【2024年の洋楽振り返り】編集部が選ぶ2024年のおすすめ曲20選

BY

※本ページにはアフィリエイト広告(PR)が含まれます

洋楽コラム

洋楽まっぷ編集部が選ぶ2024年のおすすめ曲20選をそれぞれご紹介しながら、2024年の洋楽事情を振り返ってみたいと思います。

今年は昨年にも増して多くのアーティストがワールド・ツアーを行うようになり、日本でも来日公演が爆発的に増えた1年となりました。

2025年も既に多くのアーティストがツアー・スケジュールを組んでおり、今から楽しみでなりません。

2024年の洋楽振り返り

今年は大きく分けると「音楽市場のグローバル化」、「カントリー・ミュージック」、「コーチェラ」、「確執」、「再結成」とこの5つの視点が挙げられると思います。

この5つの視点から振り返っていきたいと思います。

洋楽という言葉で括り切れないほどのグローバル化

昨年も「洋楽という言葉で括り切れないほどのグローバル化」という形で取り上げましたが、今年もその傾向は強く出た1年になりました。

米ビルボードのグローバル200で注目を集めたのは、チリのアーティストFloyyMenor(フロイメノール)とCris MJ(クリスMJ)のコラボ曲「Gata Only」。30か国以上でトップ10入りを果たしています。

YouTubeFloyyMenor, Cris MJ - Gata Only - YouTube

韓国アーティストはTwice、Stray Kids、Ateezが全米アルバム・チャートのビルボード200で1位を獲得。トップ10入りだけで考えるともっと多くのアーティストがランクインしました。BTSのJiminも「Who」が大ヒット。Bruno Mars(ブルーノ・マーズ)とのコラボでROSÉ「APT.」も世界的に大ヒットしました。韓国アーティストがアメリカのアーティストとコラボするケースも今年は多かったように思います。

YouTubeROSÉ & Bruno Mars - APT. - YouTube

日本でも海外とのコラボレーションを行うアーティストが増えているように思うので、年々広がるグローバル化の波は来年も拡大し続けそうです。

カントリー・ミュージックの台頭

昨年も「カントリー・ミュージックの台頭」という形で取り上げましたが、今年は何と言ってもBeyoncé(ビヨンセ)やPost Malone(ポスト・マローン)がカントリー・アルバムをリリースしたのが大きかったと言えます。

ビヨンセは特に大きな話題となったことでいろいろな記録を作りましたが、当初カントリー・チャートにエントリーできるのかどうかでも話題になるほどでした。結果的にシングル「Texas Hold 'Em」は黒人カントリーアーティストやカントリーラジオ全般のリスナーを増やし、ウエスタンウェアやウエスタンカルチャーの人気を高め、ビルボード史上初めてカントリー・ソングで1位を獲得した黒人女性となりました。

他にもMorgan Wallen(モーガン・ウォーレン)やZach Bryan(ザック・ブライアン)などの人気も健在。2023年のビルボードホット100では31曲のカントリーソングがエントリーしましたが、今年は28曲と若干減少したものの約3割を占める結果となりました。ビヨンセとのコラボがきっかけで一気に知名度を上げたShaboozey(シャブージー)は「A Bar Song (Tipsy)」が歴代最多となる通算19週で全米1位を獲得しました。

コーチェラ

「コーチェラ」はカリフォルニア州インディオの砂漠地帯、コーアチェラ・バレーにて行なわれている野外音楽フェスティバルのこと。YouTubeでの配信も行っているため、毎年直接行くことができない人でも見ることのできるフェスとして人気があるんですが、今年は日本人アーティストも多く出演したことで例年以上に日本でも知られるようになったと思います。

そんな中、コーチェラでのパフォーマンスをきっかけにブレイクしたのがChappell Roan(チャペル・ローン)。話題になったことをきっかけに次々とテレビ出演を果たし、シングル「Good Luck, Babe!」やアルバム『The Rise and Fall of a Midwest Princess』が大ヒット。アルバムに収録された過去のシングルまでもがヒットする人気となりました。

またNo Doubt(ノー・ダウト)が約9年ぶりに再結成を果たしたこともトピックのひとつとなりました。Olivia Rodrigo(オリヴィア・ロドリゴ)がサプライズ・ゲストとして登場したことも話題となり、ノー・ダウトの今後は未定だと話していることからも伝説的なライヴとなりました。

確執

今年のトピックのひとつとして、Drake(ドレイク)とKendrick Lamar(ケンドリック・ラマー)によるヒップホップシーン全体を巻き込んだとも言えるビーフが注目を集めました。

