【洋楽】絶対に聞くべき歴史的ロックアルバムの名盤4選Part8

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洋楽コラム

歴史的ロックアルバムの名盤シリーズも前回から約1年ぶり、第8弾となりました。(第7弾はこちら

ロックというジャンルが広まり、拡散し、細分化され、時代と共に進化していく中で数えきれないほどの名盤が生まれています。

今回は90年代の名盤の中から筆者が当時よく聴いていた王道アルバム4作品をピックアップしてご紹介していこうと思います。

洋楽好きの方に限らずただ懐かしむという意味でも、是非この機会に改めてレコードやCD、ストリーミングサービスなどで聴いてみてください。

【洋楽】歴史的ロックアルバムの名盤4選

Santana - Supernatural

Santana - Supernatural
出典:Amazon

1999年リリース、Santana(サンタナ)の復活を象徴するアルバム『Supernatural』。

サンタナは1960年代後半から活動を続けるラテン・ロックの先駆者で、そのキャリアは半世紀以上にわたります。

サンタナと言えば例えば1970年のアルバム『Abraxas』がローリングストーン誌が選ぶ「歴代最高のアルバム500選」にもランクインするなどキャリアの初期に代表作がありますが、3,000万枚も売り上げサンタナ最大のヒットとなったこの『Supernatural』も90年代においては間違いなく名盤と言えます。

このアルバムの象徴的な曲と言えるのが「Smooth」。ロック・バンドMatchbox Twenty(マッチボックス・トゥエンティ)のボーカリスト、Rob Thomas(ロブ・トーマス)をゲストに迎えたこの曲は、軽快なギターリフと情熱的なボーカルが印象的で、米ビルボードホット100で12週連続1位を記録しました。そのキャッチーなメロディーとラテンのリズムが融合したこの楽曲は、リリースから20年以上経った今でも多くのリスナーに愛されています。

Santana - Smooth ft. Rob Thomas - YouTube

さらにもう1つの代表曲が「Maria Maria」。ヒップホップ/R&Bボーカル・デュオのThe Product G&B(ザ・プロダクトG&B)をフィーチャーしたこの曲は、ヒップホップとラテンの要素が絶妙に組み合わさったサウンドで、2000年代初頭の音楽シーンを象徴する楽曲の1つです。こちらも全米1位を獲得し、アルバムの成功を支えた重要な1曲です。

Santana - Maria Maria ft. The Product G&B - YouTube

この『Supernatural』には、他にもエリック・クラプトンやデイブ・マシューズ、ローリン・ヒルなどといった豪華なゲストが参加しており、それぞれが異なる音楽的背景を持つアーティストであるにもかかわらず、全体として非常にまとまりのある作品に仕上がっています。その多様性がアルバム全体の魅力を高め、聴くたびに新たな発見があるのもこのアルバムの魅力です。

サンタナの豊かな音楽性とリズム感が存分に発揮されたこのアルバムは、90年代後半の音楽シーンにおいて特別な存在感を放ち、現在でも色褪せることのない名盤として語り継がれ、2025年グラミーの殿堂入りを果たしました。

Matchbox Twenty - Yourself or Someone Like You

Matchbox Twenty - Yourself or Someone Like You
出典:Amazon

1996年リリース、Matchbox Twenty(マッチボックス・トゥエンティ)のデビュー・アルバム『Yourself or Someone Like You』。

先述の「Smooth」に参加したロブ・トーマスがボーカルを務めるバンドです。そのキャリアは実は90年代のオルタナティブ・ロックブームの真っ只中に始まりました。アルバムはリリース直後から全米で大きな反響を呼び、最終的には1,200万枚を超えるセールスを記録する大ヒット作となりました。

個人的には当時、番組名こそ覚えていないのですが、テレビで初めて「3AM」のPVを見たことがきっかけで知りハマったこのアルバム(今でこそほとんどありませんが、有名なベストヒットUSA以外にもランキング形式で紹介する番組がありました。)。シンプルでありながらも心に残るメロディーと、ロブ・トーマスの少しハスキーで勢いが余りすぎるような癖のある歌声が特徴です。

このアルバムの代表曲の一つが「Push」。感情の揺れや葛藤を歌った歌詞と、印象的なギターリフが特徴で、当時の若者たちに強く共感されました。MTVでのヘビーローテーションもあり、バンドの名を一躍広めるきっかけとなった曲です。

Matchbox Twenty - Push - YouTube

もう一つの代表曲が「3AM」。こちらは少し落ち着いたバラード調の楽曲で、家庭内の困難や孤独感をテーマにした歌詞が特徴です。ロブ・トーマス自身の実体験に基づく歌詞がリスナーの共感を呼び、今でもライヴでの定番曲となってるようです。

Matchbox Twenty - 3AM - YouTube

このアルバム全体を通して感じるのは、シンプルでありながらも強いメッセージ性とメロディアスな楽曲の数々です。特に90年代のオルタナティブ・ロックのエッセンスをしっかりと取り入れつつも、ポップな要素も強く聴きやすいサウンドは、1,200万枚の大ヒットとなったきっかけとなった理由のひとつかもしれません。日本ではそれほど認知度が高くないかもしれませんが、知ってる方にとっては懐かしさあふれる1枚かもしれません。

