モーガン・ウォーレン『Dangerous: The Double Album』が全米アルバムチャートのトップ10の長寿記録を更新

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洋楽コラム

Morgan Wallen(モーガン・ウォーレン)が2021年1月にリリースした2枚目のスタジオ・アルバム『Dangerous: The Double Album(デンジャラス:ザ・ダブル・アルバム)』が全米アルバムチャート、ビルボード200のトップ10長寿記録を更新し、アーティストとしては最長記録を樹立しました。

Dangerous: The Double Album(デンジャラス:ザ・ダブル・アルバム)Dangerous: The Double Album(デンジャラス:ザ・ダブル・アルバム)

最新の9/17付のビルボードチャートでは2位にランクインしており、86週目のトップ10入りを果たしており、リリースから約1年8カ月にわたってトップ10に滞在するロングヒットとなっています。

これまでソロアーティストとしての歴代最長記録は2011年、Adele(アデル)の『21』が84週、グループを含むアーティストとしてはPeter, Paul and Mary(ピーター・ポール&マリー)の1962年のアルバム『Peter Paul and Mary』が85週を記録しており、これらの記録を抜いて単独最長記録を樹立したこととなります。

ビルボード200の歴史は1950年代にまでさかのぼり、当時のチャートではサウンドトラック・アルバムやブロードウェイ・キャストによるアルバムがロングヒットする傾向があり、これらすべてのアルバムを含めるとモーガン・ウォーレンの最長記録は8番目となります。

ビルボード200でトップ10に最も多く入ったアルバム

歴史と共に名称や集計方法は変わっていますが、現在はビルボード200として知られている全米アルバムチャート。

2022年9月17日付時点での上記10作品は以下の通りです。

1. 173週 Original Cast『My Fair Lady』(1956)
2. 109週 Soundtrack『The Sound of Music』(1965)
3. 106週 Soundtrack『West Side Story』(1962)
4. 105週 Original Cast『The Sound of Music』(1960)
5. 90週 Soundtrack『South Pacific』(1958)
6. 87週 Original Cast『Camelot』(1961)
7. 87週 Soundtrack『Oklahoma!』(1956)
8. 86週 Morgan Wallen『Dangerous: The Double Album』(2021)
9. 85週 Peter, Paul and Mary『Peter Paul and Mary』(1962)
10. 84週 Adele『21』(2011)
10. 84週 Bruce Springsteen『Born in the U.S.A.』(1984)

ご覧の通り誰もが知るミュージカル、映画のアルバムばかりが上位を占めており、特に『My Fair Lady』に至っては3年以上トップ10入りを果たしています。

現在はストリーミングなどの影響からロングヒットしやすい傾向もありますが、当時はそもそもリリースされるアルバムが少なかったということもあり、長寿記録の側面では多くの作品が並んでいます。

モーガン・ウォーレンがロングヒットできた理由とは?

モーガン・ウォーレンがロングヒットできた理由のひとつには「カントリー作品」であることが挙げられ、定期的な一定のセールスを上げやすい側面と、カントリー作品としては異例の安定したストリーミング数も記録していることでロングヒットし続けています。

そしてもう1点、特筆すべきは「全体的なユニット数の減少」も挙げられます。

『Dangerous: The Double Album』はトップ10に滞在している多くの期間でトップ5以内にランクインしており、最新のチャートでもこれだけロングヒットしていながら2位にランクアップするなど、一見強さを見せている作品に感じられますが、実際のところユニット数にはそこまで大きな変動はなく、単に他の作品のユニット数が減少しているためランクアップした、というのが現状。

つまり、ストリーミング数が強いアルバム、セールスだけが強いアルバムは継続してトップ10に滞在し続けるのは難しく、どちらも安定している『Dangerous: The Double Album』はロングヒットできていると考えられます。

『Dangerous: The Double Album』は2021年のビルボード年間アルバムチャートで1位、2021年のカントリーミュージック協会賞、アメリカン・ミュージック・アワードでは最優秀アルバム賞にノミネート、同年カントリー・ナウ・アワードのフェイヴァリット・アルバム賞、今年に入りアカデミー・オブ・カントリーミュージック・アワードで最優秀アルバム賞をそれぞれ受賞しています。

■『Dangerous: The Double Album』トラックリスト
[Disc 1]
1. Sand in My Boots
2. Wasted on You
3. Somebody’s Problem
4. More Surprised than Me
5. 865
6. Warning
7. Neon Eyes
8. Outlaw (ft. Ben Burgess)
9. Whiskey’d My Way
10. Wonderin’ ’bout the Wind
11. Your Bartender
12. Only Thing That’s Gone (ft. Chris Stapleton)
13. Cover Me Up
14. 7 Summers
15. More Than My Hometown
[Disc 2]
1. Still Goin’ Down
2. Rednecks, Red Letters, Red Dirt
3. Dangerous
4. Beer Don’t
5. Blame It on Me
6. Somethin’ Country
7. This Bar
8. Country A$$ Shit
9. Whatcha Think of Country Now
10. Me on Whiskey
11. Need a Boat
12. Silverado for Sale
13. Heartless (Wallen Album Mix)
14. Livin’ the Dream
15. Quittin’ Time
[Bonus and Target edition tracks]
16. This Side of a Dust Cloud
17. Bandaid on a Bullet Hole
[Bonus edition]
18. Sand in My Boots (The Dangerous Sessions)

参考情報:Morgan Wallen’s ‘Dangerous’ Breaks Top 10 Longevity Record on Billboard 200 Chart

WRITER

酒井裕紀

洋楽まっぷ管理者。米・英の音楽チャートなどのデータを好み、70年代から最新の洋楽までヒット曲なら幅広い知識を持つ。時代毎の良さがある洋楽の魅力を少しでもわかりやすくご紹介できればと思います。

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