フュージョンの歴史/誕生から流行~年代別の洋楽フュージョンバンドまで【後編】

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洋楽コラム

フュージョンの歴史/誕生から流行~年代別の洋楽フュージョンバンドまで【後編】です。

前編はこちらからご覧ください。

1960年代、伝統楽器を使用した演奏の印象が強かったジャズに電子オルガンやエレキギターが加わりエレクトリックジャズと呼ばれるようになりました。その後、ラテンやロックと融合しクロスオーバーが生まれ、商業化の波とともにフュージョンが誕生しました。この記事では1970年代後半から現代までのフュージョンの歴史を追っていきます。

フュージョンの歴史/誕生から流行~年代別の洋楽フュージョンバンドまで

1970年代後半【フュージョンの確立】

商業化の波とともに成長したフュージョンは、有名ミュージシャンが次々とデビューしました。1978年にはチャック・マンジョーネの代表曲「フィール・ソー・グッド」が全米ヒットチャートの5位に入るなどジャズとしては異例のヒットとなり、この記録は現在も破られていません。

1980年代【モダンジャズ派と対立】

Jeff Beck – Led Boots (Jeff Beck: Performing This Week…Live at Ronnie Scott’s) – YouTube

マニアが聴く印象だったジャズを商業化することによって聴き手の多いジャンルへとのし上がったフュージョンは、従来のジャズファンの一部から反感を買います。CMやドラマなどに使いやすくするためソロパートが減り、メロディラインが主体となったことにより以前のジャズのブームだった「フリージャズ的なソロパートが多く前衛的な演奏」の流派と真っ向から対立しました。

フュージョンの中でも技巧派のミュージシャンは存在し、ギタリストのジェフ・ベックはフュージョンらしい聴きやすいメロディラインとロックのようなテクニカルなギターソロを両立し、どちらの流派からも人気がありました。

1990年代【スムーズジャズの出現】

Harry Connick Jr. – Just the Way You Are – YouTube

モダンジャズと別の派生の進化を遂げたフュージョンですが、1990年代初期からは更に聴きやすさを追求したスムーズジャズが生まれました。曲調はややゆったりしたテンポと控えめなソロパート、繰り返されるメロディラインが特徴となっており、会話を邪魔をしないのでBGMとしての適性が高く、CMやラジオなどで多く起用されています。

2000年代~【フュージョンとスムーズジャズの同一化】

Najee – Just To Fall In Love (ft. Phil Perry) – YouTube

「聴きやすいジャズ」という共通点もあり、フュージョンとスムーズジャズはほぼ同じ音楽として分類されるようになりました。また2000年代に入り、技巧的なソロパートが入る「テクニカルフュージョン」と呼ばれる新しいジャンルのフュージョンが生まれ、スムーズジャズとの差別化に成功しています。

まとめ

1970年代から現在までのフュージョンの歴史を紹介させていただきました。現在もジャズと他の音楽性を融合する試みは行われており、ヒップホップやラップを取り入れたジャズなど様々な方向性のジャズが生まれています。この機会にお気に入りのジャズを探してみてはいかがでしょうか。

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WRITER

神田川響

ライターの神田川です。バリ島まで本場のケチャを観に行きたい。

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