Sheryl Crow「Sheryl Crow」1996年の旧作アルバムを振り返りレビュー

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洋楽コラム

1996年にリリースされたSheryl Crow(シェリル・クロウ)の2枚目となるセルフタイトル・アルバム「Sheryl Crow(シェリル・クロウ)」。1993年のレビューアルバム「Tuesday Night Music Club(チューズデイ・ナイト・ミュージック・クラブ)」の世界的成功から3年、満を持してリリースされたアルバムです。

少ない協力者はいるもののほとんどの曲でプロデュースや演奏まで行った今作は正にセルフタイトルに相応しい作品です。

2作目が出来上がるまでに多くのことを経験したシェリル・クロウがアメリカの中絶問題、ホームレス、核戦争などのテーマを盛り込み、結果として大成功を収めました。

デビュー作がブルース、ジャズなどが色濃く出ている作品だっただけにここまでロック、カントリーが強くなる作品となったのは意外なのか必然なのか、それでも今作が好きな方はかなりいらっしゃると思います。

リードシングルとしてリリースされたのが「If It Makes You Happy(イフ・イット・メイクス・ユー・ハッピー)」。

YouTubeSheryl Crow - If It Makes You Happy - YouTube

ダーティなギターのリフが確立された代表曲と言ってもいい完成度が人気となりました。スタジオ・ミュージシャン時代が長かった彼女の表現力が開花しまくっているシングルは当初共同制作者のJeff Trott(ジェフ・トロット)が書いたカントリーソングでした。ここまでロックにシフトさせたのが彼女自身によるもので、グラミー賞では、最優秀女性ロック・ヴォーカル・パフォーマンス賞を受賞しました。

シングルがリリースされたわずか3週間後にアルバムはリリースされます。

1曲目「Maybe Angels(メイビー・エンジェルス)」から斬新なサウンド。まるで不可解な物事から何かを見出そうとするような表現力で一気にアルバムの世界に引き込みます。と思ったら2曲目が一転してポップなサウンドとなる「A Change Would Do You Good(邦題:ア・チェンジ)」。The Staple Singers(ザ・ステイプル・シンガーズ)とMavis Staples(メイヴィス・ステイプルズ)からインスピレーションを得て書かれたそうです。

YouTubeSheryl Crow - A Change Would Do You Good - YouTube

注目すべきはこのミュージック・ビデオ、後に海外ドラマ「24」のクロエ役でブレイクした女優のMary Lynn Rajskub(メアリー・リン・ライスカブ)やHeather Matarazzo(ヘザー・マタラッツォ)、当時ドラマ「エレン」で人気だったEllen DeGeneres(エレン・デジェネレス)らが出演しています。今となってはかなり貴重なビデオです。

3曲目はまた一転してフォークバラード「Home(ホーム)」。失敗した結婚のストレスについて歌われており、この3曲だけでかなり揺さぶられる曲順ですが、これで終わりません。

前作のイメージを少しだけ掘り起こさせてくれるのが7曲目「Hard to Make a Stand(ハード・トゥ・メイク・ア・スタンド)」。アメリカの中絶問題について語られた曲で、アメリカでは当時論争が起きるほど反響があったようです。続く8曲目の「Everyday Is a Winding Road(エヴリデイ・イズ・ア・ワインディング・ロード)」と共にシングル化されました。

YouTubeSheryl Crow - Everyday Is A Winding Road - YouTube

個人的に最もおすすめしたいのは10曲目の「Oh Marie(オー・マリー)」です。痛々しいサウンドもある中で今作が中和してくれます。もちろん単体で聴いても名曲ですが、アルバムを1曲目から順番に聞くことでこの曲の良さが、10曲目に収録されている意味が分かるかと思います。

YouTubeSheryl Crow - Oh Marie - YouTube

好みによっては13曲目「Ordinary Morning(オーディナリー・モーニング)」もかなりハマると思います。この曲をアルバムの一番最後に持ってきたことについて海外メディアはあまり評価はしていないようですが、わからなくもないですね。ただあまりピンと来ていない方もいるかもしれません。日本盤をお持ちの方にとってはこの曲が最後じゃないからです。

YouTubeSheryl Crow - Ordinary Morning - YouTube

言うまでもなく名盤である一方で、どこか未完成的な要素を持つ今作。しかしそれが刺さるんですよね。もしCDをお持ちでしたらまた手に取ってみてはいかがでしょうか。また今作を知らない方も、この機会に是非聴いてみてほしいアルバムです。このシリーズではかつての名作を改めて振り返りレビューしていこうと思っていますのでまたご覧頂けると幸いです。

■「Sheryl Crow」トラックリスト

1. Maybe Angels
2. A Change Would Do You Good
3. Home
4. Sweet Rosalyn
5. If It Makes You Happy
6. Redemption Day
7. Hard to Make a Stand
8. Everyday Is a Winding Road
9. Love Is a Good Thing
10. Oh Marie
11. Superstar
12. The Book
13. Ordinary Morning

WRITER

酒井裕紀

洋楽まっぷ管理者。米・英の音楽チャートなどのデータを好み、70年代から最新の洋楽までヒット曲なら幅広い知識を持つ。時代毎の良さがある洋楽の魅力を少しでもわかりやすくご紹介できればと思います。