ピンク

P!nk(ピンク)のプロフィール、歌詞一覧、アルバム・シングルを網羅したディスコグラフィーをご紹介。最新の洋楽はここからチェック。

プロフィール

P!nk
Photo Credit Ebru Yildiz
  • BORN
    アメリカ合衆国ペンシルベニア州ドイルスタウン
  • SNS
  • BIRTHDAY
    1979/9/8 (46歳)

  • OCCUPATION
    シンガー、ソングライター

P!nk(ピンク)は、ペンシルベニア州ドイルスタウン出身のシンガー、ソングライター。本名はAlecia Beth Moore(アリシア・ベス・ムーア)。

世界中で1億3,500万枚以上のレコード(アルバム6,000万枚、シングル7,500万枚)を売り上げ、世界で最も売れている音楽アーティストの1人となっている。また、ピンクは21世紀においてイギリスで最も多く再生された女性ソロアーティストでもある。

生い立ち

母は看護師のJudith Moore(ジュディス・ムーア)、父は保険セールスマンのJames Moore(ジェームズ・ムーア)。彼女は自らを「アイルランド系・ドイツ系・リトアニア系ユダヤ人」と説明しており、母親はユダヤ人である。幼少期に喘息を患い、両親は10歳になる前に離婚した。

4歳から12歳まで体操競技の訓練を受け、高校はセントラル・バックス・ウェスト・ハイ・スクールに通った。高校時代には最初のバンドMiddleground(ミドルグラウンド)に参加したが、コンテストで敗れ解散。ティーン時代から歌詞を書き始め、内省的で暗い内容が多かったと母親が語っている。

14歳頃からフィラデルフィアのクラブで演奏を始め、この頃からニックネーム「Pink」をステージネームとして使用した。子どもの頃からそのあだ名で呼ばれていたという。14歳で女性グループBasic Instinctのオーディションに合格しメンバー入りしたが、グループは作品を残さず解散した。

初期のキャリア

15歳のとき、Sharon Flanagan(シャロン・フラナガン)、Chrissy Conway(クリッシー・コンウェイ)と共にR&BグループChoice(チョイス)を結成した。最初の楽曲「Key to My Heart」がジョージア州アトランタのラ・フェイス・レコードに送られ、社長のL.A. Reid(L.A.リード)の耳に留まった。彼は3人を招待して実際にパフォーマンスを確認し、契約を結んだ。当時3人はいずれも未成年だったため、両親の同意が必要であった。グループはアトランタに移住してアルバム制作に取り組んだが、商業的にリリースされることはなかった。ただし「Key to My Heart」は1996年公開の映画『ミラクル・アドベンチャー/カザーン』のサウンドトラックに収録された。

その後、クリスマスパーティーの席でL.A.リードがピンクに「ソロでやるか、辞めるか」と迫り、最終的にチョイスは1998年に解散。その後はラ・フェイス・レコードとソロ契約を結び、Babyface(ベイビーフェイス)、Kandi Burruss(キャンディ・バーラス)、Tricky Stewart(トリッキー・スチュワート)らと共にデビュー・アルバム制作を開始した。

デビュー後のキャリア

2000年2月にソロデビューシングル「There You Go」をリリースし、ビルボードホット100で7位を記録、国際的にもオーストラリア、ニュージーランド、イギリスなどでトップ10入りを果たした。同年4月、デビュー・スタジオ・アルバム『Can't Take Me Home』をリリース。ビルボード200で26位を記録し、アメリカでダブルプラチナ認定(200万枚以上出荷)、世界で400万枚以上を売り上げた。アルバムからは「Most Girls」(ビルボードホット100で4位、オーストラリアで1位)、「You Make Me Sick」などのヒットが生まれた。

2000年、Billboard Music Awardsで最優秀新人女性アーティスト賞を受賞し、NSYNC(インシンク)のツアーで前座を務めた。翌2001年、映画『ムーラン・ルージュ』のサウンドトラックでChristina Aguilera(クリスティーナ・アギレラ)、Mýa(マイア)、Lil' Kim(リル・キム)と共に「Lady Marmalade」を披露し、ビルボードホット100で初の1位を獲得。史上最も成功したエアプレイ限定シングルとなり、グラミー賞最優秀ポップ・コラボレーション賞を受賞した。

