2018年にリリースしたデビュー曲、「Old Town Road（オールド・タウン・ロード）」で、グラミー賞を含むミュージックアワードを総ナメにしたLil Nas X（リル・ナズ・X）。2021年になってさらに加速する、彼の凄まじい活躍ぶりをご紹介します。
SNSのバズからグラミー賞をとったオトコ
10代のころは「インターネット・パーソナリティ」として、インスタやツイッターなどのSNSで、複数のアカウントを運営していたリル・ナズ・X。SNSで「ミーム」とよばれる、“バズりやすい（拡散されやすい）”コンテンツを大量につくっていたようです。
そのうち、成功するためにには音楽をやったほうがいいと考えるようになった彼。2018年のはじめごろに、自宅のクローゼットで曲を書き始めます。そして、その年の終わりにリリースしたのが「オールド・タウン・ロード」。「カントリーソング」と「ヒップホップ」というまったく異なるジャンルの持ち味を融合させたキャッチーな音は、Z世代（1990年代後半から2010年代にかけて生まれた、デジタルネイティブ世代）の彼だからこそ作り出せたのかもしれません。
Lil Nas X – Old Town Road ft. Billy Ray Cyrus – YouTube
「オールド・タウン・ロード」のMV
もともとSNSでバズを生み出すのが得意だった彼。SNSで「#YeehowChallenge（イーハウ・チャレンジ）」とのハッシュタグをつけて、この曲を発表しバズを狙います。読みは的中し、TikTokでは、この曲をバックにカウボーイの格好で踊る人たちが続出。これが「オールド・タウン・ロード」の大ヒットのきっかけとなるのです。
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ゲイをカミングアウトして話題に
さらに2019年、リル・ナズ・Xはゲイであることをカミングアウト。いまだに「同性愛嫌悪」が根強いヒップホップ界で、有名になりたてのアーティストがカミングアウトした、ということで非常に話題になります。
しかし結果的に、このカミングアウトが彼をアーティストとしてワンランク上に押し上げることに。その後にリリースした「Montero（Call Me By My Name）（モンテロ（コール・ミー・バイ・マイ・ネーム））」は、ビルボード100で一位に。聖書やギリシャ神話からインスピレーションをうけたMVは、MTV・ビデオ・ミュージック・アワードを受賞します。
Lil Nas X – MONTERO (Call Me By Your Name) – YouTube
「モンテロ（コール・ミー・バイ・マイ・ネーム）」のMV
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また「Industry Baby（インダストリー・ベイビー）」では、“同性愛”の罪で刑務所に入れられた彼が、脱獄するまでをコミカルに描いたMVが大ヒット。シャワー室でのセクシーな全裸ダンスが大変話題になりました。
Lil Nas X, Jack Harlow – INDUSTRY BABY – YouTube
「インダストリー・ベイビー」のMV
物議を醸すような作品をつぎつぎと生みだし、そのおかげで人気も知名度もうなぎのぼりとなったリル・ナズ・X 。一方「同性愛」を嫌悪するヘイターたちからの攻撃で、命の危険を感じることもあったんだとか。そんな激動の一年を経て、最近発売されたのが待望のファースト・アルバム「Montero（モンテロ）」。アルバムは「自分の子供のようなモノ」という意味をこめて自身の妊婦姿をSNSに投稿、またも話題をさらっていました。
話題になった「妊婦姿」
Lil Nas X – THATS WHAT I WANT – YouTube
同時に公開された「THATS WHAT I WANT（ザッツ・ワット・アイ・ワント）」のMVでは、男性同士の濃厚なカラミが…
どんな型にもハマらず、自分の可能性を無限にひろげていくリル・ナズ・X。これからも私たちのド肝をぬくような素晴らしい作品をつくってくれそうです！
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