グラミー賞を受賞したミュージック・ビデオのおすすめ8選を魅力を掘り下げながらご紹介

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洋楽コラム

ついに日本時間で来週4月4日(月)早朝より開催される第64回グラミー賞。

主要部門以外にも注目すべき賞はたくさんありますが、今回は「Best Music Video(最優秀ミュージック・ビデオ賞)」に焦点を当て、特におすすめのミュージック・ビデオをご紹介していこうと思います。

最優秀ミュージック・ビデオ賞は1958年に設立され、当初は「Gramophone Awards(グラモフォン賞)」と呼ばれおり、数度の変更を経て現在の形に。

アルバムの販売やチャートの位置に関係なく、録音業界における芸術的業績、技術的熟練度、および全体的な卓越性を称えるために出演者、監督、プロデューサーに贈られます。

グラミー賞を受賞したミュージック・ビデオのおすすめ8選+2

Duran Duran - Girls On Film / Hungry Like the Wolf

Duran Duran(デュラン・デュラン)は最優秀短編ミュージック・ビデオ賞を初めて受賞したバンドとなりますが、この際に1981年の曲「Girls On Film」、1982年の曲「Hungry Like the Wolf」が2曲同時受賞という異例な結果となりました。

YouTubeDuran Duran - Girls On Film - YouTube

YouTubeDuran Duran - Hungry like the Wolf - YouTube

「Girls On Film」の監督を務めたのはSteven Bernstein(スティーブン・バーンスタイン)バンドは、ボクシングのリングに似たモデルのキャットウォークの後ろの高いステージで演奏する構成になっています。

「Hungry like the Wolf」の監督を務めたのはRussell Mulcahy(ラッセル・マルケイ)。バンドはジャングルとエキゾチックな女性のビジョンを持っており、ラッセルはスリランカでの撮影を提案。EMIレコードは20万ドルの費用を用意し、バンドは当時行っていたツアーの合間にスリランカへ移動して撮影されたそうです。

ただ残念ながら当時のルールか、監督に賞は送られずあくまでデュラン・デュランが受賞した形となりました。

2曲同時受賞という異例な結果となったポイントとしては、この2曲が同時リリースとなった点にあるかもしれません。今のようにYouTubeで公開するというスタイルではなく当時はMTVでリリースされるのが主流でした。

2曲同時受賞となったのはこの1度きりなのでもっと知られていてもいいと思うんですが、この年のグラミー賞は第26回。Michael Jackson(マイケル・ジャクソン)が8部門を受賞するという快挙に世間の目は向けられました。

USA for Africa - We Are the World

YouTubeUSA for Africa - We Are the World - YouTube

「We Are the World」は1986年、第28回グラミー賞で受賞。

これはもう文句なしと言える歴史的財産と言ってもいいくらいのミュージック・ビデオだと思います。

撮影監督としてTom Trbovich(トム・トルヴィチ)、プロデューサーとしてQuincy Jones(クインシー・ジョーンズ)も受賞。パフォーマー以外が初めて受賞したケースとなりました。

Peter Gabriel - Digging In The Dirt / Steam

YouTubePeter Gabriel - Digging In The Dirt - YouTube

「Digging In The Dirt」は1993年、第35回グラミー賞で受賞。

ストップモーションアニメーションを利用したため制作にはかなりの時間を費やしたそうです。監督はJohn Downer(ジョン・ダウナー)。

Peter Gabriel(ピーター・ガブリエル)は翌年も「Steam」で受賞しており、2年連続受賞となった唯一のアーティストになっています。

YouTubePeter Gabriel - Steam - YouTube

サムネのインパクトがすごいですが、Stephen R. Johnson(スティーブン・R・ジョンソン)が監督を務めたこの作品はできるだけ多くのものを詰め込みたかったようで、結果的にこういったスタイルがミュージック・ビデオのひとつの醍醐味となっていっているようにも思います。