しかしピンクは「量産型ポップアイドル」として扱われることに不満を抱き、よりアーティスティックな方向性を求めた。2001年リリースの2枚目のスタジオ・アルバム『Missundaztood』は、敬愛していた4 Non Blondes(4ノン・ブロンズ)のLinda Perry(リンダ・ペリー)を共同制作者に迎え、ロサンゼルスで数か月にわたり制作された。リードシングル「Get the Party Started」はビルボードホット100で4位、ヨーロッパやオセアニアで1位を獲得し世界的ヒットとなった。アルバムからは「Don't Let Me Get Me」「Just Like a Pill」「Family Portrait」などもヒットし、特に「Just Like a Pill」はイギリスで1位を記録した。

『Missundaztood』は世界で1,300万枚以上を売り上げ、2002年の世界8番目の売上を記録したアルバムとなり、ピンク最大のヒット作となった。彼女は2002年、ワールド・ミュージック・アワードで最優秀アメリカン・ポップ/ロック女性アーティスト賞を受賞し、グラミー賞では最優秀ポップ・ヴォーカル・アルバムなどにノミネートされた。同年にはワールド・ツアー『Party Tour』を行い、Lenny Kravitz(レニー・クラヴィッツ)のアメリカツアーにも参加。ビルボード200の2002年最優秀女性アーティストにも選ばれた。

2003年、映画『チャーリーズ・エンジェル: フルスロットル』のサウンドトラックに「Feel Good Time」を提供し、自身もカメオ出演した。この曲はビルボードホット100でトップ40入りを逃したが、ヨーロッパやオーストラリアではヒットした。同曲は2003年11月にリリースされた3枚目のスタジオ・アルバム『Try This』に収録された。アルバムは米・英・豪などでトップ10入りし、アメリカでプラチナ認定を受けたが、前作『Missundaztood』ほどの商業的成功は得られなかった。「Trouble」は全米トップ40入りしなかったものの、他国ではヒットし、グラミー賞最優秀女性ロック・ボーカル・パフォーマンス賞を受賞した。

2005年からは4thアルバム『I'm Not Dead』制作に着手。Max Martin(マックス・マーティン)やButch Walker(ブッチ・ウォーカー)らと制作した同作は2006年4月にリリースされ、アメリカ・イギリス・ドイツなど世界的に成功を収めた。リードシングル「Stupid Girls」は全米ヒットとなり、MTVビデオ・ミュージック・アワードで最優秀ポップ・ビデオ賞を獲得。続く「Who Knew」「U + Ur Hand」も全米トップ10入りし、ヨーロッパやオーストラリアでも大ヒットした。特にオーストラリアでは同作から6曲がトップ5入りし、62週連続トップ10という記録を樹立、10×プラチナ認定を受けた。

この成功を受けてワールド・ツアー『I'm Not Dead Tour』を開催し、オーストラリアでは30万枚以上のチケットを売り上げ、女性アーティストとしてアリーナツアー最大動員を記録した。ロンドン公演はDVD『Pink: Live from Wembley Arena』として発売された。さらにNBCの「サンデーナイトフットボール」のテーマ曲を担当し、映画『ハッピーフィート』のサウンドトラックにも参加した。同時期、Justin Timberlake(ジャスティン・ティンバーレイク)のツアーに帯同、HIV/AIDS啓発曲「Sing」にも参加した。2007年には特別版ボックス『Pink Box』がオーストラリアで発売され、ゴールド認定を受けた。

2008年8月、シングル「So What」がリークされ、オーストラリアのラジオで爆発的にオンエアされた。わずか数時間で各局のチャート1位を獲得し、9月にはビルボードホット100でも自身2曲目の首位を記録した。同年10月のARIA Music Awardsではゲスト出演し「So What」を披露。アルバム『Funhouse』はオーストラリアで初登場1位となり、最終的に11×プラチナを獲得した。続くシングル「Sober」「Please Don't Leave Me」「Bad Influence」などもリリースされ、プロモーションの一環で2009年には4枚組ボックスセットを発表。ドキュメンタリー映画『The People Speak』にも出演した。

