オーストラリア発のエレクトロニックユニット、PNAU(プナウ)が、ニューアルバム『Hyperbolic』をリリースした。
photo by Cybele Malinowski
2017年発表の『Changa』以来、6年4カ月ぶりとなる新作には、Khalid(カリード)、Troye Sivan(トロイ・シヴァン)、Bebe Rexha(ビービー・レクサ)、Empire Of The Sun(エンパイア・オブ・ザ・サン)をはじめとするビッグスターとのコラボレーションや、最新シングル「Nostalgia」など4曲のニューソングが収録されている。
彼らがプロデュースを手掛けたElton John(エルトン・ジョン)とDua Lipa(デュア・リパ)による「Cold Heart(Pnau Remix)」の世界的ヒットと数々のアワード受賞、数十億回に上るストリーミング記録で、今再び熱い視線が注がれるプナウ。ニューアルバムでは、彼らの原点であるアンダーグラウンドのレイブやクラブサウンドから、ディスコ/ポップ調アンセムに至るまで、正しくプナウらしいフロア向けダンストラックを投下。プナウの3人(ニック・リトルモア、ピーター・メイズ、サム・リトルモア)の作曲&プロデュース能力の幅広さを世界に提示する。
メンバーのニック・リトルモアは、ニューアルバム『Hyperbolic』についてこう語る。
「前作『Changa』で拡張された精神が、今再び新たな支持者を求めて世界へと繰り出します。例えば「Solid Gold 」(feat. Kira Divine & Marques Toliver)という曲は、僕たちがこの旅を始めた時には想像もできなかったような、喜びの世界に誘ってくれるでしょう」
ピーター・メイズが付け加える。
「このアルバムには、かつてなかったほど多くのコラボレーションをフィーチャー。エルトン・ジョン&デュア・リパの“Cold Heart(Pnau Remix)”の成功により新たな扉が開かれ、コラボレーションの機会に恵まれたのは、僕たちにとって大きな変化でした。カリードのようなアーティストとの仕事は、とても刺激的。本当に彼は素晴らしいです」
またニューアルバム『Hyperbolic』には、4曲の新曲も含まれる。初期プナウを彷彿とさせるサウンドの「All The Time」、彼らのインディーズ志向を追求した「Passion Flower」、先住民族の素晴らしいシンガー、Emily Wurramara(エミリー・ウラマラ)をフィーチャーした「So High」、そして最新シングルの「Nostalgia」が並ぶ。
「All The Time」についてニックはこう語る。
「高校時代の友人と一緒に作った曲であり、僕たちにとって特に重要な楽曲です。その彼はさまざまな経験を経てきたけれど、音楽こそが希望であり拠り所でした。そして才能もありました。彼のおかげでこのトラックは完成。ロンドンのジン・ジン、ロサンゼルスのサラ・ハドソン、Jハートなど世界最高の才能を集結して、彼に敬意を表したいと考えました」
ピーターが付け加える。
「世界各地の人々を巻き込んで、凄く楽しかったです。子どもたちの合唱を使った昔ながらのプナウです」
「Passion Flower」には、彼らの2ndアルバム『Again』のヴァイブスが取り入れられている。
「アルバム『Again』制作時の僕たちは、インディーズのグループとしてどうあるべきかを探り、さまざまなスタイルに挑戦していました。そのインディーズ的な感覚を“Passion Flower”には再び取り入れました」とニック。
「インディーズのヴァイブスだけど、凄くメロディアス」とピーター。
「Passion Flower」には、イギリスのソングライターのクレオ・ティゲ(Cleo Tighe)(クリーン・バンディット、ルディメンタル、チャーリーXCX)が共作で参加した。
「曲作りをしていると、一緒に書いた人がとても素晴らしく歌ってくれることがあります。“最高だね。それで行こう”という感じで。このトラックには、クレオのボーカルが使われています」。
