【洋楽】UKロック最大のライバル!オアシスVSブラーを振り返る

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洋楽コラム

90年代のイギリスでは2つのロックバンドがしのぎを削っていました。
そのバンドは『オアシス』と『ブラー』です。

当時実力派若手バンドの筆頭として多くのリスナーを虜にし、ブリットポップと呼ばれる英国ロックの基礎を作り上げた2組。

しかしながらメディアによって彼らはライバルと報道され、曲や立ち振る舞いが常に比較され続けてきました。

UKロックシーンが一番熱かった時代に何があったのか?
一体彼らはどんな関係性だったのか?

本コラムでは2組の対立構造を紹介していきます。

オアシスとブラーの対立要因は様々

ただ単に音楽性が似ていたりするだけでは大きなライバル関係にはなり得ません。

彼らはメディアにとってライバル関係にしやすい要因が様々あったのです。
それでは一つ一つ解明していきましょう。

出身階級

イギリスでは出身階級による選民思想が根強く残っています。
当然のように階級別で煽り合いや同階級による仲間意識もあるわけです。

そんな社会の中でオアシスは労働階級の出身、ブラーは中流階級の出身という見事な分かれ方をしてしまいました。

メディアはこぞって彼らの階級を利用した煽り合いを繰り返し、ライバル関係を生み出したのです。

音楽性

90年代は世界各国でグランジブームが起こっていました。
ニルヴァーナに代表されるような重々しくハードな系統のロックバンドが次々と誕生していたワケです。

・Nirvana – Smells Like Teen Spirit

Nirvana – Smells Like Teen Spirit – YouTube

しかし、グランジは言わばアメリカで誕生したジャンルです。
グランジブームが終わるにつれ、イギリス国民は「自国らしいロックバンド」の誕生を待ち望んでいる状況でした。

そんな中、同年代にブレイクしたオアシスとブラーはUKロックを世界に響かせる稀代のカリスマだったのです。

・Oasis – Whatever

Oasis – Whatever – YouTube

・Blur – Parklife

Blur – Parklife – YouTube

・誰もが「美しい」と感じる圧倒的なメロディーセンスと親近感ある存在のオアシス
・知的で捻くれた歌詞と独特のポップ性を持ったブラー

同じロックというジャンルでありながら、被らない個性を持った2組はライバルと位置付けるのに丁度良すぎる音楽性を持っていました。

けなし合い

オアシスとブラーのライバル関係はメディアが主導した面が非常に大きいです…がしかし、彼らはお互いにけなし合っていたのも事実です。

当時の音楽雑誌等で煽り合うのは当たり前ですし、特にオアシスのノエルとリアムはお得意のキレキレっぷりで言いたい放題な状態でした。

と言っても、本人たちはメディアに煽られているのを分かった上でリップサービスしていた面もあるようです。

しかし、1995年8月14日オアシスとブラーのシングルが同日に発売されるという事件が起きます。

全英1位をかけた世紀のブリットポップ決戦と言っても良いでしょう。

ブラーは「Country House(カントリー・ハウス)」、オアシスは「Roll with It(ロール・ウィズ・イット)」をリリースし、結果はブラーが274,000枚、オアシスが216,000万枚とどちらも1週間で20万枚以上を売り上げましたがブラーに軍配が上がりました。

これで一段落するかと思いきや、ノエルは「ブラーのデーモンとアレックスなんかエイズにかかって死ねばいい」と発言してしまいます。

もちろんこの発言は大炎上し、ノエルは謝罪する運びとなりました。

ちなみにこの後、オアシスはアルバム『モーニング・グローリー』で売り上げ論争なんかどうでも良くなるほどの歴史的大ヒットをかましました。

結果、どちらも国民から支持されるカリスマバンドということです。

オアシスとブラー、現在の関係性は良好?

イギリス音楽史でもかつてないほどのライバル関係を作った2組ですが、今となってはすっかり互いを認める仲になっています。

「エイズになってしまえばいい」とまで発言したノエルも「ブラーのデーモンは最高のアーテイストの一人だし、俺はアイツのファンだよ」と称えるほどです。

デーモンもメディアで度々オアシスの音楽性を褒める発言をしていますし、ノエルとも度々共演しています。

・Gorillaz – We Got The Power

Gorillaz – We Got The Power / LIVE with Noel Gallagher & Jehnny Beth on The Graham Norton Show – YouTube

オアシスでフロントマンを務めたリアムも
「当時の対立構造は面白がってたよ。今はみんな大人になったんだ。」
「デーモンのことは普通に好きさ。才能のある奴だと思ってる」
などと発言しており、遺恨は全くなさそうです。

もちろん当時は彼らが口火を切っていた面もありますが、やはりメディアが作り上げた関係性という面が大きかったのでしょう。

まとめ

長年経っても語り継がれる「オアシスVSブラー」の逸話ですが、その背景には様々な要因が絡んでいました。
紛れもない事実は2組ともロック界のスターであるということです。

同じブリットポップでも全く毛色が違う2組を改めて聞いてみてはいかがでしょうか。

WRITER

UKロックが大好きな20代のライターです! 洋楽のニュースからコラムまで、様々な情報をわかりやすく伝えていけたら良いなと思っています!

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