【アルバムレビュー】Thundercat『Drunk(ドランク)』

BY

※本ページにはアフィリエイト広告(PR)が含まれます

洋楽コラム

今回のレビューはThundercat(サンダーキャット)による3枚目のアルバム「Drunk(ドランク)」

ジャズベーシストとしての超絶技巧ベースプレイだけでなく、自らがボーカルも担当するという彼のサウンド・プロデュースとソングライティングのセンス、甘いメロディに酔いしれるようなアルバムです。

レコーディングには、ケンドリック・ラマーやウィズ・カリファ、ファレル・ウイリアムス、ケニー・ロギンス、マイケル・マクドナルドなど一流ミュージシャン達がこぞって参加し、2017年2月に名門レーベルBrainfeederからリリースされました。

また、“To pimp a butterfly”で共演したケンドリック・ラマーと共に制作を行うことで、サンダーキャット自身のコンポーザーとしての視野が大きく広がったという作品としても有名です。

彼自身、アニメやファッションなど日本のカルチャーにも傾倒しており今作は、“Tokyo(トーキョー)”という曲があったり、日本のリスナーは特に様々な観点から楽しむことができる作品になっています。

Thundercat – Tokyo – YouTube

プレイヤーとしては、2016年に参加作品「These Walls」がグラミー賞最優秀ラップ/サング・コラボレーション賞に選出されるなど輝かしい経歴を持つ彼ですが、今作によって認知が爆発的に広がり、「FUJI ROCK FESTIVAL」や「SUMMER SONIC」にも出演を果たし、単独での来日ツアーも成功させました。

楽曲に関しては、彼が幼い頃からのファンであるというマイケル・マクドナルドらがフィーチャリングした、“Show You the Way(ショー・ユー・ザ・ウェイ)”がクラブミュージック、ブラックミュージック、AORなどが好きな私にはドストライクでした。

Thundercat – Show You The Way ft. Michael McDonald & Kenny Loggins – YouTube

曲の冒頭では、サンダーキャットのリズミカルなベースラインと、美しいコーラス。中盤ではケニー・ロギンスとマイケル・マクドナルドの太い芯のあるボーカルがキュッと曲を引き締めて、ブルーアイドソウルのゆったりとした優しい雰囲気を感じられます。

曲全体としても、非常に現代的なビートミュージックが根幹にあり、編曲としてのスキルの高さも随所に感じられます。

アルバムを締めくくる“DUI”は、日本の8bitゲームミュージック的シンセとフュージョンの融合を感じ、複雑なコードとともに上昇していくフレーズに心を奪われてしまいました。

Thundercat – DUI – YouTube

翌年には、今作をもじった「Drank」というリミックス盤もリリースされ、ジャケットのコラージュなど様々な点で彼のユニークなセンスが表れています。

■ Drunk トラックリスト

1. Rabbot Ho
2. Captain Stupido
3. Uh Uh
4. Bus in These Streets
5. A Fan’s Mail (Tron Song Suite II)
6. Lava Lamp
7. Jethro
8. Day & Night
9. Show You the Way (ft. Michael McDonald & Kenny Loggins)
10. Walk on By (ft. Kendrick Lamar)
11. Blackkk
12. Tokyo
13. Jameel’s Space Ride
14. Friend Zone
15. Them Changes
16. Where I’m Going
17. Drink Dat (ft. Wiz Khalifa)
18. Inferno
19. I Am Crazy
20. 3AM
21. Drunk
22. The Turn Down (ft. Pharrell)
23. DUI

日本盤ボーナストラック
24. Hi (ft. Mac Miller)

WRITER

TOY吉

洋楽なら幅広く聴きますが特にHIP HOP、R&B、ソウル、ファンクを好みます。

人気記事