発端となったのは3月にリリースされたFuture(フューチャー)とMetro Boomin(メトロ・ブーミン)の楽曲「Like That」にゲスト参加した際のケンドリック・ラマーのバース。ドレイクがJ. Cole(J.コール)と共に2023年に出した「First Person Shooter」でJ.コールがドレイク、ケンドリック・ラマーと共に「ビッグ3」と表現したことに対し、「Like That」でケンドリック・ラマーは自分だけがトップの座に就いていると主張しました。

J.コールは後に謝罪するも、ドレイクは「Push Ups」という曲でアンサーを返すと立て続けに「Taylor Made Freestyle」とリリース。ケンドリック・ラマーも「Euphoria」、「6:16 in LA」とリリースし、そのわずか数時間後、ドレイクが「Family Matters」をリリースするとケンドリック・ラマーも数時間後に「Meet the Grahams」をリリース。そしてトドメの1曲とも言える「Not Like Us」をそのわずか数時間後にリリースしました。このやり取りは「Like That」のリリースからわずか2カ月の間に行われており、ドレイクが自宅が襲撃される事件にまで発展しました。ドレイクは「The Heart Part 6」をリリースしていますが、「Not Like Us」が大ヒットしたことでその影は薄く、ドレイクはユニバーサルミュージックグループ(UMG)が「Not Like Us」の人気を人為的に膨らませるために違法な戦術を使用したと主張し、彼が名誉毀損であると主張している曲のリリースを止めることができなかったとして、ケンドリック・ラマーとユニバーサルミュージックグループ(UMG)に対して2つの訴訟を起こしました。

2人の確執の背景を掘り下げるともっと前からあったことではありますが、当初は好意的な関係でスタートしていたものの少しずつエスカレートしていったことで、今年の大きなトピックのひとつとなりました。

再結成

2024年を象徴する最後のトピックは「再結成」。

一番のビッグニュースはOasis(オアシス)の再結成だと思います。厳密には2025年の話ですが、ツアー発表はXでもコンスタントにトレンド入りとなっていました。

他にも先述したノー・ダウトやSlayer(スレイヤー)も再結成。昨年再結成を発表したCreed(クリード)も今年はツアーを開催。来年のスケジュールも発表されています。

また事実上の再結成ではないものの、米ソングライターの殿堂入りを果たしたR.E.M.が創設メンバー4人が再結集したり、解散はしていなかったものの実質再始動となったLinkin Park(リンキン・パーク)などが話題となりました。

2025年にはリンキン・パーク、オアシスが来日公演を発表していることもあり、どちらも注目されています。

それでは次に洋楽まっぷ編集部が選ぶ2024年のおすすめ曲を20曲ご紹介いたします。

ヒット曲から是非聴いてほしい曲まで厳選しましたので、もし知らない曲があればこの機会に楽しんでみてください。

洋楽まっぷ編集部が選ぶ2024年のおすすめ曲20選

1. Teddy Swims - Lose Control

YouTubeTeddy Swims - Lose Control - YouTube

Teddy Swims(テディ・スウィムズ)はこの曲で一躍世界的ブレイクを果たしました。2023年6月にリリースされた「Lose Control」はじわじわと人気を集め続け、全米・全英両チャートで1月にトップ10入り。その人気は一時的なもので終わらず、全米1位、全英2位の大ヒットとなり、全米チャートでは45週という歴代2番目の長さでトップ10に滞在するロングヒットを記録。見事、ビルボードホット100の年間1位を獲得しました。

2. Sabrina Carpenter - Espresso

YouTubeSabrina Carpenter - Espresso - YouTube

Sabrina Carpenter(サブリナ・カーペンター)が遂に本格ブレイクを果たしたことは今年のトピックのひとつにあげられると思います。2014年のデビュー以来、若い女性を中心に人気がありヒット曲もすでに多数ありますが、チャートアクションでのブレイクはこの曲で達成。全米3位、全英1位など多くの国で初のトップ10入りを果たし、さらに今年世界で3番目の売れたシングルとなりました。収録アルバムの『Short n' Sweet』も大ヒットとなりました。

3. Benson Boone - Beautiful Things

YouTubeBenson Boone - Beautiful Things - YouTube

Benson Boone(ベンソン・ブーン)もこの曲で本格ブレイク。昨年ロサンゼルスに引っ越した直後、2日かけて異なる2曲を書きましたが、歌詞を書いたJack LaFrantz(ジャック・ラフランツ)の提案で一つにまとめたことで誕生しました。世界15カ国で1位を獲得する大ヒットとなり、米ビルボードのグローバル200で年間1位を獲得しました。

4. Billie Eilish - Birds of a Feather

YouTubeBillie Eilish - Birds of a Feather - YouTube

Billie Eilish(ビリー・アイリッシュ)は今年、事前シングルを一切出さずにアルバム『HIT ME HARD AND SOFT』をリリースしたことも話題となり、前作を上回るヒットとなりました。中でもこの曲はパリオリンピックの閉会式で行われた引き継ぎ式でのパフォーマンスが人気を後押しし、6か国で1位、全米2位、全英2位とアルバム収録曲の中で一番のヒットとなりました。

