毎年12月に「ロックの殿堂」入りとなるアーティストが発表されています。
「ロックの殿堂」は、ロック・ミュージックに貢献したアーティストが毎年選出され殿堂入りしており、ニュースでも大きく報じられるため「ロックの殿堂入り」という言葉を耳した事があるかもしれません。
そもそも「ロックの殿堂」って何?と思われる方もいるかもしれません。
そこで今回は「ロックの殿堂」についての歴史からどういったアーティストが受賞しているのか、過去の受賞者などを振り返りながらまとめていこうと思います。
ロックの殿堂とは?
「ロックの殿堂」って著名なミュージシャンなどに与えられる賞のひとつとお考えの方もいるでしょう。
しかし厳密には、アメリカ合衆国オハイオ州クリーブランド市にある博物館の名称「ロックの殿堂(The Rock and Roll Hall of Fame and Museum)」なんです。
受賞するとロック(ロックンロール)に大きな影響や功績を残したミュージシャンやプロデューサーなどの記録が展示、保存されます。この博物館に展示、保存される事を「ロックの殿堂入り」と言うんですね。
ロックの殿堂入りを果たすために必要な条件は、今までの功績、ロックに影響を与えたアーティストであること前提に、デビューしてから25年以上のミュージシャンであること。
この条件に満たされればロックミュージシャンではなくとも受賞される場合もあります。
1986年の創設以来、歌手と演奏者に贈られる「Performers(パフォーマー部門)」、演奏者以外に贈られる「Non-performers(ノン・パフォーマー部門)」、「Early influences(アーリー・インフルエンス部門)」、「Lifetime achievement(ライフタイム・アチーヴメント部門)」の4部門がありましたが、2000年に「Sideman(サイドマン部門)」が追加され、現在は全5部門があります。
「Performers(パフォーマー部門)」では毎年候補となるアーティストを選出し、候補者を評価し、誰が就任すべきかを投票する600名のファン投票を行います。
投票数が最も多く、投票の50%を超えるミュージシャンが受賞していましたが、近年ではファン投票の結果上位5組が、審査員による選考時に1票が加算され決定しています。
その他の部門は特別委員会によって選出されます。
たくさんのミュージシャンの中から選出され、ロックの殿堂入りを果たすと、ニューヨークとクリーブランドの名誉殿堂で交互に開催される年次式で表彰されます。
ロックの殿堂の歴史
創業者はアトランティック・レコードの創設者で知られるAhmet Ertegun(アーメット・アーティガン)。1983年4月20日に設立されました。
その後Ahmet Ertegun(アーメット・アーティガン)は、弁護士のSuzan Evans(スーザン・エバンス)、同じくAllen Grubman弁護士の(アレン・グラブマン)、Rolling Stone誌の編集者Jann S. Wenner(ジャン・ウェナー)、起業家のSeymour Stein(シーモア・ステイン)、音楽プロデューサーのBob Krasnow(ボブ・クラス)らと、Noreen Woodsの各幹部を含むチームを編成し、1986年より開始されました。
第1回授賞式は、1986年1月23日にニューヨークのウォルドルフにあるアストリア・ホテルで行われています。
開始当初は名声のみで建設物はなく、フィラデルフィア(ビル・ヘイリーとアメリカン・バンドスタンドの家)、メンフィス(サンスタジオとスタックス・レコードの家)、デトロイト(モータータウン・レコードの本拠地)、シンシナティ(キング・レコードの本拠地)、ニューヨーク市、 とクリーブランドなどが建設地候補として挙げられていました。
その中でアメリカ合衆国オハイオ州にあるクリーブランド市は、WJW局のDJとして知られるAlan Freed(アラン・フリード)が「ロックンロール」という言葉を世に広め、新しいジャンルを大いに宣伝したこと、そしてAlan Freed(アラン・フリード)を中心に主催し、1952年3月21日にクリーブランド・アリーナで行われたライブ「Moondog Coronation Ball」が、初めてのロックンロールコンサートとして認知されている事などから、クリーブランド市で建設される事となります。
多くの賛同を得られた一方でElvis Presley(エルビス・プレスリー)の著書で有名な音楽評論家のPeter Guralnick(ピーター・グラルニック)は自身の著書で「テネシー州にあるメンフィスにするべき」などと書いています。
これはElvis Presley(エルビス・プレスリー)がレコーディングしたスタジオがテネシー州にあるメンフィスにあり、「ロックンロールが誕生した場所」と言われているためです。
建設には多くの時間がかかりましたが、博物館は1995年9月1日に献呈されます。
献呈時は1万人以上の人々が集まる前に、オノヨーコとLittle Richard(リトル・リチャード)などのアンサンブルでリボンがカットが行われ、翌日にはスタジアムでオールスターコンサートが開催されました。
