プロフィール

Cardi B(カーディ・B)のプロフィール、歌詞一覧、アルバム・シングルを網羅したディスコグラフィーをご紹介。最新の洋楽はここからチェック。
Cardi B(カーディ・B)は、ニューヨーク市ブロンクス区出身のラッパー、ソングライター。本名はBelcalis Marlenis Almánzar(ベルカリス・マルレニス・アルマンザール)。
女性ヒップホップ界で様々な記録を保持しており、米国内では1億を超えるRIAA認定ユニットを販売している。。
ニューヨーク市マンハッタンのワシントン・ハイツで生まれた。父はドミニカ共和国出身、母は混血のトリニダード系で、本人はアフロ・カリビアンとしてのアイデンティティを持つ。サウスブロンクスのハイブリッジ地区で育ち、ワシントン・ハイツの祖母の家で多くの時間を過ごしたことが特徴的なアクセントに影響したと語っている。芸名「Cardi B」はラム酒ブランド「BACARDÍ(バカルディ)」に由来する。妹にHennessy Carolina(ヘネシー・カロライナ)がいる。
16歳のときからブラッズというギャングの一員だったが、ギャング参加を勧めないと明言している。高校はルネサンス・ハイスクール・フォー・ミュージカル・シアター&テクノロジーに通った。ティーン期にはトライベッカの食料品店で働いたが解雇され、向かいのストリップクラブでダンサーになった。カーディ・Bはこの経験が人生を救ったと語り、貧困や家庭内暴力から抜け出す手段であり、教育費を稼ぐ唯一の方法だったと説明している。その後、マンハッタン区立大学の一校に通ったが中退した。母親にはベビーシッターで稼いでいると嘘をついていた。
2015年、VH1のリアリティ番組『Love & Hip Hop: New York』第6シーズンに出演し、ブレイクスターとして注目を集めた。『ニューヨーク・タイムズ』は彼女の「ワンライナーを矢継ぎ早に放つ能力」が人気の要因だと評した。番組では彼女のスターへの道と服役中の婚約者との波乱に満ちた関係が描かれた。2016年12月、2シーズンを経て音楽キャリアに専念するため番組を降板すると発表した。
音楽活動では、2015年11月にShaggy(シャギー)の楽曲「Boom Boom」のリミックスでデビューし、同年12月には「Cheap Ass Weave」でミュージック・ビデオに初出演した。2016年3月には初のミックステープ『Gangsta Bitch Music, Vol.1』をリリースした。同年9月にはKSR Groupのコンピレーション『Underestimated: The Album』に参加し、シングル「What a Girl Likes」で女性を鼓舞する曲を目指したと語った。
メディア出演では2015年12月に『Uncommon Sense with Charlamagne』、2016年4月に『Kocktails with Khloé』に登場し、母親にストリッパーであることを告白したエピソードを語った。さらに2016年11月にはBETのドラマ『Being Mary Jane』に出演することが発表され、派手な性格を持つキャラクター、メルセデスを演じた。また2016年、ニューヨークの大手ランジェリーチェーン「Romantic Depot」と初の広告契約を結び、ラジオやケーブルテレビでキャンペーンが展開された。
2017年1月20日、2枚目のミックステープ『Gangsta Bitch Music, Vol.2』をリリースした。同年2月にはMAC CosmeticsやGypsy Sportとニューヨーク・ファッション・ウィークでコラボイベントを行い、さらに大手レーベルのアトランティック・レコードと契約を結んだ。2月25日にはThe Lox(ザ・ロックス)のツアーでオープニング・アクトを務め、Lil' Kim(リル・キム)やRemy Ma(レミー・マー)と共演した。
6月16日には商業デビューシングル「Bodak Yellow」を配信リリース。この曲は数か月かけてチャートを上昇し、2017年9月にビルボードホット100で1位を獲得した。女性ラッパーがソロ曲で1位を獲得したのはLauryn Hill(ローリン・ヒル)以来19年ぶりであり、ドミニカ系アーティストとしても史上初の快挙であった。この曲は3週連続で1位を維持し、「2017年の夏のラップ・アンセム」と評された。最終的にRIAAによりダイヤモンド認定を受け、グラミー賞でも最優秀ラップ・パフォーマンス賞と最優秀ラップ・ソング賞にノミネートされた。
同年、BETヒップホップアワードで年間最優秀シングルを受賞し、「No Limit」「MotorSport」などのコラボ曲と合わせて、女性ラッパーとして初めてビルボードホット100でデビューから3曲連続トップ10入りを果たした。さらにOzuna(オズナ)とのコラボ曲「La Modelo」や「Bartier Cardi」をリリースし、急速に人気を拡大した。
