【アルバムレビュー】Pop Smoke『Shoot For The Stars Aim For The Moon(シュート・フォー・ザ・スターズ・エイム・フォー・ザ・ムーン)』

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洋楽コラム

Pop Smoke(ポップ・スモーク)の1stアルバム、『Shoot For The Stars Aim For The Moon(シュート・フォー・ザ・スターズ・エイム・フォー・ザ・ムーン)』。この作品は彼のデビューアルバムであり、遺作でもあります。

2019年。“Welcome to the Party”によって一躍ポップ・スモークの名が知られるようになりました。

この曲は公開されるや否や瞬く間にバズを引き起こし、その後SkeptaやNicki Minajをフィーチャリングしたリミックスをリリースしたことによって、その勢いは爆発的でした。

今作『Shoot For The Stars Aim For The Moon』は、生前に彼が遺した音源をもとに50 Cent(50セント)がエグゼクティブプロデューサーを務めアルバムの完成を支援することを決定し、Quavo、Roddy Ricch、Swae Lee、Fivio Foreignなどが参加した作品になっています。

全米チャート(Billboard 200)では初登場1位を獲得する快挙を成し遂げ、半年以上トップ10入りし続けるなど、ブルックリン・ドリルをメインストリームに押し上げた名作といえるアルバムです。

2021年のBillboard Music Awardsでは「Top Billboard 200 Album」、「Top Rap Album」の2冠を獲得しています。

このアルバムで与えた彼の影響は大きく、特にトラップが根付いている北米のラップ・シーンでドリルスタイルが大きく流行しました。

それにより最近では、UKドリルに寄ったビートを作るアメリカのプロデューサーも増え、日本でもドリル・スタイルを踏襲するラッパーとビートメイカーが増えてきたように思われます。

そんなPop Smokeの名アルバム、『Shoot For The Stars Aim For The Moon』の代表曲といえば、“DIOR”です。

POP SMOKE – DIOR – YouTube

この曲は、2021年8月の時点でYouTubeでのMV再生回数が3億回を超えています。そして彼の死にも関連して様々な意味を持つ曲ともなっています。

サウンドに関しては、重厚感があるというよりは必要最低限の音で危うさと悲壮感を表現しており、彼自身のラップによりトラックをリードしていくという印象があります。

他にもこのアルバムのイントロ、“Bad Bitch From Tokyo”では彼がただ偶然バズった訳ではないと感じるサウンドチョイスのセンスやアルバムの構想を感じます。

総合的にヒップホップの才能と今後の可能性を感じさせる作品でありながら、達成感の影も見え隠れする作品に仕上がっているように感じます。

苦しくも20歳という若さでこの世を去ったポップ・スモークですが、彼の作る作品にはレジェンド達からの影響だけでなくそれを一表現方法とする軸を強く感じられました。

これからも、彼の意思はアーティスト達に受け継がれていくのでしょう。

■ Shoot For The Stars Aim For The Moon トラックリスト

1. Bad Bitch from Tokyo (Intro)
2. Aim for the Moon (ft. Quavo)
3. For the Night (ft. Lil Baby and DaBaby)
4. 44 Bulldog
5. Gangstas
6. Yea Yea
7. Creature (ft. Swae Lee)
8. Snitching (ft. Quavo and Future)
9. Make It Rain (ft. Rowdy Rebel)
10. The Woo (ft. 50 Cent and Roddy Ricch)
11. West Coast Shit (ft. Tyga and Quavo)
12. Enjoy Yourself (ft. Karol G)
13. Mood Swings (ft. Lil Tjay)
14. Something Special
15. What You Know Bout Love
16. Diana (ft. King Combs)
17. Got It on Me
18. Tunnel Vision (Outro)
19. Dior (bonus track)

Deluxe edition (bonus tracks)

20. Hotel Lobby
21. Showin Off Pt. 1 (ft. Fivio Foreign)
22. Showin Off Pt. 2 (ft. Fivio Foreign)
23. Iced Out Audemars (ft. Dafi Woo)
24. Woo Year (ft. Dread Woo)
25. Tsunami (ft. Davido)
26. Backseat (ft. PnB Rock)
27. Imperfections (Interlude)
28. She Feelin Nice (ft. Jamie Foxx)
29. Paranoia (ft. Gunna and Young Thug)
30. Hello (ft. A Boogie wit da Hoodie)
31. Be Clearr
32. Yea Yea (Remix; ft. Queen Naija)
33. Diana (Remix; ft. King Combs and Calboy)
34. Enjoy Yourself (Remix; ft. Burna Boy)

Target edition (bonus tracks)

20. Hello (ft. A Boogie wit da Hoodie)
21. Hotel Lobby

WRITER

TOY吉

洋楽なら幅広く聴きますが特にHIP HOP、R&B、ソウル、ファンクを好みます。

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