ロックの殿堂図書館&史料館
Rock & Roll Hall of Fame - Library & Archivesと呼ばれるロックの殿堂図書館&史料館は、ロックンロールの歴史に関連する世界で最も包括的な資料の保管庫です。図書館とアーカイブスは、クリーブランドのキャンパス地区にあるCuyahoga Community Collegeのメトロキャンパスの新しい建物にあります。
図書館&史料館は、これらの資料を収集し、保存し、アクセスを提供することに特化した建物です。ここに来て本や雑誌を読んだり、音楽やその他の録音を聞いたり、ビデオや映画を見ることができます。より深刻な学者、歴史家、ジャーナリストなども多く訪れています。
図書館は本、学術論文、その他の参考文献で構成されています。また、人気のある雑誌、学術誌、貿易出版物も含まれています。商業オーディオおよびビデオ録音、およびリサーチデータベース。 アーカイバルコレクションには、レコード幹部、アーティストマネージャ、レーベル、歴史的会場、レコーディングスタジオ、ステージデザインと照明の専門家、長期にわたるコンサートツアーなどの音楽ビジネスレコードが含まれます。
コレクションの中には、Aretha Franklin(アレサ・フランクリン)とMadonna(マドンナ)の個人的な手紙、Jimi Hendrix(ジミ・ヘンドリックス)とLL Cool Jの手書き歌詞、Sue Cassidy Clarkなどの音楽ジャーナリストの論文、1970年代のCBGBの珍しいコンサート録音など、重要な個別項目も含まれています。
ロックの殿堂図書館&史料館は、ロックの殿堂博物館とは少し離れた場所にありますので、日本から旅行などで行く場合は注意が必要ですね。
ロックの殿堂入り受賞者の一覧
ロックの殿堂誕生から受賞してきたミュージシャンをご紹介します。
Performers(パフォーマー部門)
Performers(パフォーマー部門)は、ロックンロールの発展と永続化に影響を及ぼし、重要な役割を果たすと判断されたアーティスト及びバンドに授与される賞。
1986 | Chuck Berry(チャック・ベリー) James Brown(ジェームス・ブラウン) Ray Charles(レイ・チャールズ) Sam Cooke(サム・クック) Fats Domino(ファッツ・ドミノ) The Everly Brothers(エヴァリー・ブラザース) Buddy Holly(バディ・ホリー) Jerry Lee Lewis(ジェリー・リー・ルイス) Little Richard(リトル・リチャード) Elvis Presley(エルヴィス・プレスリー) |
1987 | The Coasters(ザ・コースターズ) Eddie Cochran(エディ・コクラン) Bo Diddley(ボ・ディドリー) Aretha Franklin(アレサ・フランクリン) Marvin Gaye(マーヴィン・ゲイ) Bill Haley(ビル・ヘイリー) B.B. King(B.B.キング) Clyde McPhatter(クライド・マクファター) Ricky Nelson(リッキー・ネルソン) Roy Orbison(ロイ・オービソン) Carl Perkins(カール・パーキンス) Smokey Robinson(スモーキー・ロビンソン) Big Joe Turner(ビッグ・ジョー・ターナー) Muddy Waters(マディ・ウォーターズ) Jackie Wilson(ジャッキー・ウィルソン) |
1988 | The Beach Boys(ザ・ビーチ・ボーイズ) The Beatles(ビートルズ) The Drifters(ザ・ドリフターズ) Bob Dylan(ボブ・ディラン) The Supremes(スプリームス) |
1989 | Dion(ディオン) Otis Redding(オーティス・レディング) The Rolling Stones(ローリング・ストーンズ) The Temptations(テンプテーションズ) Stevie Wonder(スティーヴィー・ワンダー) |
1990 | Hank Ballard(ハンク・バラード) Bobby Darin(ボビー・ダーリン) The Four Seasons(フォー・シーズンズ) Four Tops(フォー・トップス) The Kinks(キンクス) The Platters(プラターズ) Simon & Garfunkel(サイモン&ガーファンクル) The Who(ザ・フー) |
1991 | LaVern Baker(ラヴァーン・ベイカー) The Byrds(ザ・バーズ) John Lee Hooker(ジョン・リー・フッカー) The Impressions(インプレッションズ) Wilson Pickett(ウィルソン・ピケット) Jimmy Reed(ジミー・リード) Ike & Tina Turner(アイク&ティナ・ターナー) |
