星の数ほどある洋楽アーティストの楽曲の中でも、まだまだ知られていない“エモい曲”というものが多数存在します。
このシリーズでは、そんなエモい洋楽を一曲ずつ紹介していこうと思います。
もし気になる曲やアーティストがいたら、ぜひプレイリストなどの参考にしてみてください。
わずか2枚のアルバムで姿を消したフレンチポップアーティストStromae(ストロマエ)の『Papaoutai(パパウテ)』
今回紹介するエモい洋楽はStromae(ストロマエ)の『Papaoutai(パパウテ)』です。
ストロマエはルワンダ人の父とベルギー人の母をルーツに持つベルギー生まれのシンガー・ソングライター。
あまり馴染みのない表記の「ストロマエ」という名前は西洋クラシック音楽やオペラの指揮者、音楽監督、作曲家、師匠の敬称として使われる言葉「マエストロ」をもじった造語のようです。
また、彼はそういったこだわりが強いのか、このPapaoutaiもフランス語の“Papa où t'es(パパどこにいるの)”という言葉から作られたものらしいです。
『Papaoutai(パパウテ)』のここがエモい。
Stromae - Papaoutai (Live) - YouTube
そんな彼のセンスが爆発しているのがこの『Papaoutai(パパウテ)』という楽曲なのですが、この曲のエモさはずばり、
“リズミカルな4つ打ちで、ひたすら「パパウテ(お父さんどこなの!?)」と繰り返される悲壮感漂うメロディアスなサビ”にあると思います。
このダンサブルなビートと内容のシリアスさの絶妙なバランスが中毒性をもたらしています。
また、MVを見てもらうとわかるのですが、この曲は「父親が仕事ばかりで家に帰ってこないという家庭」を表現した作品のようです。
息子が人形になった父親(ストロマエ)に向かって様々な表現をし葛藤する姿が、非常に心を揺さぶります。
実は、これはストロマエ自身が父を亡くした体験談でもあります。その際限のない悲しみをドラマティックなヒップホップで作り上げるというところに、彼の類稀なるセンスとエモさがあると思います。
様々な社会問題にもポップな楽曲で切り込んでいく彼のスタイルにこれからも注目が集まります。