【洋楽】ストック・エイトキン・ウォーターマンの人気曲おすすめ5選!次代を担った名プロデュース・チーム誕生までの歴史

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洋楽コラム

【洋楽】ストック・エイトキン・ウォーターマンの人気曲おすすめ5選!次代を担った名プロデュース・チーム誕生までの歴史
IMAGE VIA:Mike Stock Looks Back on 36 Years of Stock-Aitken-Waterman Smashes - Billboard

80年代後半から90年代にかけてヒットを連発したイギリスのプロデューサー・チームStock Aitken Waterman(ストック・エイトキン・ウォーターマン)。

史上最も成功した作詞作曲およびプロデュース・パートナーシップの一組と見なされており、全英チャートにおいては100曲以上のトップ40ヒットを世に送り出し、4,000万枚ものレコードを売上を生み出してきました。

前回、編集部厳選!80年代をただただ懐かしむ洋楽11選PART2~今すぐ聴きたくなる洋楽ヒット曲をセレクト似て取り上げた楽曲がストック・エイトキン・ウォーターマン作品だったこともあり、今回はストック・エイトキン・ウォーターマン誕生までの歴史を改めて深掘りし、歴代ヒット曲として人気曲おすすめ5選をご紹介していきたいと思います。

ストック・エイトキン・ウォーターマン誕生までの歴史

ストック・エイトキン・ウォーターマンはMike Stock(マイク・ストック)、Matt Aitken(マット・エイトケン)、Pete Waterman(ピート・ウォーターマン)からなるプロデューサー・チームで、SAWとの略称で呼ばれています。

マイク・ストックは独学でピアノとギターを覚え、7歳の時から曲作りを始めていたそうで、The Beatles(ビートルズ)の影響もあってポップ・ミュージックに夢中になり13歳の時にはバンドを結成していました。ソングライターとしての評判を得たマイクは19歳で出版社と契約。大学へ進学するも音楽制作に集中するために中退。当時はミュージシャンを目指すも後に映画監督として90年代にヒット作を多数生み出したAnthony Minghella(アンソニー・ミンゲラ)とバンドを結成し、70年代後半から80年代前半にかけては主にライヴ活動に明け暮れていました。

そこで当時ギタリストとして他のバンドで活動していたマット・エイトケンの存在を知ったマイクは、連絡を取りバンドに参加してもらうことになります。マットはいくつかのバンドを渡り歩いていたようで、クルーズ船で働きながらギタリストとしての活動を行っていたため、あらゆるタイプの音楽に適応できる熟練したギタリストとなっていました。

1982年、マイクは南ロンドンのアビー・ウッドに移り、そこでマットと共にレコーディング・デスクとテープ・マシンを手に入れ、最初のレコード・レーベルを結成。翌年マイクはバンドを脱退し、ソングライターおよびプロデューサーとしてのキャリアを追求することを決意。2人はレコーディング・スタジオだけで働くようになります。

一方でピーター・アラン・ウォーターマンもビートルズに影響を受けており、DJとして活動していましたが、収入を補うために英国鉄道で働いたり、炭鉱夫になったり、墓掘り人になったりといくつかの職を経験していました。希少な米国からの輸入品を通じてレコード・コレクションを構築し、彼のDJの仕事は彼を英国中へと連れて行き始め、彼が調達したリズム・アンド・ブルースとソウル・ミュージックの曲をブレンドしてより多くの観衆を楽しませました。

この経験からプロデューサーとしての技術も構築していき、1975年にはジャマイカのレゲエ・シンガー、Susan Cadogan(スーザン・カドガン)の「Hurts So Good」をプロデュース。1984年に自身の会社PWL(ピーター・ウォーターマン・リミテッド)を設立します。同じタイミングでマイクとマットはピーターとの打ち合わせを打診するために連絡をとります。2人は彼らが書いてプロデュースした曲を持って現れ、それを聴いたピーターは感銘を受け、2人との提携を申し出ました。ストック・エイトキン・ウォーターマンの誕生です。