1992 | Bobby "Blue" Bland(ボビー・ブランド) Booker T. & the M.G.'s(ブッカー・T&ザ・MG's) Johnny Cash(ジョニー・キャッシュ) The Isley Brothers(アイズレー・ブラザーズ) The Jimi Hendrix Experience(ジミ・ヘンドリックス・エクスペリエンス) Sam & Dave(サム&デイヴ) The Yardbirds(ヤードバーズ) |
1993 | Ruth Brown(ルース・ブラウン) Cream(クリーム) Creedence Clearwater Revival(クリーデンス・クリアウォーター・リバイバル) The Doors(ドアーズ) Frankie Lymon & The Teenagers(フランキー・ライモン&ザ・ティーンエイジャーズ) Etta James(エタ・ジェイムズ) Van Morrison(ヴァン・モリソン) Sly and the Family Stone(スライ&ザ・ファミリー・ストーン) |
1994 | The Animals(アニマルズ) The Band(ザ・バンド) Duane Eddy(デュアン・エディ) Grateful Dead(グレイトフル・デッド) Elton John(エルトン・ジョン) John Lennon(ジョン・レノン) Bob Marley(ボブ・マーリー) Rod Stewart(ロッド・スチュワート) |
1995 | The Allman Brothers Band(オールマン・ブラザーズ・バンド) Al Green(アル・グリーン) Janis Joplin(ジャニス・ジョプリン) Led Zeppelin(レッド・ツェッペリン) Martha and the Vandellas(マーサ&ザ・ヴァンデラス) Neil Young(ニール・ヤング) Frank Zappa(フランク・ザッパ) |
1996 | David Bowie(デヴィッド・ボウイ) Gladys Knight & the Pips(グラディス・ナイト&ザ・ピップス) Jefferson Airplane(ジェファーソン・エアプレイン) Little Willie John(リトル・ウィリー・ジョン) Pink Floyd(ピンク・フロイド) The Shirelles(シレルス) The Velvet Underground(ヴェルヴェット・アンダーグラウンド) |
1997 | Bee Gees(ビージーズ) Buffalo Springfield(バッファロー・スプリングフィールド) Crosby, Stills & Nash(クロスビー・スティルス&ナッシュ) The Jackson 5(ジャクソン5) Joni Mitchell(ジョニ・ミッチェル) Parliament-Funkadelic(パーラメント/ファンカデリック) The (Young) Rascals(ラスカルズ) |
1998 | Eagles(イーグルス) Fleetwood Mac(フリートウッド・マック) The Mamas & the Papas(ママス&パパス) Lloyd Price(ロイド・プライス) Santana(サンタナ) Gene Vincent(ジーン・ヴィンセント) |
1999 | Billy Joel(ビリー・ジョエル) Curtis Mayfield(カーティス・メイフィールド) Paul McCartney(ポール・マッカートニー) Del Shannon(デル・シャノン) Dusty Springfield(ダスティ・スプリングフィールド) Bruce Springsteen(ブルース・スプリングスティーン) The Staple Singers(ザ・ステイプル・シンガーズ) |
2000 | Eric Clapton(エリック・クラプトン) Earth, Wind & Fire(アース・ウィンド・アンド・ファイアー) The Lovin' Spoonful(ラヴィン・スプーンフル) The Moonglows(ザ・ムーングロウズ) Bonnie Raitt(ボニー・レイット) James Taylor(ジェームス・テイラー) |
2001 | Aerosmith(エアロスミス) Solomon Burke(ソロモン・バーク) The Flamingos(ザ・フラミンゴス) Michael Jackson(マイケル・ジャクソン) Queen(クイーン) Paul Simon(ポール・サイモン) Steely Dan(スティーリー・ダン) Ritchie Valens(リッチー・ヴァレンス) |
2002 | Isaac Hayes(アイザック・ヘイズ) Brenda Lee(ブレンダ・リー) Tom Petty and the Heartbreakers(トム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズ) Gene Pitney(ジーン・ピットニー) Ramones(ラモーンズ) Talking Heads(トーキング・ヘッズ) |
2003 | AC/DC The Clash(ザ・クラッシュ) Elvis Costello & the Attractions(エルヴィス・コステロ&ジ・アトラクションズ) The Police(ポリス) The Righteous Brothers(ライチャス・ブラザーズ) |
