エド・シーランが密かにとんでもない記録を更新中!全英チャートでトップ10連続ランクイン記録がついに50週目に到達!

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洋楽コラム

Ed Sheeran(エド・シーラン)は曲を出せばヒットする数少ないアーティストのひとり。特に全英チャートではあらゆる記録を生み出しています。そんなエド・シーランが全英チャートでは貴重な、トップ10連続ランクイン記録を50週に更新しました。最新のチャートでは「2Step」が10位にランクインしています。

Ed Sheeran – 2step (feat. Lil Baby) – YouTube

連続ランクイン記録というのは、昨年7/2~7/8の週で初登場1位にランクインした「Bad Habits」に始まり、本人の曲はもちろん、ゲスト参加の曲も含め10曲がトップ10入りを果たしながらもずっとトップ10にエド・シーランがいる、という状態が続いた結果。

洋楽ランキングと言えば全米ビルボードチャートの印象もありますが、イギリスも音楽市場規模の国別ランキングで常にトップ3入りを果たしている重要な位置にあり、全英チャートも重要指標のひとつです。ただビルボードチャートに比べるとチャート入りを果たす条件が異なるため、ロングヒットしにくい傾向にあります。

例えば近年、ビルボードホット100では30週以上トップ10に滞在するようなロングヒットする曲が多く誕生するようになりました。これはストリーミングによる指標を積極的にチャートに反映させている影響もあります。もちろん全英チャートもストリーミングによる指標も重要視してはいますが、ビルボードに比べるとロングヒットしにくい環境にあるため、20週いけばロングヒットという認識があります。

全英チャートでこれまで最も長くトップ10に滞在した曲は1953年、Frankie Laine(フランキー・レイン)の「I Believe」が35週という記録を保持しています。ただこれは今年、更新されることが予測されています。それは2番目に長い曲が34週でMariah Carey「All I Want for Christmas Is You」、3番目に長い曲が31週でWham!「Last Christmas」と、どちらも毎年のようにトップ10入りを果たしているクリスマスソングだからです。現在までに1曲で30週以上トップ10入りを果たしたのはこれらに加え、同じく31週のLewis Capaldi「Someone You Loved」の4曲。

そんな中でエド・シーランが全英チャートで強いという特徴がここにも出ていて、全英チャートで唯一、20週以上トップ10に滞在した曲を複数持つアーティストでもあります。「Shape of You」、「Bad Habits」、「Peru」が最も長く22週、「Thinking Out Loud」が20週と4曲もあります。これは2曲あるアーティストすらいない状態で、The Beatles(ビートルズ)ですら、1963年に「She Loves You」で21週トップ10入りを果たした記録を持つ唯一の曲です。それほどエド・シーランのイギリスでの人気の高さが証明される結果になっています。

実際過去にもエド・シーランの曲がチャート入りしすぎて全英チャートを発表しているオフィシャル・チャート・カンパニーがルールを改正したほど。ストリーミングによる指標を積極的にチャートに反映させているビルボードでも、一人のアーティストがトップ10に1度の多くの曲をランクインさせることがありますが、これはアルバムリリースの影響によるもので、昨年の9/18付でDrake(ドレイク)がトップ10内に9曲もランクインさせるという快挙を打ち立てましたが、これによるルール改正は行われませんでした。

しかし全英チャートでは2017年、エド・シーランが「÷ Devide(ディバイド)」をリリースした影響でトップ10内に9曲ランクインさせたことをきっかけにルール改正。アルバムリリースによる影響を加味し、同じアーティストがランクインできるのは1度に3曲まで、というルールが追加されました。

エド・シーランは他にも6/9付時点でシングルチャートで1293週ランクインするという快挙を更新中であり、歴代2位の記録を保持しています。この1位はElvis Presley(エルヴィス・プレスリー)で1307週と非常に僅差。つまり近い将来、この記録も1位になることが予想されています。

ここまで見ても全英チャートのルールの厳しさ、エド・シーランの人気の高さがわかるかもしれません。この状況下で50週連続トップ10を果たしたのは必然なのかもしれません。

連続で滞在したという記録を除けば、トータルで286週という記録を保持しており歴代4位。歴代1位は386週でエルヴィス・プレスリー、2位はCliff Richard(クリフ・リチャード)で333週、3位はPaul McCartney(ポール・マッカートニー)で302週といずれも300週を超えています。エド・シーランは頻繁に曲をリリースするタイプではないため、ここまでの記録を打ち出すのはまだ先かもしれませんが、エド・シーランは今後も全英チャートで多くの記録を作っていくことは間違いなさそうです。

■50週連続ランクインまでの記録
1週目 2021/7/2~2021/7/8「Bad Habits」が初登場1位。
9週目 2021/8/27~2021/9/2「Visiting Hours」が初登場5位。
11週目 2021/9/10~2021/9/16「Bad Habits」がここまで11週連続1位。
12週目 2021/9/17~2021/9/23「Shivers」が初登場1位。
15週目 2021/10/8~2021/10/14「Shivers」がここまで4週連続1位。
19週目 2021/11/5~2021/11/11「Overpass Graffiti」が初登場4位。
20週目 2021/11/12~2021/11/18「Bad Habits」がトップ10滞在20週到達。
23週目 2021/12/3~2021/12/9「Bad Habits」、「Shivers」がトップ10圏外に行くも「Overpass Graffiti」は9位に残る
24週目 2021/12/10~2021/12/16「Merry Christmas」が初登場1位。
26週目 2021/12/24~2021/12/30「Sausage Rolls for Everyone」が初登場1位。
28週目 2022/1/7~2022/1/13「Merry Christmas」がトップ10圏外に行くも「Peru」、「Shivers」がトップ10入り。
34週目 2022/2/18~2022/2/24「The Joker and the Queen」が初登場2位。
40週目 2022/4/1~2022/4/7「Bam Bam」がトップ10入り。
47週目 2022/5/20~2022/5/26「Peru」がトップ10滞在20週到達。
49週目 2022/6/3~2022/6/9「2Step」がトップ10入り。
50週目 2022/6/3~2022/6/9「Peru」がトップ10圏外へ。

WRITER

酒井裕紀

洋楽まっぷ管理者。米・英の音楽チャートなどのデータを好み、70年代から最新の洋楽までヒット曲なら幅広い知識を持つ。時代毎の良さがある洋楽の魅力を少しでもわかりやすくご紹介できればと思います。

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