『Run-D.M.C.』はRun-D.M.C.のデビュー・スタジオ・アルバム。1984年3月27日にプロフィール・レコーズからリリースされ、アリスタ・レコードから再発された。アルバムのプロデュースは主にラッセル・シモンズとラリー・スミスが担当した。このアルバムは当時としては画期的な作品とされ、よりタフでハードコアなラップを提示していた。アルバムのまばらなビートと攻撃的なライムは、当時のヒップホップで流行していた軽快でパーティー志向のサウンドとは対照的だった。このアルバムによって、Run-D.M.C.は音楽評論家から1980年代半ばのニュースクールヒップホップの先駆者とみなされるようになった。
OVERVIEW
このアルバムを記念して、「It's Like That」「Hard Times」「Rock Box」「30 Days」「Hollis Crew」の5枚のシングルがリリースされた。アルバムからのファーストシングル「It's Like That」は1983年8月10日にリリースされ、社会的な抗議(失業、インフレ)をテーマとした歌詞で、ラップの歌詞の境界を広げた。「It's Like That」は多くの人から最初のハードコア・ヒップホップ・ソング、そして最初のニュースクール・ヒップホップ・レコーディングと考えられている。「Sucker M.C.'s」は最初のディス・トラックの一つ[5]であり、「Rock Box」はラップ・ロックというジャンルの最初の曲として知られる。『Run-D.M.C.』はビルボード200で最高53位、トップR&B/ヒップホップ・アルバム・チャートで14位を記録した。このアルバムは、アメリカレコード協会(RIAA)からゴールド認定を受けた最初のラップ・アルバムとなった(1984年12月17日)。このアルバムは批評家から絶賛され、ヒップホップ史に残る傑作として今もなお高く評価されている。1989年にはローリングストーン誌の「1980年代のベストアルバム100」で51位にランクインした。[9] 2003年には同誌の「オールタイム・ベストアルバム500」で240位にランクインし、2012年と2020年の更新版ではそれぞれ242位と378位にランクインした。このアルバムは1999年と2003年にアリスタ・レコードから再発された。2005年には未発表曲4曲を収録した拡張リマスター版がリリースされた。
TRACKLIST
1. Hard Times
2. Rock Box
3. Jam-Master Jay
4. Hollis Crew (Krush-Groove 2)
5. Sucker M.C.'s (Krush-Groove 1)
6. It's Like That
7. Wake Up
8. 30 Days
9. Jay's Game