2004 | Jackson Browne(ジャクソン・ブラウン) The Dells(ザ・デルズ) George Harrison(ジョージ・ハリスン) Prince(プリンス) Bob Seger(ボブ・シーガー) Traffic(トラフィック) ZZ Top(ZZトップ) |
2005 | Buddy Guy(バディ・ガイ) The O'Jays(オージェイズ) Pretenders(プリテンダーズ) Percy Sledge(パーシー・スレッジ) U2 |
2006 | Black Sabbath(ブラック・サバス) Blondie(ブロンディ) Miles Davis(マイルス・デイヴィス) Lynyrd Skynyrd(レーナード・スキナード) Sex Pistols(セックス・ピストルズ) |
2007 | Grandmaster Flash and The Furious Five(グランドマスター・フラッシュ・アンド・ザ・フューリアス・ファイヴ) R.E.M. The Ronettes(ザ・ロネッツ) Patti Smith(パティ・スミス) Van Halen(ヴァン・ヘイレン) |
2008 | The Dave Clark Five(デイヴ・クラーク・ファイヴ) Leonard Cohen(レナード・コーエン) Madonna(マドンナ) John Mellencamp(ジョン・メレンキャンプ) The Ventures(ザ・ベンチャーズ) |
2009 | Jeff Beck(ジェフ・ベック) Little Anthony and the Imperials(リトル・アンソニー&ジ・インペリアルズ) Metallica(メタリカ) Run-D.M.C. Bobby Womack(ボビー・ウーマック) |
2010 | ABBA(アバ) Genesis(ジェネシス) Jimmy Cliff(ジミー・クリフ) The Hollies(ホリーズ) The Stooges(ザ・ストゥージズ) |
2011 | Alice Cooper(アリス・クーパー・バンド) Neil Diamond(ニール・ダイアモンド) Dr. John(ドクター・ジョン) Darlene Love(ダーレン・ラヴ) Tom Waits(トム・ウェイツ) |
2012 | Beastie Boys(ビースティ・ボーイズ) Donovan(ドノヴァン) Guns N' Roses(ガンズ・アンド・ローゼズ) Laura Nyro(ローラ・ニーロ) Red Hot Chili Peppers(レッド・ホット・チリ・ペッパーズ) Small Faces/Faces(スモール・フェイセズ/フェイセズ) |
2013 | Heart(ハート) Albert King(アルバート・キング) Randy Newman(ランディ・ニューマン) Public Enemy(パブリック・エナミー) Rush(ラッシュ) Donna Summer(ドナ・サマー) |
2014 | Peter Gabriel(ピーター・ガブリエル) Hall & Oates(ダリル・ホール&ジョン・オーツ) Kiss(キッス) Nirvana(ニルヴァーナ) Linda Ronstadt(リンダ・ロンシュタット) Cat Stevens(キャット・スティーヴンス) |
2015 | The Paul Butterfield Blues Band(ポール・バターフィールド・ブルース・バンド) Joan Jett & the Blackhearts(ジョーン・ジェット&ザ・ブラックハーツ) Lou Reed(ルー・リード) Green Day(グリーン・デイ) Stevie Ray Vaughan and Double Trouble(スティーヴィー・レイ・ヴォーン&ダブル・トラブル) Bill Withers(ビル・ウィザース) |
2016 | Cheap Trick(チープ・トリック) Chicago(シカゴ) Deep Purple(ディープ・パープル) N.W.A. Steve Miller(スティーヴ・ミラー) |
2017 | Pearl Jam(パール・ジャム) Journey(ジャーニー) Tupac Shakur(2パック) Joan Baez(ジョーン・バエズ) Electric Light Orchestra(エレクトリック・ライト・オーケストラ) Yes(イエス) |
2018 | Bon Jovi(ボン・ジョヴィ) The Cars(ザ・カーズ) Dire Straits(ダイアー・ストレイツ) The Moody Blues(ムーディー・ブルース) Nina Simone(ニーナ・シモン) |
2019 | The Cure(ザ・キュアー) Def Leppard(デフ・レパード) Janet Jackson(ジャネット・ジャクソン) Stevie Nicks(スティーヴィー・ニックス) Radiohead(レディオヘッド) Roxy Music(ロキシー・ミュージック) The Zombies(ゾンビーズ) |
