【洋楽】名盤と呼ばれる歴史的アルバムの海外の評価は?メディア毎にレビューを比較

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洋楽コラム

名盤と呼ばれる歴史的アルバムはたくさんありますが、海外メディアがこぞって評価してるかと言われると決してそうではなく、メディアごとの評価には特徴があります。

今回は過去の名盤に対してどのような評価をしているのか、代表的な作品をピックアップしてご紹介いたします。

【洋楽】名盤と呼ばれる歴史的アルバムの海外の評価は?メディア毎に比較

The Beatles – Abbey Road

The Beatles - Abbey Road
出典:Amazon

The Beatles(ビートルズ)は1枚に絞るのが難しいほど名作が存在していますが、スタジオ・アルバムとしてセールスが最も高かったのが今作。全世界で3000万枚以上を売り上げています。

今作はアルバムのジャケットからレコーディングに使用されたスタジオなど音楽以外にも多くの人に知られている1枚だと言えます。

そして海外の評価はというと、調べる限り満点ばかり。ただご存じの方もいらっしゃると思いますがリリース当初はサウンド面での挑戦が最初から受け入れられたわけではなかったようです。

ただロバート・クリストガウは早くから評価しており、当時「誰もがアビー・ロードを軽視している」と述べていたようです。※筆者はこの時まだ生まれていないため調べた上での内容になります。

1979年刊行のレビュー誌The Rolling Stone Album Guide、1996年刊行のレビュー誌MusicHound Rockなど多くのレビュー誌で5つ星。

The Beatles – Here Comes The Sun (2019 Mix) – YouTube

The Beatles – Something (2019 Mix) – YouTube

The Clash – London Calling

The Clash - London Calling
出典:Amazon

The Clash(ザ・クラッシュ)の音楽に対する興味がパンク・ミュージックを超えて広がり、他のジャンルを探求することに熱心だったことで誕生した名盤。

1979年刊行のレビュー誌The Rolling Stone Album Guideや英国の作家兼起業家Colin Larkin(コリン・ラーキン)による1989年刊行の書籍、ポピュラー音楽百科事典で5つ星。

今作の特徴としては年月が経つにつれて評価が高くなっていったわけではなく、リリース当初から評判がかなり高かったようで、1980年にニューヨーク・タイムズに掲載された評論家John Rockwell(ジョン・ロックウェル)のレビューでは「これは、クラッシュの原初のエネルギーをすべて捉えたアルバムであり、それをガイ・スティーブンスによる素晴らしい制作作業と組み合わせ、バンドの前作ではほとんど示唆されなかった発明と創造性の深さを明らかにしている。」と評価するなど、プロデューサーのGuy Stevens(ガイ・スティーヴンス)を起用したことが今作が名盤となったきっかけのひとつになっていることを評価しています。

ほぼ満点と言える評価ばかりが並ぶ中、1995年刊行のスピン・オルタネイティヴ・レコードガイドでは10点満点のうち7点としています。ただこの書籍では『The Clash』を満点としているため、幅広い音楽スタイルを盛り込んだ今作に物足りなさを感じたのかもしれません。

The Clash – London Calling – YouTube

The Clash – Train in Vain (Stand by Me) (Live at the Lewisham Odeon, 1980) – YouTube

Marvin Gaye – What’s Going On

Marvin Gaye - What's Going On
出典:Amazon

Marvin Gaye(マーヴィン・ゲイ)の代表作にして、世界中で高い評価を得ている名盤中の名盤。今年の4月には50周年記念盤もリリースされています。

ローリングストーン誌が選ぶ歴代最高のアルバム500(Rolling Stone 500 Greatest Albums Of All Time)では1位となっており、警察の残虐行為、退役軍人、ヘロイン中毒と当時の世界情勢から自身の問題までを圧巻のサウンドにまとめた1枚として、アメリカ議会図書館は、2003年度の国立録音資料登録の一つとして本作を選出されています。

あらゆる面で完ぺきな評価を得ていると言えますが、クリスゴー・レコード・ガイドでは今作をBerry Gordy(ベリー・ゴーディ)の作品だとしており、音楽的にも「不明瞭」だとして「B+」という評価をしています。

またアメリカの新聞ザ・ヴィレッジ・ヴォイスにて、評論家のRobert Christgau(ロバート・クリストガウ)があまり感銘を受けなかったとして「B」と評価しています。

複雑ではありますがマーヴィン・ゲイが亡くなったことで評価が上がった部分があるのは否定できず、再評価されたことが名盤と呼ばれるきっかけとなっているかもしれません。

Marvin Gaye – What’s Going On – YouTube

Marvin Gaye – Mercy Mercy Me (The Ecology) – YouTube

Prince and the Revolution – Purple Rain

Prince and the Revolution - Purple Rain
出典:Amazon

サウンドトラック・アルバムとしては最も評価の高い名盤。音楽的な密度の高さが評価されており、80年代を代表する1枚と言えます。

こちらも満点評価が多い中、ザ・ヴィレッジ・ヴォイスが発行した1984年の全国のアメリカ人評論家の年次投票では2番目のベスト・アルバムに選ばれていますが、またまたロバート・クリストガウはあまり感銘を受けなかったとしています。

スピン・オルタネイティヴ・レコードガイドでは10点満点のうち9点で、エンターテインメント・ウィークリーではB評価。既に廃刊となっていますがアメリカの音楽雑誌Blenderでも5つ星中星4つの評価となっていました。

80年代という時代が求めたサウンドを体現したことがプリンスの音楽性にフィットしたことも評価につながっているようで、アメリカ議会図書館は、2019年度の国立録音資料登録の一つとして映画と共に選出しています。

Prince & The Revolution – When Doves Cry (Extended Version) – YouTube

Prince and The Revolution – Purple Rain (Live in Syracuse, March 30, 1985) – YouTube

まとめ

今回取り上げた4枚は洋楽好きなら誰もが知る名盤で過去にも取り上げた作品ではありますが、必ずしも全ての評論家が満点評価を出してるわけではないというのがわかります。

特にロバート・クリストガウは自身でもウェブサイト上で批評を行っており、確認してみるとAl Green(アル・グリーン)などに満点評価をつけていました。

最終的には好みの問題もあると思うので、総評ではない限りパーフェクトな評価を得ているわけではないということですね。

好評だったら第2弾としてまた調査してみたいと思います。

■参考記事
Abbey Road
London Calling
What’s Going On (Marvin Gaye album)
Purple Rain (album)

ロックのおすすめ名盤シリーズ
【洋楽】絶対に聞くべき歴史的ロックアルバムの名盤4選Part2
【洋楽】絶対に聞くべき歴史的ロックアルバムの名盤3選Part3
【洋楽】絶対に聞くべき歴史的ロックアルバムの名盤4選Part4

WRITER

酒井裕紀

洋楽まっぷ管理者。米・英の音楽チャートなどのデータを好み、70年代から最新の洋楽までヒット曲なら幅広い知識を持つ。時代毎の良さがある洋楽の魅力を少しでもわかりやすくご紹介できればと思います。

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