ニックは「So High」が「特にスペシャルな曲だ」と力説する。元々はアイルランドのシンガー、ビッグ・ピッグ(Biig Piig)と共作された曲であり、オーストラリア出身のシンガーソングライターのエミリー・ウラマラに歌唱を依頼した。「彼女は作詞にも協力してくれました。本当に上手くまとめてくれたと思います」。
ニューシングル「Nostalgia」には、スウェーデンのシンガーソングライターのKIDDO(チャーリーXCX、ロスト・フリクエンシーズ、ラウド・ラグジュアリー)が共作で参加し、90年代にタイムスリップする。彼らが影響を受けたレイブ時代を伺わせる。
「“Nostalgia”は新しく出来た曲ですが、永遠のニューレイブです。90年代のトランスの夢を僕たちは追い求め、それを取り戻して若返ろうというわけです。当時のダンスフロアの曲をリサーチしていたら、コズミック・ベイビーの“The Space Track”という古いレコードを発見。そのエッセンスを現代的な解釈で捉えたいと考えたんです」とニック。
「僕たちは90年代のウェアハウスレイブの申し子で、“Nostalgia”からも明らかだと思います」とピーターは語る。
photo by Cybele Malinowski
■商品情報
PNAU(プナウ)アルバム
『Hyperbolic』配信中
・配信リンク
■『Hyperbolic』トラックリスト
1. PNAU & Empire Of The Sun - AEIOU
2. PNAU & Khalid - The Hard Way
3. PNAU - Solid Gold feat. Kira Divine, Marques Toliver
4. PNAU - All The Time
5. PNAU, Bebe Rexha, Ozuna - Stars
6. PNAU & Troye Sivan - You Know What I Need
7. PNAU - Nostalgia
8. PNAU - Passion Flower
9. PNAU - River feat. Ladyhawke
10. PNAU - So High feat. Emily Wurramara
■ PNAU(プナウ)とは
ニック・リトルモア(Nick Littlemore)とピーター・メイズ(Peter Mayes)の2人が、シドニーの高校で出会って意気投合、プナウは誕生した。
1999年にリリースされたデビューアルバム『Sambanova』は、オーストラリアのグラミー賞とされるARIA賞を受賞。続いて2003年に2ndアルバム『Again』、2007年に3rdアルバム『Pnau』、2011年に4thアルバム『Soft Universe』をリリース。2012年にはエルトン・ジョンと初コラボレーションを果たし、アルバム『Good Morning To The Night』を発表。全英アルバムチャートで1位を記録した。
2016年にはニックの弟サム・リトルモア(Sam Littlemore)が正式加入し、「Chameleon」、「Go Bang」などが大ヒット。複数のARIA賞を受賞した。2017年にはニューヨークのシンガーソングライター、ダンサー、振付師のキーラ・ディヴァイン(Kira Divine)をボーカルに迎えた5thアルバム『Changa』をリリース。彼女はライブにも参加し、プナウに新たな一面を付け加えた。
2021年には彼らがプロデュースを手掛けたエルトン・ジョン&デュア・リパの「Cold Heart (Pnau Remix)」が世界的に大ヒット。プナウはオーストラリアから輸出された最大級ストリーミング・アーティストとなり、世界中のアーティストからのコラボ依頼が殺到。映画『エルヴィス』のサウンドトラックに提供された「Don’t Fly Away (Pnau Remix)」、ダイアナ・ロスとテーム・インパラの「Turn Up The Sunshine」のリミックス、リゾの「2 Be Loved (Am I Ready)」のリミックス、現在リバイバルヒット中のソフィー・エリス・ベクスターの「Murder On The Dancefloor」のリミックスなどを手掛けている。
また2019年には、彼ら自身のレーベル“Lab78”を設立し、Sumner 、Djanabaなどのアーティストと契約。オーストラリアの新世代アーティストたちの指導やコラボにも尽力している。