クリス・ブラウン

Chris Brown(クリス・ブラウン)のプロフィール、歌詞一覧、アルバム・シングルを網羅したディスコグラフィーをご紹介。最新の洋楽はここからチェック。

プロフィール

Chris Brown
Photo PRESS
  • BORN
    ヴァージニア州タッパハノック
  • SNS
  • BIRTHDAY
    1989/5/5 (36歳)

  • OCCUPATION
    シンガー、ソングライター、ラッパー、ダンサー、俳優

Chris Brown(クリス・ブラウン)は、ヴァージニア州タッパハノック出身のシンガー、ソングライター、ラッパー、ダンサー、俳優。本名はChristopher Maurice Brown(クリストファー・モーリス・ブラウン)。

生い立ち

幼少期から音楽に親しんで育った。6歳のとき両親が離婚し、母親の恋人による家庭内暴力に苦しんだ。彼は2017年の自伝映画『Welcome to My Life』で当時を回想し、その男が自ら頭を撃ったものの生き延び、失明してさらに怒りを募らせ、母親への暴力を繰り返したと語っている。幼いブラウンは夜ごとに母が殴られる音を聞き、恐怖で廊下に出ることすらできず失禁してしまうほど追い詰められていた。

また幼い頃から独学で歌とダンスを学び、Michael Jackson(マイケル・ジャクソン)に影響を受け、自ら歌とダンスを学び地元の教会や才能発掘イベントで活躍した。11歳での才能発表会をきっかけに音楽を職業として意識し、16歳で高校を中退して本格的に音楽キャリアを追求することとなった。

初期のキャリア

13歳のとき、父親が働いていたガソリンスタンドで地元の制作チーム「Hitmission Records」に発見された。彼はデモを制作し、デフ・ジャム・レコーディングスの重役Tina Davis(ティナ・デイヴィス)の目に留まったが、契約は成立せず、その後デイヴィスがマネージャーとなりジャイヴ・レコードなど複数のレーベルに売り込まれた。最終的にブラウンは若手アーティストの成功例が多いジャイヴ・レコードと契約し、歌に専念するよう勧められて本格的なキャリアをスタートさせた。

デビュー後のキャリア

2005年2月からデビューアルバムの制作を開始した。約8週間で完成し、14曲中半分を自身で共作した。リードシングル「Run It!」はビルボードホット100で1位を獲得し、その後も「Yo」「Gimme That」「Say Goodbye」がヒット、アルバムは全米で300万枚以上、世界で600万枚を売り上げた。さらに2006年にはDVD『Chris Brown's Journey』を発売し、初の大型ツアー「Up Close and Personal Tour」を開催するなど、本格的にスターへの道を歩み始めた。

2007年にドラマ『The O.C.』へ出演し、映画『Stomp the Yard』で俳優デビューを果たした。同年に2枚目のスタジオ・アルバム『Exclusive』を発表し、「Kiss Kiss」や「With You」が世界的ヒットとなり、アルバムは全米初登場4位・400万枚以上を売り上げた。さらに映画『This Christmas』にも出演しサントラに参加、Jordin Sparks(ジョーディン・スパークス)の「No Air」、自身の「Forever」なども大成功を収め、2008年にはビルボード誌から「年間最優秀アーティスト」に選出された。

2008年から3枚目のスタジオ・アルバム『Graffiti』の制作を始め、Prince(プリンス)やマイケル・ジャクソンに影響を受けた新しい音楽性を目指した。しかし2009年2月に元恋人Rihanna(リアーナ)への暴行事件を起こし、世間やメディアから強い反発を受け、スポンサー契約も失った。『Graffiti』は全曲を自らの意向で制作・作詞し発表したが、商業的にも批評的にも失敗とされ、初週10万枚程度の売上にとどまった。それでもグラミー賞に2部門ノミネートされた。

2010年のBETアワードではマイケル・ジャクソン追悼で「Man in the Mirror」を歌い涙を流し、再評価を得た。同年には映画『Takers』に出演し、さらに3作の無料ミックステープを発表。「Deuces」が全米R&Bチャート1位を獲得し、Drake(ドレイク)、T.I.、Kanye West(カニエ・ウエスト)、Fabolous(ファボラス)、Rick Ross(リック・ロス)、André 3000(アンドレ3000)によるリミックスも話題となり、R&Bとヒップホップを融合させた新しい方向性を確立した。

2010年にアルバム『F.A.M.E.』を発表し、リード曲「Yeah 3x」が世界各国でヒット、続く「Look at Me Now」は全米R&B/ヒップホップ・チャートで8週連続1位を獲得し、2011年を代表するラップ曲となった。アルバムはビルボード200で自身初の全米1位を記録し、グラミー賞では最優秀R&Bアルバム賞を受賞するなど、キャリアの大きな転機となった。

