2021年5月、欧州国別対抗歌謡祭「ユーロビジョン」にて栄えある優勝を果たしたイタリアの若手バンド「Måneskin(マネスキン)」
ボーカルのダミアーノ・ダビットはトロフィーを掲げながらこう言いました。
「ロックは死なないということを世界全体に伝えたい」と
そして圧巻のパフォーマンスで「ZITTI E BUONI」を熱唱したのです。
世界を席巻するカリスマロックバンドになるであろう彼等の軌跡を解説していきます。
Måneskinのユーロビジョン優勝にあるストーリー性
彼らがユーロビジョンで優勝を勝ち取ったことは多くのメディアで取り上げられ、注目度も一気に増しました。
それもそのはず。本大会でロックバンドが優勝するのは2006年以来15年ぶりという快挙だったのです。
ちなみにユーロビジョンは「各国の審査特典」+「視聴者投票」で順位が決まります。
マネスキンは審査特典で上位をキープしつつ、視聴者投票で圧倒的な支持を得て優勝を果たしました。
この「市民の支持を得てパワーを付けていく」という構図も実にロックバンドぽく痺れます。
上記のようなストーリー性もあって彼らの注目度は高まっていったのです。
ユーロビジョンで優勝できた理由に迫る。Måneskinにしかない魅力とは
前提として楽曲が素晴らしいからユーロビジョンで優勝ができます。
しかしながら、マネスキンの魅力はパワフルなライブパフォーマンスに詰め込まれていると言っても過言ではありません。
見ているだけで身体が熱を帯びてきそうです。
メタリックなギターリフとゴリゴリのベース。そこに単調ながらもパワフルで乗りやすいビートのドラム…
なんと言っても、ボーカルであるダミアーノの圧倒的存在感!
映像を見るだけで「ロックバンドに必要な要素」が全て入っていることが分かります。
昨今の音楽シーンは、複雑に要素が絡んだ曲が流行っていました。
そんな時代において、ここまで純度の高いロックンロールを生み出せたからこそ大衆の心を鷲掴みに出来たです。
ユーロビジョンで優勝を果たしたMåneskinが見せるこれからのギターロック
マネスキンの楽曲はクラシックなロックスタイルと言われる事が多いです。
確かに80年代ごろに流行ったロックサウンドを踏襲しているように聞こえますが、それだけならここまで評価はされません。
・Måneskin - I WANNA BE YOUR SLAVE
この曲はラップ調のボーカルとロックサウンドを組み合わせており、新しいものと古き良きものを融合させています。
最初は独特な曲に聞こえますが、ドラムがシンプルなリズムなのでノリやすいのも大きなポイントです。
・Måneskin - VENT'ANNI
激しめの曲だけかと思いきや、こんなに甘美なロックバラードを奏でることも出来てしまうんです。
オーケストラやシンセの音を混ぜないことで、壮大になり過ぎずミニマムな世界観を保っています。
音楽シーンでは、昔っぽい曲が流行る現象がしばしば起こります。
マネスキンの場合は「レトロで耳馴染みがいい」・「現代の流行り」・「圧倒的表現力」
という要素があるからこそ評価されているのです。
これからのMåneskin
アルバム『Teatro D’Ira Vol. I』を聞くと、マネスキンのロックは完成しきったものに感じます。
それほど隙がないロックアルバムの傑作になっているのです。
しかし声高々に「ロックは死なない」と叫んだ彼等です。
きっと、いや必ずロックの進化を我々に見せてくれることでしょう。