Michael Jackson, Janet Jackson - Scream

YouTubeMichael Jackson, Janet Jackson - Scream - YouTube

Michael Jackson(マイケル・ジャクソン)とJanet Jackson(ジャネット・ジャクソン)の兄弟コラボ。

700万ドルかけて制作され、ミュージック・ビデオにかけた最も高い予算として当時のギネス世界記録となっていました。

※当時円高がひどかったのでに日本円に換算するとおそらく5億6000万円程度だと思いますがそれでもすごいですね。

撮影監督としてMark Romanek(マーク・ロマネク)、プロデューサーとしてCeán Chaffin(セアン・チャフィン)も受賞しています。

Eminem - Without Me

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「Without Me」は2003年、第45回グラミー賞で受賞。

コミック全般のパロディーが話題となりこちらも文句なしの受賞。世界的人気となった要因のひとつにこのビデオは欠かせないでしょうね。

Lady Gaga - Bad Romance

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「Bad Romance」は2011年、第53回グラミー賞で受賞。

Francis Lawrence(フランシス・ローレンス)が監督を務めたビデオは予算の都合もあり、とにかくアイデアで勝負した作品になっています。

フランシス・ローレンスは1990年代から多くのミュージック・ビデオを手がけていますが、グラミー賞を受賞したのは今作のみ。そしてこの後映画「ハンガーゲーム」シリーズが大当たりしています。

Taylor Swift - Bad Blood ft. Kendrick Lamar

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「Bad Blood」は2016年、第58回グラミー賞で受賞。

もはや映画。それぞれに役名も用意され、Selena Gomez(セレーナ・ゴメス)やGigi Hadid(ジジ・ハディット)など多くの著名人が出演しました。

架空のロンドンを舞台としていますが撮影はロサンゼルスで行われ、監督にはJoseph Kahn(ジョセフ・カーン)、テイラー・スウィフト自らプロデュースを務めています。

Childish Gambino - This Is America

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「This Is America」は2019年、第61回グラミー賞で受賞。

日系アメリカ人のHiro Murai(ヒロ・ムライ)が監督を務め、実際の事件からインスパイアされた暴力的な描写も多い作品ですが間違いなく後世に残すべき作品のひとつだと言えるビデオです。

ヒロ・ムライ氏、受賞会見で「日本語でコメントを」と求められ断ったシーンも印象的でした。

第64回グラミー賞ノミネートは?

第64回グラミー賞でノミネートされている作品がこちら。

・Shot In The Dark / AC/DC / David Mallet, video director; Dione Orrom, video producer
・Freedom / Jon Batiste / Alan Ferguson, video director; Alex P. Willson, video producer
・I Get A Kick Out Of You / Tony Bennett & Lady Gaga / Jennifer Lebeau, video director; Danny Bennett, Bobby Campbell & Jennifer Lebeau, video producers
・Peaches / Justin Bieber Featuring Daniel Caesar & Giveon / Collin Tilley, video director
・Happier Than Ever / Billie Eilish / Billie Eilish, video director; Michelle An, Chelsea Dodson & David Moore, video producers
・Montero (Call Me By Your Name) / Lil Nas X / Lil Nas X & Tanu Muino, video directors; Frank Borin, Ivanna Borin, Marco De Molina & Saul Levitz, video producers
・Good 4 U / Olivia Rodrigo / Petra Collins, video director; Christiana Divona, Marissa Ramirez & Tiffany Suh, video producers

果たして誰が受賞するか、注目です。

ここまでグラミー賞を受賞したミュージック・ビデオのおすすめ8選を魅力を掘り下げながらご紹介してきましたが、結局のところ曲にあったメッセージ性の高さがいいビデオとなりやすい傾向を感じました。

そこには予算は関係なく、少ない予算でもアイデア次第でいいビデオになりますし、一方でエンターテイナーとしての責任から高い予算でハイクオリティな内容に仕上げるというのもひとつの手段ですよね。

改めて制作意図などを考えながら見直してみるのもおもしろいかもしれません。

すべての受賞者一覧を確認したい場合はウィキペディアを参考にしてみてください。
Grammy Award for Best Music Video

以上、グラミー賞を受賞したミュージック・ビデオのおすすめ8選でした。

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WRITER

酒井裕紀

洋楽まっぷ管理者。米・英の音楽チャートなどのデータを好み、70年代から最新の洋楽までヒット曲なら幅広い知識を持つ。時代毎の良さがある洋楽の魅力を少しでもわかりやすくご紹介できればと思います。