ストック・エイトキン・ウォーターマンがプロデュースした人気曲おすすめ5選

Dead Or Alive - You Spin Me Round (Like a Record)

YouTubeDead Or Alive - You Spin Me Round (Like a Record) - YouTube

Dead Or Alive(デッド・オア・アライヴ)はリヴァプール出身のポップ・バンド。ストック・エイトキン・ウォーターマンがプロデュースしたアルバム『Youthquake』からのリードシングルとして1985年にリリースされると全英シングルチャートで1位を獲得。バンドにとってもストック・エイトキン・ウォーターマンにとっても初の首位作品となり、全米ビルボードにおいても11位と初のチャート入りを果たしました。

楽曲自体はPete Burns(ピート・バーンズ)が中心となってバンドが書いたものですが、ピート曰く「レコード会社はバンドがプロデューサーなしでスタジオに入ることを信頼していなかった」そう。大ヒットの裏ではミックスに対するバンドとストック・エイトキン・ウォーターマン側の意見がかみ合わなかったようで、レコーディング時の緊張した空気について後に語られています。

Kylie Minogue - I Should Be So Lucky

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プロデュースだけではなく楽曲制作もストック・エイトキン・ウォーターマンが担当したKylie Minogue(カイリー・ミノーグ)初期の代表曲のひとつ。日本でもオリコン洋楽チャートで12週連続1位を記録しており、多くの人もカバーしているためかなり知名度の高い曲です。

レコーディングのためにオーストラリアからロンドンにやってきたカイリー・ミノーグでしたが、カイリー・ミノーグがやってくるということを忘れてたチームは慌てて楽曲制作したそうで、レコーディング・スタジオの外で待っている間にわずか40分で書かれたそうです。さらにレコーディング後、そんなに忙しかったのかチームはまた忘れて棚上げしてしまったそうで、カイリー・ミノーグのマネージャーに煽られてミックスを完成させたそうです。

マイクは後に海外メディアの取材に対して、オーストラリアに向かってカイリー・ミノーグとマネージャーに何度も謝罪したことをあかしています。チームはよっぽど忙しかったのか、ヒットしていた事実すら当時把握していなかったそうです。

実際この曲がリリースされた1987年は、全英チャートで「I Should Be So Lucky」が4曲目の1位を獲得するなどプロデューサーとしての地位も格段に上がってはいるものの、チャート入りしない曲も多くリリースしているためかなり多忙だったことがわかります。

Kylie Minogue & Jason Donovan - Especially For You

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Kylie Minogue(カイリー・ミノーグ)とJason Donovan(ジェイソン・ドノヴァン)のデュエット・ソング。同じレーベルに所属していたこともあり、プロデュースだけではなく楽曲制作もストック・エイトキン・ウォーターマンが担当。ジェイソン・ドノヴァンのアルバムのために用意され、1988年にリリースされました。

当時カイリー・ミノーグとジェイソン・ドノヴァンはオーストラリアのドラマ『ネイバーズ』でカップルを演じていたこともあり、デュエット曲が発売されるのでは?との憶測が広まったそう。その影響があまりにも大きかったことで急遽制作されたそうです。

全英チャートでは1位を獲得しただけでなく、年間チャートで4位にランクインするほどのヒットとなりました。

Bananarama - Venus

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Bananarama(バナナラマ)が1986年にリリースしたシングルで、オランダ出身のロックバンドShocking Blue(ショッキング・ブルー)のカバー。全英チャートでは最高8位となりましたが、全米ビルボードホット100でチームにとって初の1位を獲得した曲。

この曲をダンス・アレンジでカバーしたいというバナナラマの提案が当時のプロデューサーから反対されたことで、ストック・エイトキン・ウォーターマンがプロデュースを担当することになりました。チームも当初は反対していたものの、バナナラマ側が「You Spin Me Round (Like a Record)」のようなサウンドを求めたことで、Hi-NRGスタイルに作り直され制作されました。