2009年2月から『Funhouse Tour』を開始し、ヨーロッパを巡った後オーストラリアで大規模公演を行い、約60万人を動員。全公演ソールドアウトとなった。2009年MTVビデオ・ミュージック・アワードでは「Sober」をトラピーズで披露、2010年グラミー賞では「Glitter in the Air」をエアリアルで披露し、スタンディングオベーションを受けた。ビルボードはこのパフォーマンスを2000年~2012年で最高と評価している。ピンクは同誌より「Pop Songs Artist of the Decade」に認定され、イギリスでは2000年代で2番目に多く再生された女性ソロアーティストとされた。

2010年にはチャリティ曲「We Are the World」リメイクに参加し、Herbie Hancock(ハービー・ハンコック)の『The Imagine Project』でもJohn Legend(ジョン・レジェンド)らと共演してグラミー賞を受賞。Eminem(エミネム)のアルバム『Recovery』にも参加した。2010年7月、ドイツ公演で空中演出中に転落事故を起こしたが大事には至らなかった。2009年~2010年のツアーで総計300万枚のチケットを売り上げた。

同年10月には初のベスト盤『Greatest Hits... So Far!!!』からのリード曲「Raise Your Glass」を発表。ビルボードホット100で首位となり、自身3曲目の全米1位を獲得。続くシングル「Fuckin' Perfect」も全米2位のヒットとなった。2011年には映画『ハッピーフィート2』で声優を務め、テーマ曲も担当。同年10月、所属レーベルのジャイヴ・レコードが閉鎖され、今後の作品はRCAレコードからリリースされることが決定した。

2012年2月、ピンクは6枚目のスタジオ・アルバム『The Truth About Love』の制作を進めていることを公表した。同年6月に予定されていたオバマ大統領選の資金集めイベント出演は、胆嚢摘出手術のためにキャンセルとなった。リードシングル「Blow Me (One Last Kiss)」は7月に発表され、全米5位、オーストラリアとハンガリーで1位を記録。9月にリリースされたアルバムはビルボード200で初登場1位となり、自身初の全米1位アルバムとなった。オーストラリア、カナダ、ドイツなど各国でも首位を獲得し、世界で700万枚以上を売り上げた。批評家からも高評価を受け、グラミー賞の最優秀ポップ・ヴォーカル・アルバム部門にノミネートされた。

2ndシングル「Try」は全世界でトップ10ヒットとなり、2013年にはFun.のNate Ruess(ネイト・ルイス)と共演した「Just Give Me a Reason」が20カ国以上で1位を獲得、ビルボードホット100でも首位となった。2013年の年間世界売上4位を記録し、グラミー賞の最優秀ポップ・デュオ/グループ・パフォーマンス賞と年間最優秀楽曲にノミネートされた。その後も複数のシングルを発表し、同年2月には全米ツアー『The Truth About Love Tour』を開始。アメリカ公演だけで2,360万ドルを売り上げ、ヨーロッパ公演では3,070万ドルを記録した。2013年のツアー売上は1億4,790万ドルに達し、年間で3位の規模となった。

同時期にはT.I.のアルバム収録曲「Guns and Roses」に参加し、またシェールのアルバムに楽曲提供を行った。さらに映画『スティーヴ・カレルのダメ男にさよなら!』(Thanks for Sharing)に出演し、演技も高く評価された。2013年、ビルボード誌から「Woman of the Year」に選出され、年間アーティストランキングでも6位を獲得。RCAレコードと複数年にわたる契約を締結した。

2014年にはCity and ColourのDallas Green(ダラス・グリーン)と結成したプロジェクト「You+Me」としてアルバム『Rose Ave.』をリリース。ビルボード200で4位、フォーク・アルバムチャートで1位を獲得した。2015年には『エレンの部屋』シーズン13のテーマソング「Today’s the Day」を担当し、同年9月に披露された。

