歴史的ロックアルバムの名盤シリーズも第7弾となりました。(第6弾はこちら)
ロックというジャンルが広まり、拡散し、細分化され、時代と共に進化していく中で多くの名盤が誕生しました。
今回は60年代の名盤の中から誰でも知ってるようなアルバムを編集部によるセレクトで4作品をピックアップしてご紹介していこうと思います。
洋楽好きの方に限らずただ懐かしむという意味でも、是非この機会に改めてレコードやCD、ストリーミングサービスなどで聴いてみてください。
【洋楽】歴史的ロックアルバムの名盤4選
Cream - Disraeli Gears
出典:Amazon
1967年リリース、Cream(クリーム)2枚目のスタジオ・アルバム。邦題は「カラフル・クリーム」。
クリームは1966年にロンドンで結成されたイギリスのロック・バンドで、エリック・クラプトン、ジャック・ブルース、ジンジャー・ベイカーによる伝説のバンドです。
今作は一度は耳にしたことがあるようなリフも有名な「Sunshine Of Your Love」が収録されています。
Cream - Sunshine Of Your Love - YouTube
ジャック・ブルースがジミ・ヘンドリックスのコンサートに参加した際に影響を受け作られたベースリフを基に組み立てられた名曲。アメリカではこの曲で初めてビルボードホット100でトップ10入り(5位)を果たしています。曲自体を明確に知らなくてもこのリフを知ってる方が多いのは、バンド解散後もエリック・クラプトン、ジャック・ブルースが演奏し続けてきたからと言えるかもしれません。
また「Tales of Brave Ulysses」はエリック・クラプトンが初めてワウペダルを使用した曲として知られており、他にいたら申し訳ないですが、ジミ・ヘンドリックスと共にその後のワウペダルの発展に貢献した先駆者と言ってもいいのではないでしょうか。
Cream - Tales Of Brave Ulysses - YouTube
ローリング・ストーン誌の「史上最も偉大なアルバム500」にもランクインしてますし、1999年にはグラミー殿堂賞を獲得。文句なしの名盤です。
Steppenwolf - Steppenwolf
出典:Amazon Music
1968年リリース、Steppenwolf(ステッペンウルフ)のデビュー・アルバム。
ステッペンウルフは1968年から1972年にかけて活躍したロック・バンドで、1980年の再結成以降は2018年まで活動していました。
何より今作には代表曲とも言える「Born to Be Wild」が収録されています。
Steppenwolf - Born To Be Wild - YouTube
映画『イージー・ライダー』で使用され、全米2位の大ヒット。日本では「ワイルドでいこう!」という邦題もつけられました。その認知度がわかる映像があります。それがこちら。
Born to Be Wild - Steppenwolf, played by 1,000 musicians | Rockin'1000 - YouTube
曲を知ってるだけでなくこれだけの人たちが演奏できるほど認知されているということですが、まぁこれを企画してしまうこと自体もスケールが大きいですね。
ただこの曲の知名度が高すぎて他の曲がかすんでしまいそうですが、全体を通して恐ろしく完成度の高い1枚だと思います。特に時代を象徴しているような楽曲が並び、それでいてキャッチーさもしっかりとある印象です。そしてデビューシングルとなった「A Girl I Knew」は時代を感じる1曲になっています。
Steppenwolf - A Girl I Knew - YouTube
幅広さを感じてしまうのはおそらくソングライターの影響で、「Born to Be Wild」を書いたマーズ・ボンファイヤーはアルバムで唯一この曲を提供したソングライターになっています。他にも1曲だけ提供したソングライターやカバーなども含まれているため、バンドだけで制作したアルバムではないという点も結果的に完成度を挙げたきっかけになっているかもしれません。
Creedence Clearwater Revival - Green River
出典:Amazon
1969年リリース。Creedence Clearwater Revival(クリーデンス・クリアウォーター・リバイバル)3枚目のスタジオ・アルバム。
初の全米1位を獲得したアルバムです。
全米2位、そして初の全英1位を獲得したシングル「Bad Moon Rising」は後にカバーされまくる代表曲のひとつとなりました。
