【アルバムレビュー】Musiq Soulchild『Aijuswanaseing(I Just Wanna Sing:アイ・ジャス・ワナ・シング)』

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洋楽コラム

今回のレビューはMusiq Soulchild(ミュージック・ソウルチャイルド)によるデビュー初のスタジオ・アルバム「Aijuswanaseing(I Just Wanna Sing:アイ・ジャス・ワナ・シング」

ニュー・クラシカルなR&Bをシーンに定着させた彼の記念すべきファースト・アルバムであり、アーバンな70年代ソウルサウンドとヒップホップの融合はその後のネオソウルというジャンルに多大な影響を与えました。

この作品ではマイケル・ジャクソンを手掛けたAndre Harrisや、Carvin Haggins、Ivan “Orthodox” Barias、Osunlade、Keith Pelzer、Vikter Duplaix、James Poyser、Ed King、Junius Bervinといった多くプロデューサー達が制作に参加しました。

また、伝説的hiphopバンドThe RootsのLeonard Hubbard(ベース)、Pino Palladino(ベース)、Athena Bussie(コーラス)など錚々たるアーティスト達もレコーディングに参加しています。

それらのコラボが化学反応を起こし、サンプリングによるメロウなトラックに彼の唯一無二な歌唱テクニックを乗せることによりネオソウル的なボーカルの金字塔となりました。

今作はUSアルバム・チャートでは21位、R&Bアルバム・チャートでは4位を獲得し、彼の代名詞ともいえる「Just Friends (Sunny)」と「Love」という2曲はともにUS R&Bチャート6位、US R&Bチャート2位と空前のR&Bブームを引き起こしました。

楽曲に関しては、やはりこのアルバムといえばこの曲。アルバム3曲目“Just Friends (Sunny) ”は彼の真骨頂が表れています。

Musiq – Just Friends (Sunny) – YouTube

メロウで少しレイドバックしたビートに、彼の卓越した歌唱力とフロウが見事に混ざり合っています。絶妙な隙間に入れ込んでいるスキャットに思わず唸ってしまいます。

そしてアルバム7曲目の“You and Me”。

Musiq – You And Me – YouTube

この曲はR&Bとしてのクオリティがとても高いと感じました。低音が体を打つようなビートに、ソウルフルなコードワークとコーラスワーク、哀愁のある世界観に酔いしれます。

アルバム全体を通しての感想は、ただのR&Bでもなければhiphopでもない。哀愁のある歌謡曲のようでもあるが、流れるビートは非常にグルービーというまさに唯一無二の作品だと感じました。

■「Aijuswanaseing」トラックリスト

1. Scratch Introlude
2. Girl Next Door (ft. Ayana)
3. You And Me
4. Just Friends (Sunny)
5. Mary Go Round
6. 143
7. Love
8. My Girl
9. Musiq Soulchild (Intermission)
10. Seventeen
11. L’ Is Gone (ft. Ayana)
12. Speechless
13. Poparatzi
14. Settle For My Love (ft. AAries)
15. You Be Alright

Special edition bonus tracks
16. Aimewitue
17. The Ingredients of Love (duet with Angie Stone)

WRITER

TOY吉

洋楽なら幅広く聴きますが特にHIP HOP、R&B、ソウル、ファンクを好みます。

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