編集部厳選!有名すぎるおすすめ洋楽神イントロ20選!年々短くなるイントロの重要性とは?

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洋楽コラム

先週、最近の若者の傾向としてギターソロやイントロを飛ばして聴くという話題がテレビ番組で取り上げられ、SNSでもトレンド入りとなるなど大きな話題となりました。

しかしギターソロやイントロが聴かれにくくなってきたという現象はもう5年以上前から言われていたことであり、Z世代を含む若い世代ではない大人たちにとってこれらがまだまだ常識になっていない現状が浮かび上がったかと思います。

じゃあ洋楽においてはどうなの?と考えたとき、実はかなり早い段階でその動きが見られていました。

ヒット曲という条件の下で見ると、2005年頃に変化が始まっています。

2005年と言えば、ビルボードが初めてデジタルダウンロードを集計対象にした年。

そして有料ストリーミングが集計対象に加わった2012年、おもしろいことにこの年のビルボード年間チャート、上位10曲中イントロが10秒以上なのが1曲だけという結果でした。

また同時にロックジャンルのヒット曲が明確に減少し、ヒップホップのヒット曲が増えていったのもこの時期。つまりデジタル移行からストリーミングへの進化、2005年~2012年頃のこの時期の音楽の聴き方の変化、ジャンルの変化がこういった流れを作っていったのがわかります。

イギリスではiTunes Storeが開始となった2004年から全英オフィシャルチャートの集計に加わり、2014年にはストリーミングによる集計も開始されました。

つまり2000年代中頃から2010年代前半にはイントロがない、もしくは短いという傾向がヒット曲の定義のひとつになっていたと言えます。

日本ではBillboard Japan Hot 100が2008年から始まり、2016年にストリーミングが集計に追加。オリコンは2016年にデジタル、2018年にストリーミングの集計を開始するとともに合算チャートを新たに発表しました。これらを見ても世界的な動きに比べ日本は遅く、邦楽はこの流れを汲んでいるように感じます。

わかる人にはわかる話でも一般に浸透するには何年もかかるもので、ようやく今のヒット曲の現状が一般的に認知され始めているのかもしれません。

イントロの重要性

若い世代はTikTokで音楽を聴くのが主流になっており、曲の一部分しか聴かない人も増えています。これは広告から商品購入に至るまでのフローに似ていて、TikTokを広告と考えると、その投稿を視聴したうちの数割はストリーミングなどを活用して曲を最初から最後まで聴いてみる、そういう構図になっているものと考えられます。

つまりこの視点だけ考えると「ストリーミングで曲を聴いてもらうためにすべきこと」=「イントロよりもサビをたくさん聴かせたい」というのが最近の傾向につながっているように思います。

しかしそのアーティストのライブに行くとき、イントロを聴くだけでテンションが上がるというのもありますので、サビに向かって気持ちを作るっていう意味でのイントロは重要な気もするんですが、この考えも古いのかもしれませんね。

日本はコロナ禍による2020年以降のライブの減少タイミング、またTikTokの人気が良くも悪くもマッチしてしまっていて、イントロが短い、サビから始まる、などの曲が急激に量産されているようにも感じます。洋楽は前からその現象にありましたが、邦楽も急速に変化しているように感じます。これはあくまで「ヒットしている曲」の中での話ですが。

ただこのような状況でも、神イントロはあります。今回は編集部が厳選した洋楽神イントロをどの世代にも楽しんでいただけるように過去の名曲から最新のヒット曲まで幅広くセレクトしてみました。

有名すぎるおすすめ洋楽神イントロの曲がたくさんあるアーティスト

Michael Jackson

Michael Jackson(マイケル・ジャクソン)ほどイントロのインパクトがある曲を多く持つアーティストはいないのではないでしょうか。

キング・オブ・ポップと呼ばれるだけあってイントロから聴かせてコードやリズムを定着させる技術は、あらゆる曲を聴いて参考にしたこともあったようですが、結果として誰でも知ってると言っても大げさではないイントロになってます。

「Billie Jean」、「Beat It」、「Thriller」、「Bad」、「Smooth Criminal」、「Black or White」、「Scream」と挙げればキリがありません。

Michael Jackson – Billie Jean – YouTube

Madonna

Madonna(マドンナ)もマイケル・ジャクソンに匹敵する神イントロを量産しています。神イントロが最も多いのが80年代の曲ではないかと見ていますが、マドンナはヒット曲を量産し、2005年に神イントロのABBA「Gimme! Gimme! Gimme! (A Man After Midnight)」をサンプリングして神イントロを再構築した「Hung Up」をヒットさせました。