2020 | Depeche Mode(デペッシュ・モード) The Doobie Brothers(ドゥービー・ブラザーズ) Whitney Houston(ホイットニー・ヒューストン) Nine Inch Nails(ナイン・インチ・ネイルズ) The Notorious B.I.G.(ノトーリアス・B.I.G.) T. Rex(T・レックス) |
2021 | Foo Fighters(フー・ファイターズ) The Go-Go's(ゴーゴーズ) Jay-Z(ジェイ・Z) Carole King(キャロル・キング) Todd Rundgren(トッド・ラングレン) Tina Turner(ティナ・ターナー) |
2022 | Pat Benatar(パット・べネター) Duran Duran(デュラン・デュラン) Eminem(エミネム) Eurythmics(ユーリズミックス) Dolly Parton(ドリー・パートン) Lionel Richie(ライオネル・リッチー) Carly Simon(カーリー・サイモン) |
2023 | Kate Bush(ケイト・ブッシュ) Sheryl Crow(シェリル・クロウ) Missy Elliott(ミッシー・エリオット) George Michael(ジョージ・マイケル) Willie Nelson(ウィリー・ネルソン) Rage Against the Machine(レイジ・アゲインスト・ザ・マシーン) The Spinners(スピナーズ) |
Early influences(アーリー・インフルエンス部門)
アーリー・インフルエンス部門を受賞するアーティストは、「ロックンロールに先行したがロックンロールの進化とインスピレーションを受けたロックの有力アーティストに影響を与えた音楽」が受賞基準となっています。
パフォーマー部門とは異なり、委員会によって選出されますが、選出方法は具体的に公開されておらず、誰がこの選考委員会を構成しているのかは公開されておりません。
1986 | Jimmie Rodgers(ジミー・ロジャーズ) Jimmy Yancey(ジミー・ヤンシー) Robert Johnson(ロバート・ジョンソン) |
1987 | Louis Jordan(ルイ・ジョーダン) T-Bone Walker(T-ボーン・ウォーカー) Hank Williams(ハンク・ウィリアムズ) |
1988 | Woody Guthrie(ウディ・ガスリー) Lead Belly(レッドベリー) Les Paul(レス・ポール) |
1989 | The Ink Spots(インク・スポッツ) Bessie Smith(ベシー・スミス) The Soul Stirrers(ソウル・スターラーズ) |
1990 | Louis Armstrong(ルイ・アームストロング) Charlie Christian(チャーリー・クリスチャン) Ma Rainey(マ・レイニー) |
1991 | Howlin' Wolf(ハウリン・ウルフ) |
1992 | Elmore James(エルモア・ジェームス) Professor Longhair(プロフェッサー・ロングヘア) |
1993 | Dinah Washington(ダイナ・ワシントン) |
1994 | Willie Dixon(ウィリー・ディクスン) |
1995 | The Orioles(オリオールズ) |
1996 | Pete Seeger(ピート・シーガー) |
1997 | Mahalia Jackson(マヘリア・ジャクソン) Bill Monroe(ビル・モンロー) |
1998 | Jelly Roll Morton(ジェリー・ロール・モートン) |
1999 | Bob Wills & His Texas Playboys(ボブ・ウィルズ&ヒズ・テキサス・プレイボーイズ) Charles Brown(チャールズ・ブラウン) |
2000 | Nat King Cole(ナット・キング・コール) Billie Holiday(ビリー・ホリデイ) |
2009 | Wanda Jackson(ワンダ・ジャクソン) |
2012 | Freddie King(フレディ・キング) |
2015 | The "5" Royales(ザ・ファイヴ・ロイヤルズ) |
2018 | Sister Rosetta Tharpe(シスター・ロゼッタ・サープ) |
2021 | Kraftwerk(クラフトワーク) Charley Patton(チャーリー・パットン) Gil Scott-Heron(ギル・スコット・ヘロン) |
2022 | Harry Belafonte(ハリー・ベラフォンテ) Elizabeth Cotten(エリザベス・コットン) |
2023 | DJ Kool Herc(クール・ハーク) Link Wray(リンク・レイ) |
Non-performers(ノン・パフォーマー部門)
ノンパフォーマー部門は、「ソングライター、プロデューサー、ディスクジョッキー、レコード役員、ジャーナリスト、ロックンロールの発展に大きな影響を与えた業界の専門家」に授与されます。