2017年初め、ラッパーのOffset(オフセット)と交際を始め、同年10月27日に婚約した。しかし実際には、その1か月前の2017年9月に極秘結婚していたことが2018年6月に明らかとなり、本人も後に認めている。2018年7月10日には長女Kulture Kiari Cephus(カルチャー・キアリ・セファス)を出産した。同年12月に別居を発表したが、その後復縁。2019年2月のグラミー賞では、オフセットが授賞式でカーディ・Bに同行した。
2018年1月3日、Bruno Mars(ブルーノ・マーズ)の「Finesse」リミックスに参加し、90年代風のミュージック・ビデオにも登場した。この曲はビルボードホット100でトップ3入りし、彼女は同年1月に女性ラッパーとして初めてビルボードのホットR&B/ヒップホップ・ソングス・チャートで5曲同時トップ10入りを果たした。3月30日にはシングル「Be Careful」を発表。
4月6日にデビュー・アルバム『Invasion of Privacy』をリリースすると、批評家から絶賛され全米1位を獲得。Apple Musicでは女性アーティストとして史上最大のストリーミング数を記録し、ビルボードホット100では13曲同時チャートインを達成した。アルバムからBad Bunny(バッド・バニー)、J Balvin(Jバルヴィン)とのシングル「I Like It」は全米1位を獲得し、女性ラッパーとして初めて複数回の1位を達成。また、Maroon 5(マルーン5)との「Girls Like You」も1位を獲得し、YouTube再生数30億回超えの世界的ヒットとなった。
『Invasion of Privacy』は2018年10月にRIAAから2×プラチナ認定を受け、翌年にはトリプルプラチナに更新された。アルバム収録全13曲がゴールド以上を記録した初の女性アーティストとなった。同年のMTVビデオ・ミュージック・アワードでは最多の12部門にノミネートされ3冠を獲得、AMAでも3冠を果たした。さらに「Money」やDJ Snake(DJスネイク)との「Taki Taki」などもヒットし、国際的な存在感を強めた。一方で2018年9月、ニューヨーク・ファッション・ウィークのアフターパーティーでNicki Minaj(ニッキー・ミナージュ)に靴を投げつける騒動を起こしたことでも話題になった。
その年、Apple Musicで年間最もストリーミングされた女性アーティストに選ばれ、『Invasion of Privacy』は各誌で年間ベストアルバムに選出。Time誌の「世界で最も影響力のある100人」にも選ばれ、ラップ界の新女王としての地位を確立した。
2019年、第61回グラミー賞で5部門にノミネートされ、女性ラッパーとして初めてソロで最優秀ラップ・アルバム賞を受賞した。さらに同年のBillboard Music Awardsでは21部門にノミネートされ、女性アーティストとして史上最多となり、6冠を獲得した。ブルーノ・マーズとの「Please Me」は全米3位を記録し、彼女はライブ動員やエアプレイでも記録を樹立した。
同年5月にはシングル「Press」をリリースし、自身初のミュージック・ビデオ共同監督を務めた。BET Awardsで最多7部門にノミネートされ、最優秀アルバム賞を受賞。夏にはアリーナ・ツアーを実施し、BET Hip Hop Awardsでも10部門にノミネートされた。また映画『Hustlers』で女優デビューを果たし、Netflixのヒップホップ・オーディション番組『Rhythm + Flow』の審査員兼製作総指揮を務めた。12月にはアフリカ初ツアーを行い、ナイジェリアとガーナで公演した。2019年はSpotifyで米国最多ストリーミングを記録した女性ラッパーとなった。
2020年8月にはMegan Thee Stallion(ミーガン・ザ・スタリオン)との「WAP」をリリース。ビルボードホット100で初登場1位を獲得し、女性ラッパーとして最多の全米1位記録を更新。2010年代と2020年代の両方で1位を獲得した初の女性ラッパーともなった。YouTubeでは女性コラボとして史上最大の24時間再生数を記録し、Spotifyでも世界チャート1位を複数回達成した。全世界で大ヒットとなり、ビルボードのグローバル200の初代1位に輝いた。「WAP」は批評家からも年間ベストソングに選ばれ、PitchforkやRolling Stoneも1位にランク付けした。Cardi Bは2020年Billboard Women in Musicで女性ラッパーとして初の「ウーマン・オブ・ザ・イヤー」に選出され、American Music Awardsでは「Bodak Yellow」に続き「WAP」でも最優秀ラップ/ヒップホップ・ソング賞を獲得し、同部門で複数回受賞した初のアーティストとなった。