Madonna – Hung Up – YouTube

ABBA

ABBA(アバ)も神イントロの宝庫。サウンドを作り込む人がグループにいたり、プロデューサーなどで関わるケースだと神イントロの曲が多い傾向があるのかもしれません。

Abba – Money, Money, Money – YouTube

Britney Spears

Britney Spears(ブリトニー・スピアーズ)も実は神イントロが多いアーティストのひとり。初期のMax Martin(マックス・マーティン)期、脱マックス・マーティン期、EDM期などスタイルを変えながらヒット曲を世に送り続けています。

Britney Spears – Toxic – YouTube

The Weeknd

The Weeknd(ザ・ウィークエンド)はイントロ短かめ時代の今、しっかりと作り込んでヒットさせている数少ないアーティストかもしれません。「Blinding Lights」だけに限らず、「Take My Breath」もそうですし、「I Feel It Coming」なんかも始まってすぐ曲の全体的なエモさを出してる神イントロだと思います。これもマックス・マーティンの影響でしょうか。

The Weeknd – I Feel It Coming ft. Daft Punk – YouTube

Coldplay

Coldplay(コールドプレイ)も神イントロが多いバンドです。ロックバンドであってもいろんなパターンのイントロを繰り出す世界観の幅がヒットし続けている要因のひとつになっているのでしょうか。

Coldplay – Viva La Vida – YouTube

The Rolling Stones

The Rolling Stones(ザ・ローリング・ストーンズ)は個人的にはビートルズよりも神イントロが多いバンドだと思います。「(I Can’t Get No) Satisfaction」のギターはもちろん、「Paint It, Black」、「Rock And A Hard Place」など時代とともに変化ながらもイントロがありますが、最もおすすめしたいのがこのイントロ。

The Rolling Stones – She’s A Rainbow – YouTube

シンプルなピアノのイントロなのに異様な空気感を漂わせる異質な感じが魅力的な神イントロです。

Eric Clapton

Eric Clapton(エリック・クラプトン)はギターによって始まるイントロが神過ぎるDerek and the Dominos(デレク・アンド・ザ・ドミノス)時代の名曲「Layla」が代表的ですが、90年代に大ヒットしたイントロと言えばこの曲。

Eric Clapton – Tears in Heaven (Acoustic) – YouTube

アコースティックギターで始まる神イントロではトップクラス。サウンドが複雑なほど時代によって受け入れられにくくなっていき、時代の象徴になってしまいがちですが、こういったシンプルな曲はどの世代にもいつの時代にも通じるイントロだと思います。

Queen

Queen(クイーン)もロックバンドの中では神イントロの曲がヒットしているバンドの一組。それでいてイントロのない歌から始まる曲も意外と多く、うまいこと今の時代にもマッチしている、幅広い曲作りを行っていたバンドだといえます。中でも「ズンズンチャ」でわかるヒット曲「We Will Rock You」はほかの誰にも作れない、そしてこれはイントロと呼べるのかも賛否ありそうな曲もあり、とにかくいろんなことを試し挑戦し続けた数少ないバンドだと言えますね。

Queen – The Show Must Go On – YouTube

有名すぎるおすすめ洋楽神イントロの曲の制作に関わったプロデューサー

Max Martin

マックス・マーティンと言えば初期のBackstreet Boys(バック・ストリート・ボーイズ)やブリトニー・スピアーズをプロデュースしており、ヒット曲を量産。現在もザ・ウィークエンドなどヒットの最前線を走り続けています。

90年代後半の楽曲作りではかなり似通った構造をしており、特徴のあるイントロのある曲を多く制作しています。

Backstreet Boys – Larger Than Life – YouTube

外にもある!有名すぎるおすすめ洋楽神イントロ10選

ここまで10曲紹介しましたが、まだまだ神イントロはありますので、10曲ご紹介いたします。

1. Deep Purple – Smoke On The Water

Deep Purple – Smoke On The Water – YouTube

Deep Purple(ディープ・パープル)も神イントロ多いのですが、全米チャートでトップ10入りしたのはデビュー曲の「Hush」この曲だけ。日本での知名度も加味すると意外ですが、アルバムは世界中で聴かれています。