続く2012年リリースの5枚目のスタジオ・アルバム『Fortune』はR&Bにポップやエレクトロ要素を取り入れビルボード200で1位を獲得したが、批評家からは商業主義的だと否定的評価を受けた。それでもグラミー賞で最優秀アーバン・コンテンポラリー・アルバム賞にノミネートされ、世界ツアー『Carpe Diem Tour』でプロモーションを行った。

2013年にアルバム『X』の制作を始め、先行シングル「Fine China」で新たにソウルフルで成熟した方向性を示した。しかし、てんかん発作や更生施設入り、服役などのトラブルにより発売は度々延期された。服役中にシングル「Loyal」が大ヒットし、2014年9月に『X』を発表。批評的にも前作より高評価を受け、全米2位を記録しグラミー賞にもノミネートされた。

2015年にはTyga(タイガ)とのコラボレーション・アルバム『Fan of a Fan: The Album』をリリースし、「Ayo」がヒット。その後、娘に捧げたアルバム『Royalty』を12月に発売し、全米3位・初週18万枚を売り上げた。リリース前には未発表曲34曲を収録した無料ミックステープ『Before the Party』も公開し、多くのゲストを迎えて話題を集めた。『Royalty』では映像作品と連動したストーリー仕立てのMVも制作され、音楽的には型にとらわれない実験性が評価された。

2016年からアルバム『Heartbreak on a Full Moon』の制作を進め、自宅にスタジオを構えながら多数の楽曲を録音した。当初レーベルは難色を示したが、本人の強い意向で40曲入りの大作として完成させ、2017年10月31日にリリースされた。アルバムには「Party」「Privacy」「Pills & Automobiles」「Questions」などのシングルが収録され、批評家からも高評価を得た。

本作は発売3日間の集計でビルボード200にて初登場3位を記録し、1週間で50万ユニット以上を売り上げゴールド認定を獲得。R&B男性アーティストとしてはUsher(アッシャー)の『Confessions』(2004年)以来の快挙となった。のちにダブル・プラチナに認定され、2017年12月には追加12曲を収録したデラックス版も発表。2018年にはH.E.R.や6lackらを帯同し、全米ツアー『Heartbreak on a Full Moon Tour』を開催した。

2018年、Joyner Lucas(ジョイナー・ルーカス)とのコラボ企画を発表したが実現せず、同年3月にLil Dicky(リル・ディッキー)の「Freaky Friday」に参加し世界的ヒットを記録した。その後9枚目のアルバム『Indigo』の制作を開始し、2019年にリリースした。ドレイクを迎えた先行シングル「No Guidance」は全米5位まで上昇し、ソウルトレイン音楽賞3部門を受賞するなど大成功を収めた。

『Indigo』はR&Bを基盤にアフロビーツやダンスホールなども取り入れ、ビルボード200で1位を獲得。デラックス版を含め計42曲を収録する大作となった。全米ツアー『Indigoat Tour』も大盛況で約3,000万ドルを売り上げ、2010年代のビルボードR&B/ヒップホップ・アーティスト・ランキングで3位に選ばれた。

2019年末から10作目のアルバム制作に着手し、2020年5月にYoung Thug(ヤング・サグ)とのコラボミックステープ『Slime & B』を発表。「Go Crazy」が全米3位を記録し、自身初の1年間チャートインを果たした。2022年6月にはアルバム『Breezy』をリリースし、全米4位を記録。拡張版はグラミー賞にノミネートされたが受賞は逃した。

同年、過去曲「Under the Influence」がTikTokでバイラルとなり世界的ヒットを記録、R&B歌手として史上初めてビルボードホット100でトップ40入り50曲を達成した。これを冠したヨーロッパツアーは全公演ソールドアウトとなり、イギリスでの公演も復活した。2023年にはRIAAゴールド認定シングル数でエルヴィス・プレスリーを抜き歴代男性歌手1位となり、ビルボードR&B/ヒップホップ・エアプレイで10曲目の1位を獲得。さらにCiara(シアラ)との共作「How We Roll」やジャマイカ公演など精力的な活動を続けた。

2023年6月にシングル「Summer Too Hot」を発表し、同年11月に11枚目のアルバム『11:11』をリリースした。当初11曲と予告されたが最終的には22曲収録のダブルアルバムとなり、R&B、ポップ、アフロビーツ、ダンスホールを融合した内容となった。ビルボード200で9位に初登場し、彼にとって12作連続のトップ10入りを果たした。2024年4月には『11:11 (Deluxe)』を追加曲入りで発表し、2025年グラミー賞で最優秀R&Bアルバム賞を受賞した。

ツアー活動も精力的で、2023~24年には中東やアフリカ、南米で大規模公演を成功させ、ヨハネスブルグでは2日間で18万人以上を動員、サンパウロでも10万枚を完売させた。さらに2025年にはデビュー20周年を記念したスタジアム・ワールド・ツアー『Breezy Bowl XX』を発表し、キャリアの節目を飾ろうとしている。

ディスコグラフィー

Fan of a Fan: The Album / Chris Brown & Tyga

Fan of a Fan: The Album

Chris Brown & Tyga