北欧メタルの歴史/成り立ちから年代別の曲調の変遷【後編】です。
前編はこちらからご覧ください。
1990年代に入るとさまざまなサブジャンルのメタルが生まれました。サブジャンルの増加に伴い民族楽器などが編成に入るバンドが増え、既存の価値観に囚われない自由な音楽になっていきます。この記事では1990年代から現代までの北欧メタルの曲調の変遷を追っていきます。
北欧メタルの成り立ちから年代別の曲調の変遷 1990年代~現在
1・1990年代【新たなメタルブームの再来】
Amon Amarth - Deceiver of the Gods - YouTube
ネオクラシカルメタルブームが終わり、叙情的なメロディにデスボイスを乗せたメロディックデスメタルが注目を浴びます。このジャンルはアモルフィスなどのメタルバンドが、デスメタルにスウェーデン風のメロディを導入して生まれ、チルドレンオブボドムやアーチエネミーなどの有名バンドがヒット曲を出し確立されたジャンルとなりました。
また、同時期にバイオリンやキーボードで表現されるクラシック的な壮大さやスケールの大きい世界観を持ったシンフォニックメタルも北欧で流行り、多くのバンドがデビューしました。
シンフォニックメタルの基礎を作ったのはメタルバンド、セリオンの5つ目のアルバム、theri(セリ)のオペラやオーケストラを使用した壮大なサウンドがヒットした影響が強く、ナイトウィッシュやラプソディなどの有名バンドの音楽性に大きく影響を与えたと言われています。
2・2000年代~現在【止まらないメタルジャンルの細分化】
ALESTORM - Shipwrecked - YouTube
メロディックデスメタルブームが落ち着き、北欧メタルにコアなジャンルが次々と生まれていきます。民族音楽や民謡とメタルが融合したフォークメタルや、海賊用語や海賊ファッションで海賊感を追求したパイレーツメタルなど新たなメタルが次々と開拓され、ヒットするバンドが現れるとそれに続くようにして同じジャンルのバンドがデビューしていきました。
日本でもフィンランドのフォークメタルバンド、コルピクラーニが「朝まで飲もうぜ」などの大胆な邦題やインパクトの強いPVでメタルファン以外にも話題になり、コンスタントに来日ライブをするまでに至りました。
まとめ
1990年代から現在までの北欧メタルの流れを紹介させていただきました。この記事では触れられなかった魅力的なバンドやジャンルが多くあり、探れば探るほど新しい発見があります。YouTubeでnordic metalと検索するだけで多くの北欧メタルを見つける事ができるので、この機会に新しい北欧メタルと出会ってみてはいかがでしょうか。