若い世代は知らないフィル・コリンズの功績を振り返る、ジェネシスツアーを完走し事実上ラストライブが終了

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洋楽コラム

Phil Collins(フィル・コリンズ)がTony Banks(トニー・バンクス)、Mike Rutherford(マイク・ラザフォード)、そしてフィル・コリンズの息子であるNicolas Collins(ニコラス・コリンズ)とともに行ったGenesis(ジェネシス)「The Last Domino? Tour」がロンドンのO2アリーナでの最後のショーを迎え、事実上ラストライブが終了しました。

13年ぶりの始動となったジェネシスのツアーとして、COVID-19パンデミックのために2回再スケジュールされたツアーは昨年9月から全47公演を行い、健康上の理由から今回が最後になると言われています。これはツアープロモーションでBBCの番組に出演した際に語られたものです。

2008年の引退以降の健康問題

フィル・コリンズは2008年に一度引退を表明し、表舞台から姿を消しました。しかし後に、2007年のジェネシスツアーでドラムを叩いているときにに上首のいくつかの椎骨を脱臼させ、神経損傷を残して手の動きに支障が出ていたことがわかります。2009年に上首の脱臼した椎骨を修復する手術を受けますが、手術後、彼は指の感覚を失い、ドラムスティックを手にテープで留めた場合にのみ握ることができるという状態に。

これらのことから精神的にも追い込まれていたようでアルコール依存症の問題も抱えてたと後に自伝で述べており、健康上の問題が複雑化していきます。

その後引退撤回を表明するも、2011年にまた引退。ただこのときはただ休業していただけだったのが引退とメディアが報じてしまい、最終的には家族との時間に焦点を当てたいと引退を明言しています。

その後もドラムを演奏できるまでの回復に至らず、2015年、脊椎手術を受けます。

2017年にはホテルの部屋で転んだ影響や、糖尿病による健康上の問題もあり杖を用いて車いす生活となってしまっていた中、今回のツアーに参加していました。

若い世代は知らないフィル・コリンズの功績

若い世代の方はフィル・コリンズをそもそも知らないかもしれません。

Netflixドラマ『エミリー、パリへ行く』の主演を務めている女優のリリー・コリンズの父親だと言ったら驚く人もいるんですよね。

彼女がツアーに行った様子は自身のインスタグラムにも投稿しています。

簡単ではありますがフィル・コリンズの功績を振り返っていきたいと思います。

ドラマーとして世界2位の成功者

フィル・コリンズは商業的な成功によってRingo Starr(リンゴ・スター)に次ぐ裕福なドラマーとして知られています。

バンド時代の実績、ソロでの成功などもあり、2018年には英国の音楽業界で最も裕福な25人の1人になりました。

バンド・ソロの両方での成功した数少ないアーティスト

フィル・コリンズはイギリス出身のソロアーティストの中で1980年代、アメリカのビルボードチャートでは最も多くトップ40入りを果たしたアーティストとしても知られています。

ビルボードホット100での1位獲得数は7曲。

アルバムも含めソロでの作品は世界中で推定1億5,000万枚を売り上げており、間違いなく成功したアーティストのひとりです。

そしてバンド時代、Genesis(ジェネシス)というバンドは2010年にロックの殿堂入りもしており、作品は世界中で推定1億5,000万枚を売り上げています。

バンド又はグループ、そしてソロでも1億枚以上を売り上げた実績を持つアーティストは他にPaul McCartney(ポール・マッカートニー)、Michael Jackson(マイケル・ジャクソン)だけと言われています。※諸説あります。

若い世代でも知ってるかもしれないフィル・コリンズの名曲4選

Against All Odds (Take A Look At Me Now)(見つめて欲しい)

YouTubePhil Collins - Against All Odds (Take A Look At Me Now) - YouTube

フィル・コリンズ最大のヒット曲。ストリーミングサービスなどで80年代プレイリスト何かを見つけた時に聴いたことがあるかもしれません。

You Can't Hurry Love(恋はあせらず)

YouTubePhil Collins - You Can't Hurry Love - YouTube

フィル・コリンズの名曲というよりスプリームスの名曲なんですが、今作は1966年にスプリームスが発表したソウル・ミュージックのカバー。

ここで取り上げたのはフィル・コリンズが初めてビルボードホット100でトップ10入りを果たした曲なんで、ある意味フィル・コリンズにとっても重要な曲なんですよね。

Another Day In Paradise(アナザー・デイ・イン・パラダイス)

YouTubePhil Collins - Another Day In Paradise - YouTube

シンプルなのに淡々とリピートされるこのイントロ、曲を知らなくてもどこかで耳にした事があるかもしれません。

You'll Be In My Heart(ユール・ビー・イン・マイ・ハート)

YouTubePhil Collins - You'll Be In My Heart - YouTube

1999年の映画『ターザン』の主題歌。この曲だけはディズニーが好きな方なら世代関係なく聴いたことがあるかもしれません。

個人的にはかなり好きな曲です。

今後は

フィル・コリンズは引退について何度も考えを変えましたが、彼の最近の別れのメッセージは、彼が以前のように再び演奏するためにステージに戻ることはもうないことを示唆しているようです。

つまりは今回のツアーが事実上最後と言えるかもしれません。

現在71歳のフィル・コリンズは今後また引退を撤回し新たな楽曲制作を行うかどうかにも注目です。

今回はツアー終了に伴う簡単なご紹介となりましたが、今後フィル・コリンズについて、ジェネシスについてのおすすめ記事などもまとめていけたらと思います。

WRITER

酒井裕紀

洋楽まっぷ管理者。米・英の音楽チャートなどのデータを好み、70年代から最新の洋楽までヒット曲なら幅広い知識を持つ。時代毎の良さがある洋楽の魅力を少しでもわかりやすくご紹介できればと思います。