TikTokがユニバーサル ミュージック グループと、新しい多次元ライセンス契約を結んだことを現地時間5月2日に発表した。
発表によるとこの共同契約は、UMGのアーティストとソングライターが創造的かつ商業的な可能性を実現できるよう支援するという共通のコミットメントに基づいて構築された、2つの組織間の戦略的コラボレーションの新時代を象徴するものだとして、TikTokのクラス最高のテクノロジー、マーケティング、プロモーション機能を活用することで、UMGとTikTokは、UMGのソングライターとアーティストへの報酬の向上、彼らのレコーディングと曲の新たなプロモーションとエンゲージメントの機会、そして生成AIに関する業界をリードする保護を提供するとしている。
ユニバーサル ミュージック グループの会長兼CEOであるルシアン・グレンジ氏は、「TikTokとの関係におけるこの新たな章は、音楽の価値、人間の芸術性の優位性、そしてクリエイティブ コミュニティの繁栄に焦点を当てています。TikTokチームと協力して、アーティストやソングライターの利益をさらに高め、ファン・エンゲージメントの革新を推進しながら、ソーシャル・ミュージックの収益化を推進することを楽しみにしています。」と述べている。
TikTokのCEOショウ・チュウ氏は、「音楽はTikTokエコシステムの不可欠な部分であり、ユニバーサル ミュージック グループと共に前進する道を見つけることができて嬉しく思います。私たちはUMGの素晴らしいアーティストやソングライター全員の価値、発見、プロモーションを促進し、彼らがTikTokコミュニティで成長し、つながり、関与する能力を深めるために協力することに尽力しています。」と述べている。
・TikTokによる発表(英文)
・ユニバーサル ミュージック グループによる発表(英文)
TikTokとユニバーサル ミュージック グループを巡っては、1月に契約更新が決裂したことが発表され、同月末に終了。ユニバーサル ミュージック所属アーティストの楽曲が、続々とTikTokで使用不可能になっていた。
しかし先月、ユニバーサル ミュージック所属のTaylor Swift(テイラー・スウィフト)の楽曲がTikTokで復活。ユニバーサル側が折れたのでは?という指摘もあったが、テイラー・スウィフトについては2018年に契約を結ぶ際に作品がどこで公開されるかを自分でコントロールできるようにしていたと海外メディアでは報じられていた。
TikTokは今年3月、米連邦下院がアメリカ国内での利用を禁止できる法案を可決。そして先月23日、米連邦上院でも79対18の賛成多数で可決となり、翌24日、ジョー・バイデン米大統領は中国ByteDanceが傘下のTikTokを1年以内に売却できなかった場合、全米でTikTokを禁止する項目を含む法案に署名している。