ホールジー、FKAツイッグス、フローレンス・ウェルチ、マギー・ロジャース、レーベルが望むTikTokバイラルの実態

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洋楽コラム

先日、Halsey(ホールジー)が所属するレーベル、アストラルワークスの要望によってTikTokでバイラルを生まない限りシングルをリリースできないと公表し波紋を呼んでいます。

「基本的に、私はできるだけ早くリリースしたいのが大好きな曲を持っています。しかし、私のレコードレーベルは私を許しません」

ホールジーは音楽業界について彼らの真実を話すことを恐れていません。これまでに15枚のシングルがRIAAでプラチナ認定、またはそれ以上に認定されており、The Chainsmokersとのシングル「Closer」はアメリカだけで1400万枚の売り上げに相当する14×プラチナ認定を受けています。これだけでもホールジーは商業的にもかなりの結果を残しているアーティストです。

そんな彼女が最近の傾向にあるTikTokバイラルがシングルリリースの目安になっている点に警戒を鳴らします。

@halsey

I’m tired

♬ original sound – Halsey

海外では大手レーベルに所属するアーティストがシングルをリリースする際、TikTokに未発表楽曲の一部を投稿し、その中で人気が高かった場合に正式にリリースする傾向にあります。アストラルワークスもこれを実行し、ホールジーほどのアーティストでもTikTokでバイラルとならないとリリースを許可しない、という流れを構築しているようです。

ホールジーの主張に対して、キャピトルミュージックグループのスポークスマンは、「唯一かつ重要な芸術家としてのホールジーに対する私たちの信念は、完全で揺るぎないものです。世界が彼らの素晴らしい新しい音楽を聞くのを待ちきれません。」と声明を出しました。

ホールジーの投稿があまりにも波紋を呼んでいるため、改めてツイッターで「この時点で私は何が起こっているのかについて真実を話したので何をすべきかわかりません、そして今でも私はリリース日を持っていません。」と投稿。真実を公表しても結果が変わらないこと、この公表が失敗だったのではないかという指摘などに触れています。

しかしホールジー以外にも同じような問題を抱えているアーティストが現状を明かしており、例えばFKA Twigs(FKAツイッグス)は所属するレコードレーベルにTikTokビデオを共有するように依頼してるのに十分な投稿を行っていないと指摘されたと主張。先週、自分の顔のビデオを共有し、「すべてのレコードレーベルがTikToksを求めているのは事実です。今日、十分な努力をしていないと言われました。」

既に投稿は削除されたようですが、TikTokに投稿してないだけでレーベルに怒られるというのが現状のようですね。

渋々かどうか受け入れているアーティストもいて、今週、全英チャートで最新アルバムを1位に送り込んだFlorence + The Machine(フローレンス・アンド・ザ・マシーン)。フローレンス・ウェルチは「レーベルがLowfi TikTokへの投稿を望むからどうぞ」とコメントをつけた投稿が話題となりました。歌う前に大きくため息をついています。Maggie Rogers(マギー・ロジャース)は3月、「TikTokに投稿するために、誰かが午前中に私に怒鳴りつけている」というキャプション付きのビデオを共有しています。

@florence

The label are begging me for ‘low fi tik toks’ so here you go. pls send help ☠️ x

♬ original sound – Florence

@maggierogers

lol

♬ TWIA by Maggie Rogers – Maggie Rogers

TikTokでバイラルとならなければリリースができない、必要以上に投稿を迫られるという実態。今後もアーティスト側の声明は続くかもしれません。

参考情報:The New Celebrity TikTok Grift Is Talking About How Much They Hate Making TikToks

WRITER

酒井裕紀

洋楽まっぷ管理者。米・英の音楽チャートなどのデータを好み、70年代から最新の洋楽までヒット曲なら幅広い知識を持つ。時代毎の良さがある洋楽の魅力を少しでもわかりやすくご紹介できればと思います。

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