2001年、飛行機事故で悲劇の死をとげ伝説となった歌姫 Aaliyah (アリーヤ)。死後20年の節目となる今年、ついに彼女がのこした名曲たちがストリーミング配信されることに!そのウラ側にはいろんなオトナの事情もあったようで‥
ついにあの“Baby Girl”の名曲がよみがえる
8月5日、音楽ストリーミング配信会社「Spotify(スポティファイ)」が「Aaliyah(アリーヤ)」の楽曲をリリースすることを発表しました。
https://twitter.com/Spotify/status/1423331166749401088?s=20
ストリーミング開始は8月20日から。「One in a Million(ワン・イン・ア・ミリオン)」や「Romeo Must Die(ロミオ・マスト・ダイ)」のサウンドトラックなどが1週間ごとに追加されていく予定。
「Baby Girl(アリーヤのニックネーム)がスポティファイにやってくる!」というツイッターの投稿に、あの Cardi B(カーディ・B)をはじめとするアーティストたちも大喜び。死後20年たっても彼女の影響力は健在のようです。
わずか15歳でデビューし、スターダムへの階段を駆けのぼったアリーヤ。2000年には、映画「Romeo Must Die(ロミオ・マスト・ダイ)」で女優として初のヒロイン役をゲットします。主題歌「Try Again(トライ・アゲイン)」は大ヒット。グラミー賞にもノミネートされるという、華々しい活躍をするのです。
ビルボード・ホット100で一位を獲得した「トライ・アゲイン」のPV。
まさに飛ぶ鳥を落とす勢いだった彼女に、突然の悲劇がおこったのは2001年8月のこと。新曲のPV撮影でおとずれたバハマからかえる途中、乗っていたセスナ機が墜落。キャリアの絶頂期だった彼女は、なんと22歳の若さで帰らぬ人となってしまったのです。
「20年の空白」は親戚同士の争いのせい?
その悲劇的な死により、音楽界の伝説となったアリーヤ。なのに、なぜこれまで彼女の曲はストリーミング配信されなかったのでしょうか?そのナゾはどうやらアリーヤの死後、彼女の楽曲に関わっている二つの団体のいさかいが原因のようです。
「ロミオ・マスト・ダイ」で共演したジェット・リーとアリーヤ
一つ目は、アリーヤの公式ツイッターを運営している「エステート(アリーヤの遺産管理団体)」。彼らは今回のストリーミング配信を好ましく思っていないよう‥。
「なんの説明もなく、透明性もないままアリーヤの楽曲を配信するという恥じらずな行為‥」
スポティファイからの発表があった同日に、「エステート」は、ストリーミング配信を強く非難するこんな声明を出しているのです。この批判は、どうやらアリーヤの楽曲の原盤権をもつ音楽レーベル、つまり “二つ目の団体” である「バックグラウンド・レコーズ」に向けられたもののよう。
このレーベルはアリーヤがデビュー時に所属してした会社。彼女がブレイクしたのはこのレーベルのおかげだ、という評価もあります。そして今回のストリーミング配信は、彼らが「エステート」の理解をえないまま、Goサインをだしたものだったのです。
#IStandWithAaliyah pic.twitter.com/Q2zgAvRAgX
— Aaliyah (@aaliyah) August 5, 2021
「エステート」のツイート。これからもアリーヤの伝説を守るために戦いつづける、というメッセージも‥
興味深いのは、「エステート」を運営しているのはアリーヤの母親、かたやこの「バックグラウンズ・レコーズ」の創始者はアリーヤの叔父である、ということ。つまりは彼女の死後20年間、親戚同士がアリーヤの楽曲をめぐって争いつづけてきたということなのです。
身内のケンカのせいで、ながいあいだ日陰の存在だったアリーヤの作品たち。経緯はどうあれ、ついに彼女の曲をストリーミングで気軽に聴けるようになります。ファンにとってはこの上なく嬉しいニュースですね!