【アルバムレビュー】D’Angelo『Voodoo(ブードゥー)』

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洋楽コラム

今回のレビューはD’Angelo(ディアンジェロ)によるデビュー2枚目のスタジオ・アルバム「Voodoo(ブードゥー)」

ディアンジェロ最高傑作と評され、以降のR&Bの流れを大きく変え、ネオソウルというジャンルのムーヴメントを巻き起こした作品として今もなお多くのアーティストに多大な影響を与えている作品です。

彼は、新世代のマーヴィン・ゲイと称されるほどの期待を募り、その最中で1995年にデビューアルバム『Brown Sugar』を発売しHipHopとソウルをつなぎ合わせるパイオニアとなりました。

そして多くの変遷を経て一皮むけたセカンドアルバムを作成することになり、彼は先人たちへのリスペクトを表し、JAZZ的なインプロビゼーションアプローチをレコーディングに取り入れました。

当時の最前線にいたR&Bミュージシャンたちを集め、自由にジャムセッションを開く中で、実験的でありながら真似できないグルーヴとサウンドを再現しました。これは実はファンク全盛期によく用いられた方法で、そのエッセンスが心を踊らせ流のかもしれません。

そうして2000年にリリースされた「ブードゥー」は、すぐに多くのメディアから”名盤”や”最高傑作”などと称賛されました。

市場においてもUS Billboardチャートで初登場1位を獲得、初めの週だけで32万枚の売り上げを記録するなどその勢いは止まりませんでした。

その後もチャートに33週間連続でランクインし続けるなど人気は衰えず、2001年にはグラミー賞でベストR&Bアルバム賞を受賞しています。2005年には通算でアメリカのみでも170万枚以上の売り上げを達成し、金字塔となりました。

楽曲に関しては、アルバム1曲目の“Playa Playa”の雰囲気で一気にアルバムの空気感を掴むことができるかと思います。

D’Angelo – Playa Playa – YouTube

グルーヴがうねりにうねっているレイドバックしたベースと、P-FUNKを感じさせるようなキャッチーなワウギター。サウンドに幅広さがあってとても気持ちが良いです。

そして2曲目の“Devil’s Pie”に滑らかに続くのですが、こちらは一曲目よりもHipHop色が強い印象を受けます。

D’Angelo – Devil’s Pie – YouTube

しかしソウルの基盤が確実にあり、荒々しさだけでなく甘くメロディアスな流れを常に感じることができる曲です。飛び道具的なシンセが動き回ることでオールドスクールの良さが前面に出ています。

日本のポップスにも通ずる、何度も聴きなおしたいネオソウルの超名盤です。

■「Voodoo」トラックリスト

1. Playa Playa
2. Devil’s Pie
3. Left & Right (ft. Method Man & Redman)
4. The Line
5. Send It On
6. Chicken Grease
7. One Mo’gin
8. The Root
9. Spanish Joint
10. Feel Like Makin’ Love
11. Greatdayndamornin’/Booty
12. Untitled (How Does It Feel)
13. Africa

WRITER

TOY吉

洋楽なら幅広く聴きますが特にHIP HOP、R&B、ソウル、ファンクを好みます。

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