セクシーなファッションに、左右非対称のエッジーなヘア・スタイル…個性強めのみた目とはウラハラに、ながく地道な下積み期間をへてブレイクした歌姫、Ava Max(エイバ・マックス)。そんな彼女が世界に伝えたいメッセージとは?
Sweet but Psycho(スウィート・バット・サイコ)で大ブレイク
エイバ・マックスが大ブレイクしたのは、2019年。3枚目のシングル「スウィート・バット・サイコ」が、アメリカやヨーロッパをはじめとする22カ国のヒットチャートで1位を獲得し、彼女は一気に旬のアーティストとなります。この曲のタイトルは、両親が彼女に「あなたはいい子(Sweet)だけどちょっとクレイジー(Psycho)よね」といったことにインスピレーションをうけてつけられたそう。
“スイート”だけど“サイコ”というような「双対性」は、エイバの作品の“核”といってもよいテーマ。彼女の曲には、「My Head & My Heart (マイ・ヘッド・アンド・マイ・ハート:私の頭と心)」や「Kings & Queens(キングス・アンド・クイーンズ:王と女王)」などタイトルだけどみても、「対(つい)」になるコンセプトがたくさん。
Ava Max - My Head & My Heart - YouTube
「マイ・ヘッド・アンド・マイ・ハート」のMV
Ava Max - Kings & Queens - YouTube
「キングス・アンド・クイーンズ」のMV
彼女のトレードマークの「マックスカット」とよばれるアシンメトリーなヘアスタイルも、この「双対性」を表しているのかもしれません。
貧困やいじめを生きぬいた歌姫
1994年アメリカのウィスコンシン州生まれのエイバ・マックス。もともとアルバニア人だった彼女の父はピアニスト、母はオペラ歌手でした。ところが1991年の東欧革命をきっかけに、ふたりはアメリカへの亡命を余儀なくされます。英語をしゃべれないながらもそれぞれ3つの仕事をかけ持ちし、エイバと彼女を兄を育てた両親。エイバにとっても幼いころの生活は楽ではなかったでしょう。
そんなエイバは14歳のとき音楽で食べていこうとロサンゼルスに進出するも、業界人にまったく相手にされず、あえなく退散。その後、サウスカロライナ州に移住し高校生活をはじめると今度はいじめのターゲットになるという、なかなか大変な10代を過ごしたのです。
でもそんな経験が、彼女がつくる楽曲のインスピレーションになっていることは間違いありません。シングル、「Who’s Laughing Now (フーズ・ラフィング・ナウ)」では、自分を逆境においこんだ人々へ、彼女の現在の成功をみせつけるリベンジソングを書いたエイバ。
Ava Max - Who's Laughing Now - YouTube
「フーズ・ラフィング・ナウ」のMV
また「So Am I(ソー・アム・アイ)」では、周りになじめない孤独な女の子の気持ちを歌い、若者の共感を得ています。
「ソー・アム・アイ」のMV
17歳のとき再度ハリウッドに殴り込みをかけ、その後地道な下積みをへて大ブレイクしたエイバ・マックス。そんな彼女がつくる曲たちには、いつも「強さ」と「優しさ」という双対性があるような気がするのは私だけでしょうか。
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