2016年2月、Netflixのシリーズ『Beat Bugs』のためにThe Beatles(ビートルズ)「Lucy in the Sky with Diamonds」をカバーすることが発表された。同年、映画『アリス・イン・ワンダーランド/時間の旅』のために「White Rabbit」をカバーし、新曲「Just Like Fire」を提供した。この曲はオーストラリアで1位を記録した。さらにCéline Dion(セリーヌ・ディオン)に提供した「Recovering」や、Kenny Chesney(ケニー・チェズニー)のシングル「Setting the World on Fire」にゲスト参加し、全米カントリーチャートで1位を獲得した。2017年にはStargate(スターゲイト)、Sia(シーア)とのコラボ曲「Waterfall」が発表された。

その後7枚目のアルバム制作に入り、2017年8月にリードシングル「What About Us」をリリース。全米アダルトポップソングチャートで9度目の1位を獲得し、女性ソロアーティストの最多記録を更新した。同年10月にアルバム『Beautiful Trauma』をリリースし、年間世界売上第3位のヒットとなった。MTVビデオ・ミュージック・アワードではマイケル・ジャクソン・ビデオ・ヴァンガード賞を受賞。「Beautiful Trauma」からは同名曲がシングルカットされ、またエミネムのアルバム『Revival』にも参加した。

2018年、インフルエンザにかかりながらもスーパーボウルで国歌斉唱を実現。3月からは『Beautiful Trauma World Tour』を開始し、北米、欧州、オセアニアを回る大規模ツアーを行った。Elton John(エルトン・ジョン)の『Revamp & Restoration』では「Bennie and the Jets」を共演。『People』誌の「Most Beautiful」特集では表紙を飾り、娘のWillow(ウィロー)とも共演して「A Million Dreams」をカバーした。

2019年2月、ハリウッド・ウォーク・オブ・フェームに名を刻み、同年4月に8枚目のスタジオ・アルバム『Hurts 2B Human』をリリース。リードシングル「Walk Me Home」を発表し、ブリット・アワードでは特別功労賞を受賞した。同年末にはPollstarの「Artist of the Year」に選出された。2020年は家族に専念するため休養を宣言し、9月にはKeith Urban(キース・アーバン)とコラボした「One Too Many」をリリースした。

2021年2月12日、娘のウィローとのデュエット曲「Cover Me in Sunshine」をリリースした。同年4月9日にはRag'n'Bone Man(ラグ・アンド・ボーン・マン)とのデュエット「Anywhere Away from Here」を発表。4月29日にはライヴ・アルバム『All I Know So Far: Setlist』を発表し、5月21日にリリースされた。このアルバムには代表曲のライヴ・バージョンやカバー、「Cover Me in Sunshine」、さらにシングルとして先行リリースされた新曲「All I Know So Far」も収録されており、同時公開のドキュメンタリー映画のサウンドトラック的役割を果たした。P!nkは同年、9枚目のスタジオ・アルバム制作に着手していることを明かした。

2022年2月にはCalmと提携し、睡眠用の朗読を3作提供。7月14日にはプロテストソング「Irrelevant」を発表。同年9月にはロサンゼルスで行われたTaylor Hawkins(テイラー・ホーキンス)の追悼コンサートに出演し、Heart(ハート)の「Barracuda」、Queen(クイーン)の「Somebody To Love」、Foo Fighters(フー・ファイターズ)の「The Pretender」を披露した。

11月4日にはニューシングル「Never Gonna Not Dance Again」をリリースし、翌日にDolly Parton(ドリー・パートン)をロックの殿堂に紹介した。11月20日にはアメリカン・ミュージック・アワードで同曲をローラースケートで披露し、さらにOlivia Newton-John(オリビア・ニュートン=ジョン)への追悼として「Hopelessly Devoted to You」を歌った。

2023年2月17日、9枚目のスタジオ・アルバム『Trustfall』をリリース。イギリスとオーストラリアで1位、アメリカで2位を記録した。6月7日からは『Summer Carnival Tour』を開始した。2024年8月23日、P!nkは娘とともにシカゴで開催された民主党全国大会で「What About Us」を披露した。同年10月には不可抗力により4公演(リンカーン、スーフォールズ、ミルウォーキー、デモイン)が延期されることを発表した。2025年1月、ピンクは山火事の被害を受けた家族のために募金を集めるFireAidLA慈善コンサートに出演した。