こちらも委員会によって選出されますが、選出方法は具体的に公開されておらず、誰がこの選考委員会を構成しているのかは公開されておりません。
1986 | Alan Freed(アラン・フリード) Sam Phillips(サム・フィリップス) |
1987 | Leonard Chess(レナード・チェス) Ahmet Ertegun(アーメット・アーティガン) Jerry Leiber and Mike Stoller(ジェリー・リーバーとマイク・ストーラー) Jerry Wexler(ジェリー・ウェクスラー) |
1988 | Berry Gordy, Jr.(ベリー・ゴーディー・ジュニア) |
1989 | Phil Spector(フィル・スペクター) |
1990 | Gerry Goffin and Carole King(ジェリー・ゴフィンとキャロル・キング) Holland–Dozier–Holland(ホーランド=ドジャー=ホーランド) |
1991 | Dave Bartholomew(デイヴ・バーソロミュー) Ralph Bass(ラルフ・バス) |
1992 | Leo Fender(レオ・フェンダー) Bill Graham(ビル・グレアム) Doc Pomus(ドク・ポーマス) |
1993 | Dick Clark(ディック・クラーク) Milt Gabler(ミルト・ゲイブラー) |
1994 | Johnny Otis(ジョニー・オーティス) |
1995 | Paul Ackerman(ポール・アッカーマン) |
1996 | Tom Donahue(トム・ドナヒュー) |
1997 | Syd Nathan(シド・ネイザン) |
1998 | Allen Toussaint(アラン・トゥーサン) |
1999 | George Martin(ジョージ・マーティン) |
2000 | Clive Davis(クライヴ・デイヴィス) |
2001 | Chris Blackwell(クリス・ブラックウェル) |
2002 | Jim Stewart(ジム・スチュワート) |
2003 | Mo Ostin(モー・オースティン) |
2008 | Kenny Gamble and Leon Huff(ケニー・ギャンブルとレオン・ハフ) |
2010 | David Geffen(デヴィッド・ゲフィン) Otis Blackwell(オーティス・ブラックウェル) Jeff Barry and Ellie Greenwich(ジェフ・バリーとエリー・グレニッチ) Mort Shuman(モルト・シューマン) Jesse Stone(ジェシー・ストーン) Barry Mann and Cynthia Weil(バリー・マンとシンシア・ウェイル) |
2011 | Jac Holzman(ジャック・ホルツマン) Art Rupe(アート・ループ) |
2012 | Don Kirshner(ドン・カーシュナー) |
2013 | Lou Adler(ルー・アドラー) Quincy Jones(クインシー・ジョーンズ) |
2014 | Brian Epstein(ブライアン・エプスタイン) Andrew Loog Oldham(アンドリュー・ルーグ・オールダム) |
2016 | Bert Berns(バート・バーンズ) |
2020 | Irving Azoff(アーヴィング・アゾフ) Jon Landau(ジョン・ランドー) |
2021 | Clarence Avant(クラレンス・アヴァント) |
2022 | Allen Grubman(アレン・グラブマン) Jimmy Iovine(ジミー・アイオヴィン) Sylvia Robinson(シルヴィア・ロビンソン) |
2023 | Don Cornelius(ドン・コーネリアス) |
Musical Excellence Award(ミュージカル・エクセレンス賞)
2000年に新設されたSideman(サイドマン部門)は、「劇場でのキャリアを賞賛し、レコーディングセッションやコンサートでメジャーアーティストのバックアップミュージシャンとして活動しているミュージシャン」に送られる賞となります。
2010年からはMusical Excellence Award(ミュージカル・エクセレンス賞)として名称を変更しています。
2000 | Hal Blaine(ハル・ブレーン)│Drums│ King Curtis(キング・カーティス)│Saxophone James Jamerson(ジェームス・ジェマーソン)│Bass guitar Scotty Moore(スコティ・ムーア)│Guitar Earl Palmer(アール・パーマー)│Drums |
2001 | James Burton(ジェームズ・バートン)│Guitar Johnnie Johnson(ジョニー・ジョンソン)│Piano |
2002 | Chet Atkins(チェット・アトキンス)│Guitar |
