星の数ほどある洋楽アーティストの楽曲の中でも、まだまだ知られていない“エモい曲”というものが多数存在します。
今回紹介するエモい洋楽は南カリフォルニア大学で生まれたトリオ、Moonchild(ムーンチャイルド)の『The List(ザ・リスト)』。
このシリーズでは、そんなエモい洋楽を一曲ずつ紹介していこうと思います。
もし気になる曲やアーティストがいたら、ぜひプレイリストなどの参考にしてみてください。
オシャレ要素の詰め合わせ!ネオソウルの申し子Moonchild『The List(ザ・リスト)』
アンダーソン・パーク、フライング・ロータスやジ・インターネットなど、鬼才揃いのアーティストが集まる街L.A.の音楽シーンの中でネオソウルというジャンルをとりわけ広めていったのが、世界を轟かせているスリーピースバンド、ムーンチャイルドです。
そんな彼らの3rdアルバム『voyager』のリード曲になっているのが、今回紹介する“The List”という曲です。
あのスティービー・ワンダーや、ロバート・グラスパーらも称賛する彼らのジャズ、ソウルなどの融合と非常にオシャレで聴きやすいサウンドが私たちの生活を豊かに彩ってくれます。
『The List(ザ・リスト)』のここがエモい。
Moonchild - "The List" - YouTube
最後にこの曲のエモさをずばり言います。それは、
“洗練されたサウンドバランスと、ホーンアレンジの斬新さ、そこにきちんとマッチする言葉のチョイス”にあると思います。
この曲の歌詞に注目しても、
「I hate you make me nervous」
「I hate feeling so confused, oh」
「Don't wanna feel the way I do」
と超絶オシャレサウンドと裏腹に否定表現が連なっているのですが、これに気づいた時により「エモい。」と思わざるを得ませんでした。曲調自体はマイナーにもメジャーにも捉えられてしまうので、聴く人によっていろいろな楽しみ方ができる曲であると思います。
しかし、アウトロで
「I just wanna be free」
私はただ自由になりたい。
と繰り返すフレーズによって浮遊感を持って曲を締めくくるのがセンスの塊だなと思ってしまいました。
総括として、ロバートグラスパー以降、一度完成して複雑になりきったように思えるネオソウルという文脈を、彼らの絶妙なセンスによる引き算でより引き締めた作品に感じました。そのおかげで音の良さというか本当に聴いていて気持ち良いという一発目の衝撃を強く感じることができているのではないかと思います。