音楽は人それぞれ聴くようになったきっかけ、ルーツがあります。
邦楽の場合は当たり前に耳にする機会がありますが、洋楽の世界に踏み込むには明確なルーツをお持ちの方が多数おられます。
今回の『私と洋楽』では外部ライターである『TOY吉様』のルーツを深掘り。よろしければ是非お付き合いください。
【私と洋楽】それは、いつもそばにあったもの。TOY吉
音楽は小さい頃から身近にあり、私にとって「第二の自分を投影する相棒」のような存在でした。
私は小さい頃から野球をやっていて、そこではまず応援歌があり、全ての動作に音楽的なリズムがあり、そして何よりも苦しい逆境に立ち向かう時も、自分の夢に向かって努力する時も、悔しくてどうしようもない気持ちを抱えた時も、いつも音楽がそばにあり、数々の曲によって人生を進めてこれたと言っても過言ではありません。
そして野球以外でも日常に音楽が溢れていて、初めは兄弟などの影響でJ-POPなど、ごく一般的な日本の語法で作られた音楽を聴いていました。ただその中でも、
「この人達はちょっと違うかっこよさがあるな」
と思うバンドなどが出てくると自然と彼らのルーツが気になるようになり、CDやYouTubeなどから洋楽を調べ始めるようになります。そこでUKロックやUS HIPHOPなどに興味を持ち、さらにそこからジャンルの垣根を飛び越えて聴きあさり一気に洋楽の虜になっていきました。
まだ幼かったこともあり、周りに同じように洋楽を聴いてる仲間はいなかったのですが、逆にそれがあったおかげで、自分の核にものすごく近い存在になったのだと思います。
しかし日本の音楽を中心に聴いてきた方からすると、そこまで洋楽に魅力をまだ感じないという方もいらっしゃるかもしれません。そこで私の幼少期のエピソードを少し紹介したいと思います。
小さい頃の経験で洋楽に対するテーマで一番顕著だったのが、
「なぜ邦楽ではなく洋楽が好きなのか?」
という質問を小学生の時に何回か友人にされた時のことなのですが、そこで私は恐らく自分が洋楽に魅力を感じるのは、音楽の多様性を強く感じやすいからだと思ったのです。
というのも、日本は世界から見ても特異な音楽文化を持っていて「アイドル」や「J-POP」のような特殊な環境の中で産業が成り立っています。しかしそれゆえに、その枠組みの中では生まれてこない音楽というのが存在するのです。
それに対して洋楽は人種も文化もバラバラなアーティスト達が自分たちのやりたいように曲を作り、それらを評価する文化がかなりの規模で定着しています。私はおそらく、そのバラエティに魅了されたのだと思います。
そして何より、外の世界を知ったことでJ-POPを基盤とする特殊な日本の音楽がより好きになり、彼らがそれぞれのルーツからどうやってJ-POPに昇華するのかを感じとることができるようになりました。それが何よりも面白くて横にも縦にも歴史が続いていて、音楽というものの奥深さを知ることができたのです。
また何事も、固まったものを壊すことによって世界は広がるのだとその体験から学んだ気がします。
文章ばかりになってしまいましたがここからはせっかくの機会ですので、私が洋楽を聴き始めた頃に印象に残った曲を2曲紹介したいと思います。
Cher Lloyd - Swagger Jagger - YouTube
まずは、Cher Lloyd の『Swagger Jagger』。
ちょうど洋楽を掘り始めた小学5、6年生ぐらいの頃にMTVというテレビの音楽チャンネルをたまたま深夜に観ていて、その時にこの曲がMVとともに流れてきました。当時はまだ、洋楽にそこまで馴染みがなかったので特徴的なシンセリードのリフと強いビート感、それに合わせて踊り楽しんでいる様子を観て「こんな自由でかっこいい音楽があるんだ。」と興奮していました。今聴いても変わらないポップさとかっこよさがあって、いい曲はいつまでも変わらないんだということを改めて感じます。
Eminem - Lose Yourself - YouTube
2曲目はEminemの『Lose Yourself』。
日本でもラッパーいえばエミネムとなるぐらいに有名ですが、私の出会いとしては、某動画サイトのおもしろ動画でたまたま使われているところを観て、「うわ、この曲かっこいい!」となったのがきっかけで、そこから本家の曲を聴き、リリックをしっかりと読んでどっぷりと彼の世界に入っていき、いつしか自分を奮い立たせる曲として共に青春を駆け抜けていました。彼のラッパーとしてのスタイルにも惹かれ、HIPHOPをDIGる(ディグる)きっかけにもなった私にとって重要な作品です。
今回は私と洋楽との出会いを中心に書いてきましたが、皆さん一人一人に大事にしている曲があるかと思います。
自分にはそこまで深い思い入れのある作品はないという方も、何気なく口ずさんでいる曲がおそらくあるはずです。私はその何気なく自分の中にある曲が、人生の転換期で自分が思っている以上に自分を助けてくれると感じました。
私が経験したように、多くの方がそれぞれの形で音楽を楽しんでいく中で、自分にとって大切な曲が見つかり、どんな時も相棒のように手を取り合って色んな時間を過ごしていけたら嬉しいです。
TOY吉
あなたのルーツもおしえてください
洋楽まっぷではあなたの洋楽へのルーツを募集しています。
洋楽のルーツをテーマに
・どういった経緯で洋楽を聴くようになったのか
・邦楽よりも洋楽を好む理由
・生涯で一番好きな曲の紹介
・生涯において分岐点となった曲の紹介
などを是非おしえてください。頂いた内容はコラムとして発信させて頂きます。
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以上、【私と洋楽 Vol.1】でした。