5. Kendrick Lamar - Not Like Us

YouTubeKendrick Lamar - Not Like Us - YouTube

先述した「Not Like Us」はディス・トラックでありながらも第67回グラミー賞で年間最優秀レコード賞や年間最優秀楽曲賞を含む5部門にノミネートされるほどの大ヒットに。単なるドレイクへのディスという側面だけでなく、西海岸ヒップホップのサウンドであることもさまざまな分野に影響を与えたこともヒットにつながったようです。米ビルボード誌やニューヨーク・タイムズなど一部メディアで2024年のベストソングの1位にあげています。

6. Chappell Roan - Good Luck, Babe!

YouTubeChappell Roan - Good Luck, Babe! - YouTube

こちらも先述したコーチェラきっかけでブレイクを果たしたChappell Roan(チャペル・ローン)。シンセポップ、バロックポップ、ニューウェーブの特徴的なサウンドに、チャペル・ローンと女性全般に対する恋愛感情を否定しようとする女性との関係を描いた歌詞も話題を呼び、世界的大ヒットとなりました。

7. Hozier - Too Sweet

YouTubeHozier - Too Sweet - YouTube

「Too Sweet」はHozier(ホージア)にとって2013年のデビューシングル「Take Me to Church」以来のヒットとなりました。この曲はアルバム『Unreal Unearth』への収録に漏れた曲でもあり、未発表曲として後にEPに収録することを決め、その先行曲としてリリースされました。もし未発表曲のままリリースされることがなければ、ホージアはこのヒットを体験できなかったかもしれません。

8. Charli XCX - 360

YouTubeCharli XCX - 360 - YouTube

Charli XCX(チャーリーXCX)も今年さらに人気を集めたアーティストの一人となりました。アルバム『BRAT』もさることながらこの「360」は今年最高のポップソングの1つと評した海外メディアも多く、彼女の音楽キャリア、音楽業界への敬意、そして友人に言及した歌詞にシンセ主導のハイパーポップサウンドも人気を得ました。

9. Post Malone ft. Morgan Wallen - I Had Some Help

YouTubePost Malone - I Had Some Help (feat. Morgan Wallen) - YouTube

ポスト・マローンとモーガンウォーレンのコラボ曲。2人のそれぞれの特徴を持ちながら仕上がったカントリー・ソングで、ビルボードホット100では6週連続1位を獲得。カントリー・ラジオではGarth Brooks(ガース・ブルックス)の1997年のヒット曲「Longneck Bottle」以来の初週で1位を獲得。カントリーエアプレイチャートでは初登場から2週以内にトップ10入りとなる異例の人気となりました。ラジオで急速に人気を得るのはなかなか難しいことで、これだけ早く上位にランクインするのは最強すぎるコラボの話題性も影響してそうです。

10. Taylor Swift ft. Post Malone - Fortnight

YouTubeTaylor Swift - Fortnight (feat. Post Malone) - YouTube

Taylor Swift(テイラー・スウィフト)の今年の活躍は触れないわけにはいきません。2月には来日公演も行われたツアー『The Eras Tour』はもちろん、フォーブスが年に一度、資産10億ドル(約1520億円)以上の世界の富豪を発表する「世界長者番付」に初めてランクインするなど常に話題に事欠かなかった1年となりました。

「Fortnight」は1980年代風のバラードで2人のボーカルの相性があまりにも良く、第67回グラミー賞では、年間最優秀楽曲賞と年間最優秀レコード賞にノミネート。なによりポスト・マローンは「Fortnight」、「I Had Some Help」と2曲の強力コラボがどちらも全米1位を獲得しポスト・マローンにとっても大活躍の1年となりました。

11. Eminem - Houdini

YouTubeEminem - Houdini - YouTube

4年ぶりとなったアルバム『The Death of Slim Shady (Coup de Grâce)』からのEminem(エミネム)のシングル。Steve Miller Band(スティーブ・ミラー・バンド)の「Abracadabra」にのせて過去の複数の作品をサンプリングしたことも話題となりました。

12. Gigi Perez - Sailor Song

YouTubeGigi Perez - Sailor Song - YouTube

Gigi Perez(ジジ・ペレス)初のヒット曲。かつてインタースコープ・レコードと契約していたもののヒットに恵まれず、インディーズで再出発した今年3枚目のシングルで、ほとんどの国で初のチャート入り。特に全英シングルチャートでは初エントリーながらも1位を獲得しました。

