【アルバムレビュー】Anderson .Paak『Oxnard(オックスナード)』

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洋楽コラム

今回のレビューはAnderson .Paak(アンダーソン・パーク)による3枚目のアルバム「Oxnard(オックスナード)」

R&Bシーンに衝撃をもたらした前作『Malibu』に次ぐ、アンダーソン・パーク自身もSNSなどで傑作だと自賛する進化したソウルミュージックをひっさげた待望の作品になります。

前作から約2年9ヶ月の年月を経てリリースされた今作『Oxnard』ですが、前作に比べても制作に関わったアーティストやプロデューサーがまず印象的です。

ドクター・ドレーがプロデューサーとして全体の指揮だけでなく全曲のミックスを担当したことを筆頭に、ケンドリック・ラマーやJ・コール、スヌープ・ドッグなどの最前線で活躍するラッパーが参加しました。

さらにはジャズシーンにおける最重要ドラマーでありプロデューサーであるクリス・デイヴ、今最もアツいベーシストであるサンダーキャットなども制作に参加し、アンダーソン・パークの理想とするサウンドを追い求めました。
その結果、マニアがうなるような細かいサウンドメイキングが多く見受けられます。

また、今作はUSビルボードにおけるインディー・アルバム・チャートで1位、ラップ・チャートで5位、HIPHOP/R&Bチャートでは6位、そしてTOP200アルバム・チャートで11位を獲得し、それまでのアルバムリリースの中で最高位を獲得しました。

楽曲に関しては、まずはアルバム1曲目の“The Chase”ですがスピリチュアルでしっとりとしたボーカルの艶のある歌声で始まり、異国情緒を感じる雰囲気のバラードから一転してダンサブルなビートミュージックへ。途中に入ってくるフルートが曲全体を引き締めて劇伴のようなスリリングな空気が漂っています。

Anderson .Paak – The Chase ft. Kadhja Bonet – YouTube

そしてアルバム3曲目の“Tints”。

Anderson .Paak – TINTS ft. Kendrick Lamar – YouTube

ズッチャ、ズッチャと少しよれた気持ちの良いビートを基調にケンドリック・ラマーの超絶フローラップが乗っかります。とてもアーバンでロマンティック、クラブで映えるサウンド感だと思います。クールでありながら踊れる絶妙なバランス感です。

他にも、アルバム4曲目の“Who R U”のように少しトラップっぽいスキルフルなアンダーソン・パークがみられる曲もあったりと様々な楽しみ方ができるアルバムだなと思いました。

Anderson .Paak – Who R U? – YouTube

全体としては前作よりもHIpHopとソウルのバランスの取り方が絶妙で、彼のポテンシャルはまだまだ発揮されると思い知らされました。

彼の最新作についてもまた次回レビューできたら嬉しいです。

■「Beat Tape 1」トラックリスト

1. The Chase (ft. Kadhja Bonet)
2. Headlow (ft. Norelle)
3. Tints (ft. Kendrick Lamar)
4. Who R U?
5. 6 Summers
6. Saviers Road
7. Smile / Petty (ft. Sonyae Elise)
8. Mansa Musa (ft. Dr. Dre & Cocoa Sarai)
9. Brother’s Keeper (ft. Pusha T)
10. Anywhere (ft. Snoop Dogg & The Last Artful, Dodgr)
11. Trippy (ft. J. Cole)
12. Cheers (ft. Q-Tip)
Bonus tracks
13. Sweet Chick (ft. BJ the Chicago Kid)
14. Left to Right

WRITER

TOY吉

洋楽なら幅広く聴きますが特にHIP HOP、R&B、ソウル、ファンクを好みます。

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