2020年9月には離婚申請が報じられたが、翌月には再び関係を修復。2021年6月には第2子妊娠を発表し、同年9月4日に長男Wave Set Cephus(ウェーヴ・セット・セファス)を出産した。結婚5周年には正式な挙式を計画していると発表したが、2023年12月には自身が「しばらくシングルだった」と明かし、オフセットとの破局を示唆した。2024年3月時点でも音楽制作で協力しており関係は不透明だったが、同年7月に正式に離婚を申請し、翌日に第3子妊娠を発表。同年9月7日に第3子となる次女Blossom(ブロッサム)を出産した。
2021年2月、セカンドアルバムからのシングル「Up」をリリースした。この曲はビルボードホット100で2位に初登場し、その後グラミー賞でのパフォーマンスをきっかけに1位を獲得した。女性ラッパーとして複数のソロ楽曲で全米1位を記録した初の存在となり、5曲の全米1位を持つ記録を更新した。同年には「WAP」のミュージック・ビデオでBET Award最優秀ビデオ賞を受賞し、映画『ワイルド・スピード/ジェットブレイク(F9)』にも出演した。またNormani(ノーマニ)の「Wild Side」やLizzo(リゾ)の「Rumors」などで客演し、AMAでは司会を務めた。
2022年にはKanye West(カニエ・ウェスト)、Lil Durk(リル・ダーク)と共に「Hot Shit」を発表し、Wireless Festivalでヘッドライナーを務めた。同年にはGloRilla(グロリラ)との「Tomorrow 2」が全米9位を記録し、年間ベストコラボレーションにも選ばれた。Rosalía(ロザリア)の「Despechá」リミックスにも参加している。
2023年にはRolling Loud Thailandでヘッドライナーを務め、Latto(ラトー)の「Put It on da Floor Again」やFendiDa Rappa(フェンディダ・ラッパ)の「Point Me 2」リミックスに参加した。さらにオフセットとのコラボ「Jealousy」、ミーガン・ザ・スタリオンとの「Bongos」を発表した。BET Hip Hop Awardsでは最多12部門にノミネートされ、子供向け映画『Baby Shark's Big Movie!』では声優としても出演した。
2024年には「Like What (Freestyle)」「Enough (Miami)」を発表し、後者は全米トップ10入りを果たした。Shakira(シャキーラ)の「Puntería」にも参加し、ラテンチャートで1位を獲得した。ミーガン・ザ・スタリオンのツアーにサプライズ出演し、Peso Pluma(ペソ・プルマ)やRob49とのコラボも続いた。「Enough (Miami)」は第67回グラミー賞の最優秀ラップ・パフォーマンス賞にノミネートされた。
2025年にはPardison Fontaine(パーディソン・フォンテーン)との「Toot It Up」や、DJ Khaled(DJキャレド)らと参加した『スマーフ』サウンドトラック曲「Higher Love」をリリース。6月20日にはセカンドアルバムからの3rdシングル「Outside」をリリースした。1年以上ぶりのソロシングルで、2日前にカンヌで行われたSpotifyイベントで初披露された。同曲はビルボードホット100で10位に初登場し、カーディ・Bにとって13曲目のトップ10入りとなった。また、女性ラッパーとして最も多い3曲のトップ10初登場記録を持つことになった。また2024年10月にNFL選手Stefon Diggs(ステフォン・ディグス)との交際が噂され、2025年6月1日にインスタグラムで交際を公表している。
6月末にはブルックリンで開催された2025年LadyLandフェスティバルでFKA Twigs(FKAツイッグス)と共にヘッドライナーを務め、8月2日・3日にはニュージャージー州メットライフ・スタジアムで開催されるWWEの2025年SummerSlamイベントのホストを務めた。6月30日にはヒッチコック映画『鳥』を思わせるスキットを含むアルバム予告映像をSNSで公開。8月15日にはJay-Z(ジェイ・Z)の1997年曲「Imaginary Players」をサンプリングしたセカンドシングル「Imaginary Playerz」を発表した。同年9月19日、デビュー作『Invasion of Privacy』から7年以上を経て、2枚目のスタジオ・アルバム『Am I the Drama?』をリリースした。本作は完成度へのこだわりや期待へのプレッシャーから度重なる延期を経て、6年間にわたり制作された23曲入りの作品である。またリリース前に行われたインタビューではステフォン・ディグスとの第4子妊娠を認めた。