Extreme - Extreme II: Pornograffitti

Extreme - Extreme II: Pornograffitti
出典:Amazon

1990年リリース、Extreme(エクストリーム)の2枚目のアルバム『Extreme II: Pornograffitti』。

このバンドは、テクニカルなギタープレイとキャッチーなメロディーで知られ、特にギタリストのNuno Bettencourt(ヌーノ・ベッテンコート)の圧倒的な演奏技術で注目されました。このアルバムは、80年代後半から90年代初頭のハードロックシーンを象徴する一枚でありながら、独特のファンクメタルサウンドと幅広い音楽性が特徴です。

この作品の中で特に異彩を放つのが、「More Than Words」です。ハード・ロックやメタル系のバンドでありながら、アコースティック・ギターの弾き語りのみで構成されたこのバラードは、バンドのイメージを大きく覆す1曲となりました。シンプルながらも感情に訴えかけるメロディーと、美しいハーモニーが特徴で、ビルボードホット100で1位を獲得するという大ヒットを記録しました。日本でもこの曲をきっかけにエクストリームを知ったというファンは多いのではないでしょうか。

Extreme - More Than Words - YouTube

一方で、アルバム全体の雰囲気を象徴するのが「Get the Funk Out」。重厚なリフとファンキーなブラスセクションが融合したこの曲は、80年代後半のヘヴィ・メタルとファンクが絶妙にミックスされたサウンドで、ライヴでも定番となっているようです。こちらも日本での人気が高く、90年代当時、ラジオや音楽番組でよく耳にしたという方も多いかもしれません。

Extreme - Get The Funk Out - YouTube

『Extreme II: Pornograffitti』はハード・ロックやメタル・ジャンルに分類されながらも多彩で、非常に聴きやすさのあるこのアルバム。ハードなリフや高速ギタープレイに加え、キャッチーなコーラスやリズミカルなグルーヴ感があり、ジャンルの枠を超えた音楽的な多様性が詰まっています。その結果、ハード・ロックのファンだけでなく、幅広いリスナー層に支持される作品となったのではないでしょうか。

Bon Jovi - These Days

Bon Jovi - These Days
出典:Amazon

1995年リリース、Bon Joviの6枚目のスタジオ・アルバム『These Days』。

これまでのアルバムとは一線を画する、より内省的でシリアスなトーンが特徴ですが、それでもボン・ジョヴィらしいキャッチーなメロディセンスは健在。特にダークさが際立ちながらも美しいメロディラインと、感情豊かな歌詞が絡み合う曲ばかりで、初期の作品から大きく進化したことを感じさせます。その完成度の高さは、多くのファンにとっても特別な1枚となっているはずです。

何より前年リリースしたベスト盤『CROSS ROAD』が大ヒットし、ベースのアレック・ジョン・サッチ脱退後初のスタジオ・アルバムということもあってその後の方向性を決定付けるべき作品だったからこそ、バンドにとっても重要な位置づけになっていると思えてなりません。

このアルバムの代表曲のひとつが「This Ain't a Love Song」。ドラマティックなメロディと歌詞、歌ってるようにさえ感じるギターが特徴的な名バラードです。

Bon Jovi - This Ain't A Love Song - YouTube

もう一つのシングル「Something for the Pain」は、よりアップ・テンポでロック色の強い楽曲。ギターリフとエネルギッシュなサウンドが印象的で、リッチー・サンボラのコーラス、早口で癖になるサビの耳心地など細かくインパクトを残すかっこよさもあります。

Bon Jovi - Something For The Pain - YouTube

また、このアルバムは日本での累計売上が130万枚を超えており、洋楽ロックバンドのスタジオ・アルバムとしては異例の大ヒットを記録しました。ベスト盤を除いたスタジオ・アルバムでミリオン・セールスを達成する例は少なく、その意味でも非常に価値のある作品と言えると思います。

来月で発売から30周年を迎える今作。近く掘り下げた特集記事も書こうと思います。

まとめ

今回は90年代に厳選して歴史的ロックアルバムを紹介しましたが、いかがだったでしょうか。

取り上げた作品は比較的ロックに限らず洋楽全般が好きな方も知ってるようなものばかりだと思います。

もちろん代表的な広く知られている名盤はたくさんあるので、その定義は人によって異なりますが、たった一つのヒット曲をきっかけにアルバムを掘り下げることで想像以上に名盤だったことを発見したりなど、名盤探しは楽しめるものです。

アメリカでの評価が高いもの、日本でとりわけ評価が高いもの、など様々な視点で聴くのもまた面白くなりますし、世代じゃなくてもネットで調べられる時代ですので、どんどん知る事もできます。

1枚でも聴いたことがない作品があれば是非聴いてみてほしいです。

以上、「歴史的ロックアルバムの名盤4選」でした。

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WRITER

酒井裕紀

洋楽まっぷ運営者。10代のころから米英の音楽チャートを追い続け、約30年にわたり時代ごとのヒット曲とその背景を研究。Spotifyやビルボードをはじめとする最新データを日々チェックしつつ、70年代から現在までの洋楽に一貫して関心を持ち続けている。特に「音楽が持つ時代背景や流行の変遷」をわかりやすく伝えることを目指し、楽曲やアーティストの魅力を丁寧に紹介しています。