歴史的ロックアルバムの名盤シリーズとしてこれまでいくつかのアルバムをご紹介してきました。
名盤と言える作品は数多くありますが、評価されている作品のほとんどは古い作品で、大手海外メディアがよくピックアップしている「All Time~」などのデータにはなかなか新しい作品は入りません。
それだけ多くの名盤が誕生しているということでもあるんですが、今回は2020年以降にリリースされたアルバム、さらに女性ボーカルバンドに絞って名盤として取り上げてもいいのではないかと思うアルバムを編集部によるセレクトで4作品ピックアップしてみました。
さらにおまけで今回選定する上で、編集部としては名盤だと思ったアルバムも4作品、あわせて計8作品をご紹介いたします。
洋楽好きの方に限らずただ懐かしむという意味でも、是非この機会に改めてレコードやCD、ストリーミングサービスなどで聴いてみてください。
【洋楽】2020年代女性ボーカルのロック・アルバム名盤4選
boygenius - the record
出典:Amazon
2023年リリース、boygenius(ボーイジーニアス)のデビュー・スタジオ・アルバム。
おそらく2020年代にリリースされた女性ボーカルのロック・アルバムとしては最も評価の高いアルバムのひとつだと思います。
まず3人のメンバーそれぞれがソロ・アーティストとしてインディーズシーンで活躍している中で結成されたというとんでもないグループだというのが大前提としてありつつ、それぞれの個性が見事に融合したアルバムとなっています。
boygenius - Not Strong Enough - YouTube
3人共に歌っていたり、それぞれがリードボーカルを取っていたり、サウンド面においてもバラエティに富んだものになっていながらもなぜかバランスが取れている1枚。
女性ボーカルと限定しなくとも2020年代の名盤として挙げる方も多いのではないでしょうか。
boygenius - Emily I'm Sorry - YouTube
Haim - Women in Music Pt. III
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2020年リリース。同じく3人組の姉妹バンド、Haim(ハイム)の3枚目のスタジオ・アルバムです。
3枚目にして過去最高の評価を得ており、前作に続いてプロデュースを務めたRostam Batmanglij(ロスタム・バトマングリ)とAriel Rechtshaid(アリエル・レヒトシェイド)にすら称賛の声も上がっています。
アルバム全体を通して、姉妹たちの深い結びつきや、共に乗り越えた経験がテーマとなっており、例えば「I've Been Down」や「I Know Alone」では、タイトルのままメンタルヘルスや孤独感がかなりストレートに表現されています。
楽曲そのものの良さと、挑戦的なアレンジも評判が高く、実際おもしろいこだわりがかなり詰まっているようにも感じます。
Wet Leg - Wet Leg
出典:Amazon
2022年リリース。イギリスの2人組インディー・ロック・グループ、Wet Leg(ウェット・レッグ)のデビュー作。
そもそもデビュー・シングルとなった「Chaise Longue」が爆発的な人気を獲得し、続く「Wet Dream」も大ヒット。インディーロック・シーンにおいて大型新人とも言わんばかりの注目を集めていました。
さらにアルバムをリリースまでに計6枚もシングルをリリースし、満を持して発売すると全英1位を獲得しました。
Wet Leg - Chaise Longue - YouTube
最初から完成過ぎてるという評価すらあるほど、2人のサウンド、世界観、方向性はかなりしっかりしたものになっている上に、つい口ずさんでしまう中毒性すらあるメロディセンスの高さも高い評価を得ています。
The Last Dinner Party - Prelude to Ecstasy
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2024年リリース。現在もヒット中のThe Last Dinner Party(ザ・ラスト・ディナー・パーティー)のデビュー作。
何よりデビューシングル「Nothing Matters」のインパクトの高さはあらゆるところで注目されましたし、ボーカルのAbigail Morris(アビゲイル・モリス)の表現力の高さにはすぐに引き込まれます。
The Last Dinner Party - Nothing Matters - YouTube
そしてこの1曲だけで終わらずに、アルバムとしての完成度、インパクトの高さ、表現力の幅広さなどが相まって、かなりいいアルバムになってると思うんです。何より自身に満ち溢れています。
実際に英国の音楽賞として知られるマーキュリー賞にもノミネートされました。今後このアルバムを超える作品を作れるかどうか期待したいところです。
The Last Dinner Party - The Feminine Urge - YouTube
【おまけ】2020年代女性ボーカルのロック・アルバム編集部おすすめの4選
Paramore - This Is Why
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2023年リリース。Paramore(パラモア)6枚目のスタジオ・アルバム。
前作から6年ぶりということで期待値も高まっている中でこの完成度を出してきたパラモア。前作で挑戦したニュー・ウェイヴを活かしながらも原点に戻っているようにも感じ、おそらく一番フラットな状態でこれまでのキャリアを総括したような1枚になってます。
Paramore - This Is Why - YouTube
Wolf Alice - Blue Weekend
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2021年リリース。Wolf Alice(ウルフ・アリス)3枚目のスタジオ・アルバム。
最初の4選に含めるかどうか最後まで悩みました。それほどの完成度です。マーキュリー賞にノミネートされていたり、かなりの数の海外メディアが満点評価をつけていたりととにかく評価が高く、UKロックに限定するなら確実に名盤と言えそうな1枚です。
Wolf Alice - The Last Man On Earth - YouTube
Florence + The Machine - Dance Fever
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2022年リリース。Florence + The Machine(フローレンス・アンド・ザ・マシーン)5枚目のスタジオ・アルバム。
半分以上の楽曲でJack Antonoff(ジャック・アントノフ)がプロデュースを担当しており、明らかにサウンド面には変化が見られますが、フローレンス・アンド・ザ・マシーンのスタンスを崩さず新たな一面を出している1枚と言えます。
Florence + The Machine - Free - YouTube
Pale Waves - Smitten
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2024年リリース。Pale Waves(ペール・ウェーヴス)4枚目のスタジオ・アルバム。
今年は来日公演も行ったペール・ウェーヴス。80年代風のシンセポップ・サウンドが心地いいアルバムになっていて、今までで一番ポップに仕上がっています。このサウンドやメロディセンスは日本でもっと売れてもいいと思うんですが、まだまだ知る人ぞ知るバンドになっている気もします。
Pale Waves - Perfume - YouTube
まとめ
今回は2020年代女性ボーカルに厳選して歴史的ロックアルバムを紹介しましたが、いかがだったでしょうか。
もちろん代表的な広く知られている名盤はたくさんあるので、その定義は人によって異なりますが、たった一つのヒット曲をきっかけにアルバムを掘り下げることで想像以上に名盤だったことを発見したりなど、名盤探しは楽しめるものです。
アメリカでの評価が高いもの、日本でとりわけ評価が高いもの、など様々な視点で聴くのもまた面白くなりますし、世代じゃなくてもネットで調べられる時代ですので、どんどん知る事も出来ます。
1枚でも聴いたことがない作品があれば是非聴いてみてほしいです。
男性ボーカル編はかなりの数があってそこから4つに絞るのはかなり賛否生みそうですが、いずれ更新してみたいと思います。
以上、「2020年代女性ボーカルのロック・アルバム名盤4選」でした。
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ロックのおすすめ名盤シリーズ
・【洋楽】絶対に聞くべき歴史的ロックアルバムの名盤4選Part2
・【洋楽】絶対に聞くべき歴史的ロックアルバムの名盤3選Part3
・【洋楽】絶対に聞くべき歴史的ロックアルバムの名盤4選Part4
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・【洋楽】絶対に聞くべき歴史的ロックアルバムの名盤4選Part6
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