【アルバムレビュー】Louis Cole『Time(タイム)』

今回のレビューはLouis Cole(ルイス・コール)によるデビュー2枚目のアルバム「Time(タイム)」

彼の類稀なるソングライティングセンスによりジャンルのクロスオーバーが見事に完成された作品で、2018年にフライングロータスが率いるレーベル Brainfeeder (ブレインフィーダー) からリリース、来日公演まで行われました。

トニー・ウィリアムス、ジャック・ディジョネット、ネイト・ウッド、キース・カーロックといったドラマー達の影響も見えるプレイも行う彼ですが、楽曲にはオーケストレーションをふんだんに盛り込んだ楽曲もあれば、日本のゲーム音楽からの系譜を感じる曲も入っています。

マルチプレイヤーならではのセンスを買われ、クインシー・ジョーンズやレッド・ホット・チリ・ペッパーズなどといった、そうそうたるレジェンド達から高い評価を受け共演を果たしたりなどYouTube上で活動していた彼の転機になったアルバムです。

また、実際にクインシー・ジョーンズが賛辞を贈ったりサンダーキャット作品でのプロデュース、ブラッド・メルドーを迎えるなど、今作を通じてミュージシャンズミュージシャンとしての成功を見せました。

楽曲に関しては、ファンクネスの強いベースが軸にあり、ゲームで使われるようなシンセのオブリガード、ジャズで聴くようなフィルが急に入ってくるなど、様々な彼らしさが散りばめられています。

尖ったアレンジでありながら、MVなどは肩の力が抜けたようなユーモアのある映像表現がされていて、一つの曲の中にいろいろな発見があります。

“When You're Ugly”という曲では、曲自体はオケの壮大な感じ、シンセの柔らかさによってポップに仕上がっていますが、MVは謎に暴力的です(笑)。

Louis Cole - When You're Ugly - YouTube

しかし、これはふざけているのではなく彼の中にある、人間に対する皮肉をポップにクールに表現しているのだと思います。

また、“Everytime"という曲では、対照的に非常に落ち着いた仕上がりになっていて浮遊感のあるサウンドを披露しています。

Louis Cole - Everytime - YouTube

世の中でこういう音楽が流行ってる・廃れているというしがらみを抜きにして、彼自身が本当に伝えたいことを音楽で表現しているということが伝わる作品です。

時代が変わっていっても大切なことは変わらず、自分が何を軸にしているのかを理解し突き詰めていくという姿勢がアルバム全体から感じられました。

超絶スキルを持ち合わせた彼が今後一体何を表現するのか、注目が集まります。

■ Time トラックリスト

1. Weird Part of The Night
2. When You're Ugly (ft. Genevieve Artadi)
3. Everytime
4. Phone
5. Real Life (feat. Brad Mehldau)
6. More Love Less Hate
7. Tunnels in The Air (ft. Thundercat)
8. Last Time You Went Away
9. Freaky Times
10. After The Load is Blown
11. A Little Bit More Time
12. Trying Not To Die (ft. Dennis Hamm)
13. Things
14. Night