2. Huey Lewis & The News – The Power Of Love

Huey Lewis & The News – The Power Of Love – YouTube

Huey Lewis & The News(ヒューイ・ルイス&ザ・ニュース)のこの曲はご存じ映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の主題歌。イントロ聴くだけでなぜかテンション上がります。

3. Crazy in love

Beyoncé – Crazy In Love ft. JAY Z – YouTube

Beyoncé(ビヨンセ)の代表曲のひとつですが、このイントロはThe Chi-Lites(チャイ・ライツ)の1970年の曲「Are You My Woman (Tell Me So)」のサンプリングによるもの。元ネタもイントロで使用されていますが、ビヨンセのバージョンのほうがより重圧でかっこいいです。

4. The Box

Roddy Ricch – The Box – YouTube

サンプリングつながりでRoddy Ricch(ロディ・リッチ)の代表曲。Ciara(シアラ)が2009年にリリースした「Love Sex Magic」の、イントロわずか2秒のあいだに使用されているストリングスを繰り返すことで壮大感のあるイントロになっています。

5. Travis Scott – Sicko mode

Travis Scott – SICKO MODE ft. Drake – YouTube

Travis Scott(トラヴィス・スコット)の代表曲。オルガンを編集して引き伸ばしながら20秒以上の長いイントロを形成し、独特な世界観を作り上げています。癖になってしっかりと聴きこんでしまいやすいイントロです。

6. Sting – Shape of My Heart

Sting – Shape of My Heart – YouTube

Sting(スティング)の代表曲。映画『レオン』の主題歌としても知られているアコギイントロの神曲です。先ほどご紹介した「Tears in Heaven」と共にアコースティックギターで始まる神イントロのひとつと言えます。

7. Simon & Garfunkel – A Hazy Shade of Winter

Simon & Garfunkel – A Hazy Shade of Winter – YouTube

アコギつながりでSimon & Garfunkel(サイモン&ガーファンクル)。このイントロも神がかっています。何人かのアーティストによってカバーされていますが、ギターはアコギではなくエレキでロックに仕上がっているパターンが多いです。

8. Bon Jovi – It’s My Life

Bon Jovi – It’s My Life – YouTube

Bon Jovi(ボン・ジョヴィ)の代表曲のひとつ。たくさんのヒット曲がある中でもこの「ワーオ ワーオ」っていうイントロの知名度の高さは洋楽を普段聴かないような方にも浸透していると思います。そういった視点でも神イントロと言えるでしょう。

9. Donna Summer – Hot Stuff

Donna Summer – Hot Stuff – YouTube

Donna Summer(ドナ・サマー)のヒット曲ですが、いまだに耳にする機会も多いこのイントロ。しかしこの曲がリリースされたのは1979年で、40年以上前なんです。イントロのためだけのメロディがあるのも神イントロならでは。

10. Europe – The Final Countdown

Europe – The Final Countdown – YouTube

最後はEurope(ヨーロッパ)の代表曲。先ほども書いた「イントロのためだけのメロディ」が神イントロの特徴のひとつと言えます。しかもこの曲、キーボードのリフをもとに曲作りを行ったことでも知られています。イントロありきで曲作りするなんて今の傾向を見るとあまり行われていないかもしれません。

まとめ

神イントロは正直何千曲も、何万曲もありますので、これだけではもちろん絞り切れないのですが、サンプリングによって過去の名曲イントロを再構築してヒットさせたり、ストリーミングが何年も前から主流になっていた海外は一周回ってシティ・ポップブームなどから再び作り込むアーティストも増えているように感じます。

傾向としてヒット曲のイントロはおよそ10秒程度に収められているものが多いのですが、そんな中でしっかりとしたイントロがあるザ・ウィークエンド、またロック復活の兆しなども考えるとイントロを聴かないのは単なる時代の流れのひとつであって、洋楽に限っては違った傾向が今後数年で出てくるかもしれません。

改めて「この曲のイントロ聴いたことないかも」と思う曲があれば是非聴いてみてほしいですし、この記事をきっかけに「これも神イントロだろ!」と思う洋楽があれば是非SNSで発信して頂けると嬉しいです。

以上、有名すぎるおすすめ洋楽神イントロ20選でした。

WRITER

酒井裕紀

洋楽まっぷ管理者。米・英の音楽チャートなどのデータを好み、70年代から最新の洋楽までヒット曲なら幅広い知識を持つ。時代毎の良さがある洋楽の魅力を少しでもわかりやすくご紹介できればと思います。

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