13. Lady Gaga, Bruno Mars - Die with a Smile

YouTubeLady Gaga, Bruno Mars - Die With A Smile - YouTube

Lady Gaga(レディー・ガガ)とBruno Mars(ブルーノ・マーズ)のコラボ曲。ブルーノ・マーズが自身のスタジオにレディー・ガガを招待したことをきっかけにコラボが実現。米グローバル200でも8週連続1位を獲得しました。ブルーノ・マーズは立て続けに「APT.」が9週連続1位を獲得しており、17週連続で1位を獲得。2020年にグローバル200が発足されて以来最多連続記録を樹立しました。

14. Dua Lipa - Training Season

YouTubeDua Lipa - Training Season - YouTube

Dua Lipa(デュア・リパ)は昨年の「Houdini」に引き続き「Training Season」もヒット。ユーロディスコの影響を受けたポップソングとして全英シングルチャートではトップ10入りを果たしました。

15. Artemas - i like the way you kiss me

YouTubeArtemas - i like the way you kiss me - YouTube

TikTokバイラルも後押しとなりArtemas(アルテマス)最大のヒットとなった今作。特徴的なダークウェーブサウンドとピッチシフトによって変化したボーカルが印象的で癖になる1曲です。

16. Ariana Grande - We Can't Be Friends (Wait for Your Love)

YouTubeAriana Grande - We Can't Be Friends (Wait for Your Love) - YouTube

Ariana Grande(アリアナ・グランデ)も4年ぶりとなったアルバム『Eternal Sunshine』が大ヒット。「We Can't Be Friends (Wait for Your Love)」はビルボードホット100で2020年以降7曲目の首位を獲得し、アルバムからの最大のヒットシングルとなりました。

17. Tommy Richman - Million Dollar Baby

YouTubeTommy Richman - MILLION DOLLAR BABY - YouTube

Tommy Richman (トミー・リッチマン)もTikTokバイラルをきっかけブレイク。サザントラップのハイハット、シンセ、サイケデリックなサウンドを盛り込んだこの曲はビルボードホット100で年間8位を記録する大ヒット。続くシングル「Devil Is a Lie」もスマッシュヒットとなりました。

18. Gracie Abrams - That's So True

YouTubeGracie Abrams - That's So True - YouTube

Gracie Abrams(グレイシー・エイブラムス)も今年急速に人気を集め始めているアーティストのひとり。特に「That's So True」は全英シングルチャートなど7カ国で1位を獲得する大ヒットに。2025年はさらに飛躍しそうなアーティストで、4月には初来日公演も決定しています。

19. Chase & Status ft. Stormzy - Backbone

YouTubeChase & Status and Stormzy - BACKBONE - YouTube

Chase & Status(チェイス&ステイタス)がStormzy(ストームジー)を迎えた1曲。ドラムンベースの楽曲が近年人気を集める中、Spotifyはストリーミング数が3年で94%も増加したことを発表。その火付け役と言ってもいいのがチェイス&ステイタスで、全英シングルチャートでは初の首位を獲得。ドラムンベースは来年も注目されそうです。

20. Linkin Park - The Emptiness Machine

YouTubeLinkin Park - The Emptiness Machine - YouTube

最後はリンキン・パーク。再始動を歓迎するファンもいれば、女性ボーカルとなったことで微妙な反応をしているファンもいますが、再始動1曲目となったこのシングルは8カ国で1位を獲得する大ヒットとなりました。新ボーカルのEmily Armstrong(エミリー・アームストロング)は自身のバンド、Dead Sara(デッド・サラ)でもヒット曲があり知られた存在。アルバム『From Zero』は10か国以上で1位を獲得しました。

まとめ

ストリーミングサービスの多様化で多くのジャンルの曲が聴けるようになっているので、もちろん好みの問題もありますが20曲選んでみました。気に入った曲が見つかれば嬉しいです。

そして2024年の洋楽について「音楽市場のグローバル化」、「カントリー・ミュージック」、「コーチェラ」、「確執」、「再結成」と5つの視点から振り返ってみましたが、日本と海外の違いも含め、海外の音楽市場としての動きが少しだけ伝わったかと思います。

今年以上に多くのアーティストによるツアーラッシュも予想される2025年。どんなジャンルの曲がどんな形で流行るのか。またどこまでグローバル化が進むのかなど、来年も注目すべき要素の多い1年となりそうです。

以上、【2024年の洋楽振り返り】編集部が選ぶ2024年のおすすめ曲20選でした。

2024年ビルボード年間チャート
洋楽ビルボード年間シングルランキング【2024年】全米チャートトップ100総まとめ
洋楽ビルボード年間アルバムランキング【2024年】全米チャートトップ200総まとめ

関連記事
2024年カントリーミュージックの名曲おすすめ20選
あなたは何曲知ってる?2024年海外のTikTokでブレイクした洋楽10選!

WRITER

洋楽まっぷ編集部

洋楽まっぷ編集部が70年代から最新の洋楽までヒット曲、また幅広いジャンルから厳選した情報をお届け致します。