【アルバムレビュー】Machine Gun Kelly『Mainstream Sellout』進化したポップ・パンクに注目!

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洋楽コラム

【アルバムレビュー】Machine Gun Kelly『Mainstream Sellout』進化したポップ・パンクに注目!
IMAGE VIA:Amazon

Machine Gun Kelly(マシン・ガン・ケリー)の6枚目のスタジオ・アルバム『Mainstream Sellout(メインストリーム・セルアウト)』

2020年自身初の全米1位を獲得したアルバム「Tickets to My Downfall」に続く、ドラマー兼プロデューサーのTravis Barker(トラヴィス・バーカー)との彼の2回目のコラボレーションプロジェクトです。

「Tickets to My Downfall」がポップ・パンク・リバイバルのきっかけとまで言わしめた傑作であることから今作の期待値はかなりのものでした。

既に海外では多くのレビューが出ていますがそのほとんどで起こっているのが「Tickets to My Downfall」との比較。

しかし個人的には今作の方がより明確にポップ・パンクを軸とした表現から自由度が増した作品になっているようにも感じました。

『Mainstream Sellout』レビュー

マシン・ガン・ケリーの強みはヒップホップの経験からラッパーとしてのスキルもあること。だからこんなに歌詞を詰め込んでも歌いこなせるんですよね。

それがオープニングトラックの「Born with Horns」からラッパーでありシンガーであることを猛烈にアピールしてきます。当初はこのタイトルがアルバムタイトルとなる予定でした。

Machine Gun Kelly – born with horns – YouTube

Bring Me the Horizon(ブリング・ミー・ザ・ホライズン)とのコラボ曲「maybe」で改めて感じるのはマシン・ガン・ケリーはラッパーであることの軸がやはり強いということ。こういったサウンドが弱点であることを理解しているのか、ベストなコラボとなった1曲だと思います。

Machine Gun Kelly – maybe ft. Bring Me The Horizon – YouTube

「Tickets to My Downfall」で見つけた弱点をどう克服、又は補って進化させるのか。今作で「補う」という点の要素のひとつがブリング・ミー・ザ・ホライズンだとしたら、もうひとつはLil Wayne(リル・ウェイン)だと思います。今作では2曲に参加しているリル・ウェインですが、どちらもいい具合にポップ・パンクの軸に載せたサウンドを展開しています。

Machine Gun Kelly – drug dealer feat. Lil Wayne – YouTube

そして今作を一番ポップに盛り上げる1曲がシングルにもなった「emo girl(エモ・ガール)」。

Machine Gun Kelly – emo girl feat. WILLOW – YouTube

同じく現代のポップパンクを盛り上げているWILLOW(ウィロー)とのコラボが実現してるだけでも聴き手としてはテンションが上がりますが、コーラス部分も王道とも言えるキャッチーなサウンドが最高に楽しめる1曲。この曲のパワーがあまりにもあるため、今作だけでもアルバムを聴いてみようと感じることができるきっかけとなり得ます。

総じて、「Tickets to My Downfall」よりもポップに仕上がってる印象を与えつつもパンクロックという視点を重点的に考えると、マシン・ガン・ケリーにしかできないヒップホップ要素が前作よりも強めに現れているようにも感じます。このスタイルはおそらく海外の方が受けがいいのではないかと思いますが、結果的にラッパーでありロッカーであるという二刀流が馴染んできたマシン・ガン・ケリーにとっては今作が最も最高傑作であるのは間違いないと思います。

「Tickets to My Downfall」と『Mainstream Sellout』、どちらが好きですかと言われるとかなり評価は分かれそうですが、個人的には『Mainstream Sellout』の方が好きでおすすめしたい作品です。

■『Mainstream Sellout』トラックリスト

1. Born with Horns
2. God Save Me
3. Maybe (ft. Bring Me the Horizon)
4. Drug Dealer (ft. Lil Wayne)
5. Wall of Fame (Interlude) (ft. Pete Davidson)
6. Mainstream Sellout
7. Make Up Sex (ft. Blackbear)
8. Emo Girl (ft. Willow)
9. 5150
10. Papercuts (album edit)
11. WW4
12. Ay! (ft. Lil Wayne)
13. Fake Love Don’t Last (ft. Iann Dior)
14. Die in California (ft. Gunna, Young Thug & Landon Barker)
15. Sid & Nancy
16. Twin Flame

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洋楽まっぷ管理者。米・英の音楽チャートなどのデータを好み、70年代から最新の洋楽までヒット曲なら幅広い知識を持つ。時代毎の良さがある洋楽の魅力を少しでもわかりやすくご紹介できればと思います。

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