2003 | Benny Benjamin(ベニー・ベンジャミン)│Drums Floyd Cramer(フロイド・クレイマー)│Piano Steve Douglas(スティーヴ・ダグラス)│Saxophone |
2008 | Little Walter(リトル・ウォルター)│Harmonica |
2009 | Bill Black(ビル・ブラック)│Bass guitar D. J. Fontana(D・J・フォンタナ)│Drums Spooner Oldham(スプーナー・オールダム)│Keyboard |
2011 | Leon Russell(レオン・ラッセル)│Vocal, Piano |
2012 | Cosimo Matassa(コズィモ・マタッサ)│Bass guitar Tom Dowd(トム・ダウド)│Engineer, Producer Glyn Johns(グリン・ジョンズ)│Engineer, Producer |
2014 | E Street Band(Eストリート・バンド)│Band |
2015 | Ringo Starr(リンゴ・スター)│Drums |
2017 | Nile Rodhers(ナイル・ロジャース) |
2021 | LL Cool J(LL・クール・J) Billy Preston(ビリー・プレストン) Randy Rhoads(ランディ・ローズ) |
2022 | Jimmy Jam and Terry Lewis(ジャム&ルイス) Judas Priest(ジューダス・プリースト) |
2023 | Chaka Khan(チャカ・カーン) Al Kooper(アル・クーパー) Bernie Taupin(バーニー・トーピン) |
The Hall of Fame Singles(殿堂入りシングル)
2018年の式典で、シングルの新しい誘導カテゴリがSteven Van Zandt(スティーヴ・ヴァン・ザント)によって発表されました。
ロックホールにいないアーティストによるレコードというのがコメントされていますが、実際には殿堂入りしたアーティストによる楽曲も含まれています。
2018 | ||
Jackie Brenston and his Delta Cats | Rocket 88 | 1951 |
Link Wray | Rumble | 1958 |
Chubby Checker | The Twist | 1960 |
The Kingsmen | Louie Louie | 1963 |
Procol Harum | A Whiter Shade of Pale | 1967 |
Steppenwolf | Born to Be Wild | 1968 |
2019 | ||
The Chantels | Maybe | 1957 |
The Champs | Tequila | 1958 |
Barrett Strong | Money (That's What I Want) | 1959 |
The Isley Brothers | Twist and Shout | 1962 |
The Shangri-Las | Leader of the Pack | 1964 |
The Shadows of Knight | Gloria | 1965 |
2020 | ||
Irma Thomas | Time Is on My Side | 1964 |
Junior Walker & the All-Stars | Shotgun | 1965 |
Sam the Sham & the Pharaohs | Wooly Bully | 1965 |
The Troggs | Wild Thing | 1966 |
The Box Tops | The Letter | 1967 |
Lifetime achievement(ライフタイム・アチーヴメント部門)
Lifetime achievement(ライフタイム・アチーヴメント部門)は、Non-performers(ノン・パフォーマー部門)の功労賞として生涯業績が称えられる賞の総称。
1986 | John Hammond(ジョン・ハモンド) |
1991 | Nesuhi Ertegun(ネスヒ・アーティガン) |
2004 | Jann Wenner(ヤン・ウェナー) |
2005 | Frank Barsalona(フランク・バーサローナ) Seymour Stein(セイモア・スタイン) |
2006 | Herb Alpert and Jerry Moss(ハーブ・アルパートとジェリー・モス ) |
まとめ
日本でも2017年からおよそ1年のあいだ、東京・有楽町に「ロックの殿堂ジャパンミュージアム」(ROCK & ROLL HALL OF FAME JAPAN)というのがありましたが、残念ながら閉館となってしまいました。
なので「ロックの殿堂」を味わうにはやはり本場オハイオ州クリーブランドへ向かうのがベストですね。
ロックが好きな方は他にもあるロックの聖地に人生一度は足を運びたいとお考えかもしれませんが、まずは「ロックの殿堂」を是非体感してみてはいかがでしょうか。