Creedence Clearwater Revival - Bad Moon Rising - YouTube
今では考えられませんが、クリーデンス・クリアウォーター・リバイバルはこの年3枚もアルバムをリリースしています(「Bayou Country」、「Green River」、「Willy and the Poor Boys」)。
そのうちこのアルバムを選んだのは、アルバムとしての完成度、一貫したサウンドなどから。全体を通してどこか懐かしい気分にさせてくれる1枚です。
後にリリースされる1970年の名作「Have You Ever Seen the Rain?(邦題:雨を見たかい)」に通ずるメロディラインをこの時すでに持っていたと感じるのが「Lodi」。順序とすれば「Proud Mary」が成功したことで「Lodi」のような曲が作られ、その同じラインにあるのが「Have You Ever Seen the Rain?」なのではないか、ただそれはサウンドやメロディラインだけの話で、テーマを考えると「Lodi」のような曲が影響を与えているのではないか、などなど、考察してみるのもおもしろいところです。
Creedence Clearwater Revival - Lodi - YouTube
アメリカでは1976年リリースのベスト盤『Chronicle: The 20 Greatest Hits』はいまだにビルボード200にランクインするお化けアルバムとなっており(最新のチャートで685週目となる42位をマーク)、人気の高さを感じるバンドですが、60年代にリリースしたアルバムからは「Green River」が最も多い4曲が収録されています。
The Monkees - The Birds, the Bees & the Monkees
出典:Amazon Music
1968年リリース。The Monkees(ザ・モンキーズ)5枚目のスタジオ・アルバム。邦題は「小鳥と蜂とモンキーズ」。
それまで4作連続で全米1位を獲得してきたモンキーズが初めて1位を逃したアルバムです。
なのになぜ名盤なのか。人気のピーク時に作られた最後のアルバムだからというのもありますが、何より日本で耳馴染み深い「Daydream Believer」が収録されているからという理由で今回選びました。
The Monkees - Daydream Believer - YouTube
テレビ番組『ザ・モンキーズ・ショー』のために集められたメンバーだったものの、番組が終了してしまったわずか1か月後にリリースされたのがこのアルバムで、その先行曲だったのが「Daydream Believer」なんです。
バンドにとって最後の全米1位曲となった今作は日本でもカバーされたことで広く知られています。
この認知がありすぎるんで他の曲はあまり知らない方も多いと思いますが、アルバムを通して聴いてみるとかなり挑戦的な印象があり、時代を象徴するようなサイケデリック感があったり、ザ・60年代、と言えるようなポップ感があったりとかなり多彩。
The Monkees - Valleri - YouTube
まとめ
今回は60年代に厳選して歴史的ロックアルバムを紹介しましたが、いかがだったでしょうか。
もちろん代表的な広く知られている名盤はたくさんあるので、その定義は人によって異なりますが、たった一つのヒット曲をきっかけにアルバムを掘り下げることで想像以上に名盤だったことを発見したりなど、名盤探しは楽しめるものです。
アメリカでの評価が高いもの、日本でとりわけ評価が高いもの、など様々な視点で聴くのもまた面白くなりますし、世代じゃなくてもネットで調べられる時代ですので、どんどん知る事も出来ます。
1枚でも聴いたことがない作品があれば是非聴いてみてほしいです。
以上、「歴史的ロックアルバムの名盤4選」でした。
歴史的アルバムの海外の評価は?
・【洋楽】名盤と呼ばれる歴史的アルバムの海外の評価は?メディア毎にレビューを比較
・【洋楽】名盤と呼ばれる歴史的アルバムの海外の評価は?メディア毎にレビューを比較PART2
ロックのおすすめ名盤シリーズ
・【洋楽】絶対に聞くべき歴史的ロックアルバムの名盤4選Part2
・【洋楽】絶対に聞くべき歴史的ロックアルバムの名盤3選Part3
・【洋楽】絶対に聞くべき歴史的ロックアルバムの名盤4選Part4
・【洋楽】絶対に聞くべき歴史的ロックアルバムの名盤4選Part5
・【洋楽】絶対に聞くべき歴史的ロックアルバムの名盤4選Part6