その独特な存在感と世界観で、大人気アーティストとして確かなポジションを築いているHalsey(ホールジー)。そんな彼女の幼少期は、恵まれたものとはいえませんでした。今回は、その切なく悲しい幼少期に迫ります。
引っ越しをくりかえした幼少期
ヨーロッパ系アメリカ人の母と、アフリカ系アメリカ人の父をもつホールジー。そう、彼女はバイレイシャル(※1)として生まれました。ホールジーを妊娠したとき、両親はまだ大学生。その後大学を中退し、低賃金の仕事をかけ持ちしながらホールジーをふくむ三人の子供を育てる、という決断をします。
少しでも条件のいい仕事につくために、引っ越しをくりかえした両親。ホールジーは高校生のときにはすでに5回も転校していたそう。どこにいっても「場違いな子」としてその場になじめなかった彼女は、だんだんと自分の殻にとじこもるようになっていきます。
(※1)人種の異なる両親から産まれた人
いろいろ乗りこえて、母になったホールジーにも注目!
・ホールジーの新アルバムが8月27日に発売 ― 衝撃的なセミヌードのカバーで彼女が表現したかったコトとは…
人生に絶望し自殺を試みるも…
家では両親がお金のことでケンカばかり、学校では居場所がみつからず…。人生に絶望したホールジーは、17歳のときになんと自殺を図ってしまいます。結果、精神病院に17日間も入院することに。「自分がなにをしでかしたか、わかってなかったの」「子供病棟に入って、すごく怖かった。9歳で自殺を図った子と一緒の場所にいたのよ」と語ったホールジー。そして、その後彼女は「双極性障害」と診断されるのです。
病院をでて、“現実の世界にはもうなじめない”と感じた彼女は、まず頭をはんぶん剃りあげる、という大胆な行動にでます。そして逃げこんだのが、ネットの世界。彼女はタンブラー(※2)に、自作の詩や自分の考えを書き込みはじめたのです。自分のためだけにはじめた“創作活動”から、やがてホールジーは自身の音楽への情熱や才能を知ることに…それが「アーティストであるホールジー」誕生の瞬間だったのです。いまでは、メンタルヘルスについて赤裸々に語るアーティストのひとりとして、世間にインパクトをあたえている彼女。とくに「若者の声を代弁している」と評価されています。
(※2)SNSの一種
自身のメンタルヘルスや音楽業界との関わりについて赤裸々に歌った「Gasoline」の音源
つらい幼少期をのりこえて成功を手に入れた歌姫、ホールジー。これまでに経験した苦労、トラウマ、そして心の痛み…そのすべてが彼女の生み出す作品のインスピレーションになっていることは間違いありません。これからは心穏やかに、さらにすばらしい作品をつくり続けてほしいものです。
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