結果的に米国、オーストラリア、フィンランド、ニュージーランド、スイス、南アフリカで1位を獲得するという世界的ヒットとなりました。

Rick Astley - Never Gonna Give You Up

YouTubeRick Astley - Never Gonna Give You Up - YouTube

ストック・エイトキン・ウォーターマンのプロデュースで最大のヒットとなったのがRick Astley(リック・アストリー)が1987年にリリースしたこの曲。

25か国で1位を獲得し、全英シングルチャートではこの年の年間チャートで1位、全米ビルボードホット100では翌1988年の年間チャートで4位を記録。

その後チームからレコーディング・プロセスを学びながら、Lisa Fabien(リサ・ファビアン)とのデュエットでシングル「When You Gonna」をリリース。この曲はチーム以外のプロデューサーを迎えてリリースされましたが、その後アルバム制作にあたってチームが参加したことで、「Never Gonna Give You Up」が誕生します。

タイトルとコンセプトはリック・アストリーに彼女との話を聞いたピーターが提案し、マイクとマットが作詞作曲を行いました。曲はColonel Abrams(コーネル・エイブラムス)が1985年にリリースした楽曲「Trapped」のベースラインの影響を受けているとマイクが後に語っています。

マイクはさらにこの曲のヒットについて、なぜこれほどの反響を呼んだのか完全に理解するのに苦労したことを認めつつ、曲、歌手、そしてRCAレコードの国際的な影響力の組み合わせによるものだと示唆しています。

リック・アストリーは元々バンドでドラマーとして活動していましたが、メンバーが脱退したことで解体してしまい、ボーカリストとなることを決めたタイミングでピーターが自身の会社で働くためにロンドンに来るように説得したことからRCAレコードとの契約に至っています。

ストック・エイトキン・ウォーターマンとHi-NRG

Hi-NRG(ハイエナジー)と呼ばれるジャンルはディスコ音楽に電子楽器を導入したユーロ・ディスコから派生し、1980年代半ばに登場したディスコやクラブで人気の高かったダンス・ミュージックのこと。

1980年代半ば、ダンス・チャートとポップ・チャートのHi-NRGプロデューサーには、ストック・エイトキン・ウォーターマンとIan Levine(イアン・レヴィン)が大きな影響を与えており、どちらも多くの異なるアーティストと仕事をしていました。

80年代と言えばこのサウンド、と言えるジャンルのひとつとして確立されたのは間違いなくストック・エイトキン・ウォーターマンの影響は大きいと言えます。

ストック・エイトキン・ウォーターマンの現在

1990年代に入るとプロデュース作品がトップ10入りすることが少なくなったこともあり、マットはストレスのためにチームを去り、1993年後半にマイクとピーターのパートナーシップは終了します。以後は一時的に集まるも基本的にはそれぞれで活動しています。

近年では、マイクは2020年のThe Fizz(ザ・フィズ)のアルバム『Smoke & Mirrors』をプロデュースし、セールス・チャートでトップ10入り。最近での最大の成果を作りました。マットは2002年に引退。ピーターは2019年に放送されたXファクターの特番『Xファクター:セレブリティ』に出演。歴史的および商業的な鉄道機関車と車両の重要なコレクションの所有者としても知られるピーターは鉄道模型の制作を行っており、メディアでも取り上げられています。

今回は80年代後半から90年代にかけてヒットを連発したイギリスのプロデューサー・チーム、Stock Aitken Waterman(ストック・エイトキン・ウォーターマン)の歴史やヒット曲などをご紹介してきました。

思わず「懐かしい」と感じてしまう曲のいくつかは同じチームによって作られていたというのも、ストック・エイトキン・ウォーターマンの曲が好きな方にとっては既にご存じなことも多いかもしれませんが、リアルタイムでその時代を過ごしていない人たちにとっては新たな発見かもしれません。

以上、「ストック・エイトキン・ウォーターマンの人気曲おすすめ5選!次代を担った名プロデュース・チーム誕生までの歴史」でした。

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WRITER

酒井裕紀

洋楽まっぷ管理者。米・英の音楽チャートなどのデータを好み、70年代から最新の洋楽までヒット曲なら幅広い知識を持つ。時代毎の良さがある洋楽の魅力を少しでもわかりやすくご紹介できればと思います。

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