Harry Styles(ハリー・スタイルズ)が、5月20日に3枚目となるスタジオ・アルバム『Harry's House(ハリーズ・ハウス)』からのリードシングル「As It Was(アズ・イット・ワズ)」をリリースし、ミュージック・ビデオを公開しました。
Harry Styles - As It Was - YouTube
Tanu Muino(タム・ヌイノ)が監督を務めたミュージック・ビデオはロンドンで撮影されました。
タム・ヌイノはウクライナのビデオディレクターで、プレスリリースによると「ハリー・スタイルズのビデオを監督することは、彼が私のお気に入りのパフォーマーであるため、私にとって夢のバケツリストでした。彼を撮影することは、私の人生で最も幸せな日のひとつだったのでほろ苦いものでしたが、撮影の2日目に、私の国のウクライナが侵略されたので、撮影中に私たちが持っていた非常識な感情を想像することができます。私とウクライナの私のチームは、このビデオにとても愛情を注いで、画面で見ることができます。忘れられないミュージック・ビデオになり、幸せに引退できるようになりました。」とコメントしています。
この事実に補足するように動画の概要欄には「Made with love by a creative team from Ukraine.(ウクライナのクリエイティブチームによる愛情を込めて作られました。)」と書かれています。
建築、製造、美術の交差点に大きな影響を与えた夫婦として知られるチャールズ&レイ・イームズのLACMAに展示されている写真壁画のような描写、ハリー・スタイルズが終始赤を基調とした衣装であることに対し、終始青を基調とした衣装に身を包み出演したダンサーのMathilde Lin(マチルデ・リン)。
振付を担当したYoann Bourgeois(ヨアン・ブルジョワ)は2018年に自身が監督を務めたドキュメンタリー作品『The Great Ghosts』でのシーンを抜粋し、ハリーとマチルデが回転するプラットフォームで踊ります。
楽曲はギター駆動のシンセポップとニューウェーブトラックを軸としたどこか懐かしさを感じる大変エモい曲になっています。冒頭で「Come on, Harry, we wanna say goodnight to you.」と聞こえる声はファンにとっては当たり前にわかる存在でもあるBen Winston(ベン・ウィンストン)の娘、Ruby Winston(ルビー・ウィンストン)だそうです。ベン・ウィンストンはOne Direction(ワン・ダイレクション)時代から面識があり、ウィンストンの屋根裏部屋にハリーが住んでたこともあるほど仲がいいことで知られています。
そして80年代のシンセポップを意識した疾走感。ここ数年でロングヒットを記録している曲の多くは170BPM以上のテンポであるという点にあり、筆者はここにヒットの法則があると見ています。今作は調べる限り174BPM。※誤りがある場合後に訂正します。
実際イギリスのガーディアン誌には今作をThe Weeknd(ザ・ウィークエンド)の「Blinding Lights(ブランディング・ライツ)」と比較している筆者もおり、サウンド面やテンポに流行を見ているようです。
ハリー・スタイルズはプログレッシブポップ、サイケデリックポップ、フォーク、ソウル、ファンク、インディーポップなどを組み込んだ2枚目のスタジオ・アルバム『Fine Line(ファイン・ライン)』をロングヒットさせており、前作と比較すると大胆な改革であると言えますが、一方でハリー・スタイルズがこなせるジャンルの幅を見せつけた新曲だと言えるため、アルバムへの期待値が一層上がる曲だと言えるでしょう。
ハリーは今月いよいよ行われるコーチェラ・フェスティバルのヘッドライナー、6月には「LOVE ON TOUR」ツアーの開催、秋には主演を務めるオリビア・ワイルド監督の次のサイコスリラー映画『ドント・ウォーリー・ダーリン』の公開と多忙を極めている中でリリースされる『Harry's House』の世界観を初だしとなったリードシングル「As It Was」に注目です。
参考情報:Harry Styles Shares Video for New Song “As It Was”: Watch