【洋楽】この曲似てる?盗作問題でクレジット表記が追加された曲4選!著作権侵害で訴訟、裁判に発展するケースも

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洋楽コラム

楽曲の類似性は時に盗作の訴訟にまで発展して裁判沙汰に、なんてことも多いのが現状ですが、海外の場合特に多く、裁判で訴えた側の主張が認められればクレジットに名前が追加されたりします。

Ed Sheeran(エド・シーラン)の大ヒット曲「Shape of You」も盗作疑惑で訴えられ現在裁判中。エドは否定していますが、曲が有名であればあるほどこういった話は出てきますよね。

先日Dua Lipa(デュア・リパ)も「Levitating」の著作権侵害で訴えられていると報道がありました。

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今回は盗作問題、または類似性の指摘による話し合いの末、新たに元ネタの作者がクレジット表記に追加された曲をご紹介していきます。

この曲似てる?盗作問題でクレジット表記が追加された曲4選

Mark Ronson – Uptown Funk ft. Bruno Mars

Mark Ronson – Uptown Funk ft. Bruno Mars – YouTube

2014年リリースで大ヒットとなった曲ですが、著作権侵害をめぐるいくつかの訴訟の対象でした。

2015年にはThe Gap Band(ザ・ギャップ・バンド)の1979年の曲「Oops Up Side Your Head」との類似性から、この曲を書いたキーボーディストのRudolph Taylor(ルドルフ・テイラー)、プロデューサーのLonnie Simmons(ロニー・シモンズ)が、出版物の17%を受け取るの共作者としてクレジットに追加されました。

I Don’t Believe You Want To Get Up And Dance (Oops Up Side Your Head) – YouTube

これが出だしからいきなり似てますね。

他にもいくつかの訴訟対象だった「Uptown Funk」ですが、非公式に和解するという結果で解決しています。

Sam Smith – Stay With Me

Sam Smith – Stay With Me – YouTube

2014年のヒット曲。翌2015年1月、Tom Petty(トム・ペティ)の出版社との間で、ペティとJeff Lynne(ジェフ・リン)を共作者として追加することで和解が成立し、12.5%の作詞作曲クレジットを受け取ることが明らかになりました。

ペティの出版社は、「Stay with Me」と、ペティの1989年の曲「I Won’t Back Down」のメロディーとの類似性に気づいた後、スミスのチームに連絡。意図的に彼を盗用したとは信じていないことを明らかにしましたが、類似性を認め、類似性は「完全な偶然の一致」であったと発表しています。

Tom Petty And The Heartbreakers – I Won’t Back Down – YouTube

テンポこそ違いますがほぼ一緒です。ただメロディの構成などを考えると本当に偶然の一致だったのかもしれません。

Prince – The Most Beautiful Girl In the World

Prince – The Most Beautiful Girl In the World – YouTube

1994年のヒット曲。2003年に2人のイタリア人作家Bruno Bergonzi(ブルーノ・ベルゴンツィ)とMichele Vicino(ミケーレ・ヴィチーノ)による1983年の曲「Takin’ Me to Paradise」を盗用したと裁定し、2007年に控訴で勝訴。2015年5月に最後の判決が下され、イタリアの収集協会SIAEはベルゴンジとヴィチーノを歌の音楽の作者として認めています。

Raynard J. – Takin’ Me To Paradise – YouTube

The Black Eyed Peas – My Humps

The Black Eyed Peas – My Humps – YouTube

こちらは2005年のヒット曲ですが、今作はサンプリングによる問題でした。

Sexual Harassment(セクシャルハラスメント)の1983年のシングル「I Need a Freak」からのラインをサンプリングしており、アントニン・ドヴォルザークの交響曲第9番を引用しています。

2011年に「I Need a Freak」の作者であるLynn Tolliver(リン・トリヴァー)が出版社兼プロデューサーのJames McCant(ジェームズ・マカント)が著作権侵害を犯し、彼の許可なしにグループに曲のライセンスを供与したと主張しました。

トリヴァーは、この曲は彼の名前でライセンスされており、1983年にマカントはこの曲の使用料の75%を彼に支払うことに同意したと述べました。その結果、トリヴァーは120万ドルを獲得し、使用料の75%によるクレジットの追加がなされました。

一見ややこしい話ですが、サンプリングの許可を得る相手が正しくなかったということでしょうか。

I Need a Freak – YouTube

訴訟に発展しても解決しないケースも多い

上記の通り解決までには何年もかかるため、ここ数年で起きた訴訟問題のほとんどは解決していません。

エド・シーランの「Thinking Out Loud」に至っては、Marvin Gaye(マーヴィン・ゲイ)の1973年のヒット曲「Let’s Get It On」をマーヴィン・ゲイと共同で書いたEd Townsend(エド・タウンゼント※2013年に死去)の家族が類似性を指摘して2016年に訴訟を起こす、といったこともありました。訴訟は2017年に却下されたものの2018年6月28日、エド・シーランは同様の理由で再び訴えられています。

これは家族が気づいたというよりは、ジャーナリストによる指摘が元になっているような気もしています。

Ed Sheeran – Thinking Out Loud – YouTube

Marvin Gaye – Let’s Get It On – YouTube

90年代以前に起きた訴訟は解決していない場合、ほとんどが非公式の和解、又は訴訟の取り下げによって話は終わっていますが、年々訴訟問題は増加傾向にあるように感じます。

これはおそらく当人同士によるもの以外にファンが発見するケースが増えたことも考えられるかもしれません。

SNS上で話題となってクレジットに追加されたケースで言えば、昨年のOlivia rodrigo(オリヴィア・ロドリゴ)「good 4 u」が挙げられるでしょう。

他にも現在、いくつかの曲が類似性を指摘されている報道があるようなので、今後もっと深刻な問題になっていくかもしれません。

WRITER

酒井裕紀

洋楽まっぷ管理者。米・英の音楽チャートなどのデータを好み、70年代から最新の洋楽までヒット曲なら幅広い知識を持つ。時代毎の良さがある洋楽の魅力を少しでもわかりやすくご紹介できればと思います。

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