま映画「ジェニファーズ・ボディ」の挿入曲に抜擢されシングル「New Perspective(ニュー・パースペックティヴ)」をリリース。2010年にはツアーのサポートメンバーだったベーシストDallon Weekes(ダロン・ウィークス)がオフィシャルラインナップに加わり、翌2011年3rdアルバム「Vices & Virtues(邦題:悪徳と美徳)」をリリース。再びツアーを開催。2012年にダロン・ウィークスは正式なメンバーとなり3人体制となります。
2015年にはアルコール・薬物依存症を抱えており、克服するべく投薬による治療を続けていたものの、それが長引いたためとしてスペンサー・スミスが脱退。同年ダロン・ウィークスもツアーメンバーへと戻り、バンドはブレンドン・ユーリーのみとなります。
翌2016年にリリースされた5thアルバム「Death of a Bachelor(邦題:ある独身男の死)」ではビルボード200で初の1位を獲得し、8年ぶりに100万枚を売り上げる大ヒットとなります。また映画「スーサイド・スクワッド」のサウンドトラック・アルバムに参加しQueen(クイーン)の「Bohemian Rhapsody(ボヘミアン・ラプソディ)」をカバー。ビルボードのRock Songs Chartでトップ10入りを果たしています。
2018年には6thアルバム「Pray for the Wicked(プレイ・フォー・ザ・ウィキッド)」をリリースしビルボード200で再び1位を記録。さらにアルバムからの2枚目のシングル「High Hopes(ハイ・ホープス)」がビルボードホット100で4位を記録しバンド史上最大の売り上げとなる大ヒットを記録しました。
ブレンドン・ユーリーは同じ頃よりソロ名義でも楽曲参加を行うようになり、同年Benny Blanco(ベニー・ブランコ)とJuice Wrld(ジュース・ワールド)のシングル「Roses(ローゼス)」に参加。翌2019年にはTaylor Swift(テイラー・スウィフト)のシングル「Me!(ミー!)」にも参加し、ビルボードホット100では自己最高となる2位にランクイン。その年の後半には映画「アナと雪の女王2」のエンドソング「Into the Unknown(イントゥ・ジ・アンノウン)」を歌い、男性がハイトーンで歌唱したことで大きな話題となりました。